この国は
今回はある種説明回です。
因みにこの国の概要について少々整理をしてみようと思う。
この国はアルバトロスという国名で、周辺諸国から見ても歴史ある大国である。
その国名を姓に背負うアルバトロス王家がこの国を統治している。
また、王家の下には三大大公家と呼ばれる公爵家が三家ある。
もとは初代アルバトロス王の子孫が興した名実ともに力を持っている公爵家だ。
まずはクウェイル家。智に秀でる者を多く派出し、この家からは国の運営に携わる官を多く登用されていて、歴代国の宰相はこの家の出身となっている。
高位文官の多くはこのクウェイル家の関係者である。
次はオーストリッチ家。代々武に秀でる者が多く、国の国防はこの家の手腕にかかっていると言っても過言ではない。
上位武官の多くはこのオーストリッチ家と繋がりがある。
最後はキングフィッシャー家。商業に重きを置く商才豊かな者が多いので有名。アルバトロスが富み栄えている背景にはこの家の功績は計り知れない。
この国で商売をしようと思ったら、あちこちに息のかかっているキングフィッシャー家の意向に逆らってはならないという暗黙の了解まである。
この三大大公家がそれぞれも持ち味を最大限に発揮した国、これがこのアルバトロスという国家。
どこかでバランスが崩れたら国の崩壊にも繋がりかねないこの三家をうまく取りまとめるアルバトロス王家があって、このアルバトロスという大国は成り立っている。
公爵の爵位を賜っているのはこの三家のみで、その下に侯・伯・子・男爵家と続く。
私の籍を置くスワロー伯爵家は伯爵家の中でもど真ん中位の位置であると思う。
同じ爵位であっても、国の要職にあるとか収める領地、収入による富の格差で一概に同列とはいかないところは身分の差はあれども庶民と同じ所であろう。
前世の私、庶民のガートルードも生まれ育った生家の豊かさや個人の技量によって位置づけられるものはあったのだから。
男性であれば身分と財、女性であれば家と美貌でスタート地点が変わってくるのは今も昔も庶民も貴族も関係ないのは両方経験してみて改めて感じとったこと。
何とも世知辛い話ではありけれど、それは世間のありようなので仕方がないわ。
また、この国の宗教は基本バード教という教えにある。
もちろん他国からきた人も多数いるので別の神を信仰して者も多数いるが。
バード神という神を崇める教会がそこここにあり、通常の信仰はもとより冠婚葬祭の取り仕切りや身よりのない子供や生活に困窮したものの支援援助を行っているなど大事な国の機能を担っている。
これが、この国を理解する上で重要な基本構造であるには違いない。
次回もお願い致します。




