13:下ネタ有り、ゆるいコメディー『簿記にボキボキっと心へし折られ』
またもや13段目。
足場が……ガタンッ…………………………。
両足は地を離れ、でも重力には逆らえない。
首にかかる物は何かしら、締め上げる物は何かしら、ただただ妄想だけが膨らんで、感傷的になる13の数字。
作品は下ネタ(エロネタ)を含みますので、ご不快に思われましたらすみません。
ゆるいコメディーに乗せたヒューマンドラマ……?
「え? ボ……キ?」
ちゃんとタコとかイカとかエビとかボラみたいに真面目に言ったのに、おかしな間を入れないでほしい。
茶化さないでほしいと切に願う。
「今、そういうエロいのとか求めてないから」
「エロ? ボ……え? 人間の、男性に普通によくある生理現象でしょ?」
想像したのは私も彼女も同じ言葉で、なのに、その言葉をエロい方向に考えているのは私だけ……みたいに聞こえるんですけど。こっちだけがいやんで恥ずかしくなるような、変な言い方をするのはやめてほしい。
なんで私だけエロい腐女子扱い?
完全否定は……しないし……出来ないけれど、あんたもどうせ似たり寄ったりでしょ?
早くあんたも私の所まで落ちておいでよ。
ほら、よく言うでしょ?
異世界恋愛の俺様イケメンヤンデレキャラが、そんな感じの、「早くお俺の所まで落ちてこいよ」的な台詞。
……いやいや、じゃなくて、本題、本題。
「じゃあなくて、そもそもが、根本から違うから。簿記だよ、簿記」
「え……根? から……違う…………規格外の、男根ってこと? そんなに大きくなるの!?」
あんた、やっぱり腐女子だよね?
私の遥か先を行く、その道の最前線かつ最先端を行く腐れ女子ですよね?
「簿記だから、簿記。商業高校とかで資格を取るようなやつ。会社の経理とか、決算とか、そんなのに使う知識というか技能というか」
「うん、で、簿記がどうしたの? 簿記なら私、2級持ってるけど」
とっとと朽ちろ、この腐れ女子。
こいつ、絶対に最初っから分かってて、分かった上で私に恥ずかしい思いをさせて、腐れ女子仲間に引き込もうとして………… ん? あれ??
に、2級!???
「3級……ではなくて、に、2級?」
「2級。私、経済学部だっから、大学の時に資格取ったんだよね」
「そっか……マジか……。まさかあんたが2級とは。ねぇ、ほんと、本気で教えてほしい。簿記の仕訳とか、試算表とか、さっぱり頭が付いて行かなくて、何がなんやら状態で辛いんですけど」
腐れ女子のくせに、腐っても簿記2級とか、めちゃくちゃ羨ましい。鯛は腐ったら食べないけれど、腐った鯛を食べれば簿記2級になれますとかだったら、余裕で食べるし。涙流しながら喜んで食べるし。それくらい簿記にボキボキっと心へし折られたし。でも生はさすがにちょっと……せめて焼き魚か煮魚料理状態でないと、命の危険を感じるから、腹下すだけでは済まなくなりそうだから。
「教えよっか? 簿記やら仕訳やら何やら」
「お願いします。簿記やら仕訳やら何やら」
こうして、私は簿記の先生を手に入れた!!
簿記のレクチャーの合間に腐女子の心得を懇切丁寧に説かれたりするのがウザイけれど、着実に知識が身に付いている。
簿記も、何やらな知識も。
先日は彼女と一緒に本屋へ行き、分厚いテキストと問題集を買った。
あと、薄い本も買った。
薄い本、これも最近知った言葉で、ネット検索するとWikipediaさんがとても親切に教えてくれる。
6月の試験は間に合わないから受験は見送るとして、11月の試験で3級合格を目指そうと思う。
でもその前に、8月には気合いを入れて、彼女とコミケに挑もうと思う。




