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事故物件を荒らしてみたwwww  作者: 結城 からく


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1/1

前編

 夜の公園に五人の男女が集まっていた。

 カメラを持つリーダーのコウスケが、元気いっぱいに挨拶をする。


「どうも、事故物件探索会でーす! 今回もよろしくお願いしますー!」


 それに合わせて他の四人が拍手で盛り上げた。

 拍手の後、副リーダーのキョウが残念そうな顔で視聴者に告げる。


「さっそくですけど、メンバーのツヨシとカズオは休止になりました」


「二人とも失踪してましてね。警察にも相談して捜索中です」


「前回の撮影で呪われてたっぽいんで、たぶんその影響ですね!」


「まあ、事故物件の撮影は儲かるんでやめません! その辺りはご安心ください!」


 コウスケの発言に、再び四人が拍手をした。

 彼はカメラを動かして、端に立つ金髪の女をアップで映す。


「抜けた二人の代わりに、今回は新メンバーに来てもらいました! 自己紹介どうぞ」


「はーい。サオリでーす、よろしくお願いしまーす」


 サオリはぺこりと頭を下げる。

 挨拶が終わったところで、コウスケが歩き出した。


「じゃあさっそく事故物件に向かいましょう! ケンイチ、説明よろしく」


「今回の物件は呪われた家と呼ばれています。入居者が次々と不審死を遂げることから、現在は貸し出されていません。最後の家賃は一万円だったとか」


 ケンイチはスマートフォンで概要を調べながら語る。

 彼は画面をスクロールしながら話を続けた。


「家の中には女の霊が出るそうです。名前は……キザキミナコ」


「美人だったら告白しようぜ!」


「はっはっは! いいな、それ! 幽霊の彼女とか最高じゃん!」


 コウスケとキョウは冗談を言い合って笑う。

 他のメンバーもそれぞれ面白がっており、この状況に怯える者は誰もいなかった。


 公園を出た五人は閑静な住宅街を進む。

 数分後、とある一軒家の前で足を止めた。

 コウスケはやや引きのアングルで外観を撮る。


「うわぁ、なんか不気味ですね。呪われた家って評判も間違ってなさそうです」


「なんか寒気がするかも……」


「いざとなったら俺が守ってやるよ」


「きゃっ、キョウ君かっこいい!」


 抱き合うキョウとサオリをよそに、コウスケが玄関前に立つ。

 彼はニヤリと笑い、インターホンのボタンに指を当てた。


「とりあえず挨拶してみましょうか」


 次の瞬間、コウスケはインターホンを連打し始めた。

 さらに深夜にもかかわらず、大声で遠慮なく呼びかける。


「こんにちはー! ごめんくださーい! 事故物件探索会でーす! 誰かいませんかーっ!」


 家から反応はない。

 それでも彼がめげずにボタンを押していると、ガラスの割れる音が鳴り響いた。

 見れば庭に面した窓が砕け散っている。

 そこには金属バットを持ったメンバーのユウシが立っていた。

 彼は悪びれもせずに言う。


「開いたよ」


「ナイス! では呪われた家にお邪魔しましょう」


 五人は土足で家に侵入した。

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