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閑話 現実を突きつけられた瞬間――

 4限目が終わり、ようやく迎えたお昼の休憩時間――


 雄大はスマートフォンのメッセージアプリで修を呼び出した。


「やあやあ、修クン。お疲れ様」

「お疲れ様です」


 彼らは学生寮の入口から少し離れたところにあるベンチに腰かける。

 今のところは生徒達は昼食を摂っていたり、何を食べようかと会話しながら学生寮に向かっているところなので、あまり2人のことは気にせずにぞろぞろと通過していた。


「午前中はどうだったかい?」

「どうだったかい? って……見られているというプレッシャーが凄く感じますし、精神的に疲れたと言ってもいいかもしれませんね……いつもとは違った雰囲気を僕だけ味わっているのはなんかなぁと……」


 雄大は彼に問いかける。

 その問いかけに修は少し疲れたような回答だった。


「まぁ、そうだな。一般生徒は全員、これが毎日続くわけだからさ。君が体験している見られる側の立場が分かったと思うけどどうだい?」

「そうですね。僕だったら心が折れてしまいます。むしろ、すでに折れかけていますけど」

「素直な回答をありがとう」

「僕は自分で感じたことを言っただけですよ」

「修クン、ここからは静かに聞いてほしい」

「…………!?」


 彼らは苦笑するが、雄大はすぐに真顔に、対する修は絶句している。


「彼らは常に俺達、生徒会役員から無言の圧力をずっと与えることとなり、時にプレッシャーに感じてしまう者が多く、退学者が出るということになる。おまけに(たと)え間違えて嘘をついてしまい、それが俺達に見られたことによって命を落とす者も一気に増える」

「……ということは……?」

「それが1年生の後期に該当するんだ」

「同級生がいなくなる可能性が出るということですか!?」

「そういうことになる。今後は君のクラスメイトの誰かが退学したり、命を落としていくところを君の()で目撃することになるだろう」

「……」

「それがこの高校の現実(リアル)さ……修クン、分かったかい?」

「ざっくりですが、分かりました」


 生徒会長である雄大から直々に告げられたこの学校の現実――


 修にとってはこの現実を受け入れるしかないと感じていた。


 この高校の生徒会役員の宿命だということを――


「――今日は丸1日見られる側だけど、時間がある時に見る側も体験してみないかい?」

「いいんですか!?」

「それは他の生徒会役員に相談して決めるとしよう。早くしないと昼休みが終わって5限目が始まってしまうからな!」

「ハイ。急ぎましょう」


 先ほどまで流れていた冷ややかな沈黙が嘘みたいに穏やかな会話に戻った瞬間だった。

2026/02/05 本投稿

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