久しぶりのお出かけ
かねてより進められて来たホテルの第二号館が今日完成して、無事に運営を始めたのを確認した僕とブレンダは、ロビーでホッと人心地ついていた。
レイシアは、またダンジョンに行っていて、ここにはいない。
あの子は、どこまで強くなる気なのだろうか・・・・・・
魔法使いなのに、おそらく今では戦士と同等に戦えるのではと思うくらいに、強くなっているはずだ。まあ、同ランクの戦いではないのだけれどね。
それはそうと、疲れた時には甘いものを食べよう。
五平餅の件で、おやつという存在をいろいろと用意しようと思い作って来たタイ焼きを、ブレンダにも渡す。
「へ~。魚の形なんて、お洒落で素敵じゃない」
「お洒落か?」
こっちの世界だと、そういう反応なのかと思いつつも早速食べる。中は粒餡だ。
「ん~~っ。これ、美味しいわね。ホテルで売らない?」
「お前、何でも売ろうとするなー」
「まあ、そういう家だからね」
「成金貴族ってやつか?」
「何それ? なんとなく馬鹿にされている感じがするのだけれど」
「そうだな、たいていの場合は軽蔑する意味で使う言葉かな。金の力で貴族の地位を買うとか、そういう意味で使われることが多いな。僕が言いたかったのは、初めは商人をしていたけれど、家が大きくなっていって貴族の位になっていったのかって聞きたかった。嫌味とかじゃないぞ」
「それならいいけれども。私の実家は元々普通の貴族だったわよ。どうも、先祖で商売好きな人がいたらしくて、貴族なのに商売を始めてしまったって感じかしら」
「なるほどな~」
「それよりも、これ家で売らせてよ」
「僕の密かな楽しみだぞ」
「独り占めするつもり?」
「そのつもりなら、お前に食べさせないだろう?」
「それもそうね」
「まあ何かの時に、こうやって食べるのがいいものだって、思っておけよ」
「じゃあ、いつか気が変わったら、売ってね」
「そうだな、気が変わったらな」
僕達は従業員達が慌しく働く中で、のんびりとそんな話をしていた。
最近の僕はおやつ一色になっていて、ふと思い付いたことがあった。
ダンジョンばかり潜っているレイシアと、たまには普通の日常でも楽しもうという趣旨で、蜂蜜集めの冒険へと誘ったのだ。たまには変わったことをするのもいいだろう。
「スイートビーというモンスターが集めている、蜂の蜜というのがとても美味しいらしいという話を聞いたのだ。それでハニートーストを作ろうと思うのだけれど、一緒に蜂蜜を採りに行かないか?」
「行きたい!」
前のめりになるほど食い気味に返事をして来た。レイシアも乗り気なので、早速蜂がいるところへと向うことにしよう。
移動方法は、いつもなら転移で行くのだけれど久しぶりの冒険なので、のんびりと地面を行くことにした。
レイシアは、久しぶりのユニコーンに乗って。僕は黒い翼を出して空を飛んで移動して行く。
最初は僕も乗せてもらおうかなって思ったのだけれど、ユニコーンに嫌がられたので飛ぶことにした。今回の冒険は、拠点には戻らないで野宿をしながら進む予定になっている。
最近はいろいろなことがあって、忙しかったからな~
たまにはのんびりとした冒険もいいものだと思うよ。まあ、そんな事を思っていると、ブレンダから通信が入ったのだけれどね・・・・・・
『今いいかしら?』
「まあ、のんびりと久しぶりの冒険中だが、どうした?」
『あら、お邪魔だったわね。じゃあ手短に。ケイト先生からの話なのだけれど、バグに一部の冒険者の指導を頼みたいのだそうよ』
「はっ? 何で学校の先生が、そんな事を頼んで来るのだ? 自分で指導したらいと思うけれど」
『初心者じゃなくて、ベテランを育てて欲しいんだそうよ。異形と戦える人を何人か育てて欲しいって話だったかな』
「なるほどね。勇者に任せたらどうなのだ?」
『それがあれ以降、勇者は不調らしくて、戦力にならないそうなのよね・・・・・・』
「一つ疑問に思ったのだけれどいいかな?」
『何かしら?』
「勇者ってどうしたら、勇者認定されるのだ?」
『今回の場合は、初代勇者の剣を彼が扱えたっていうのが、勇者の証とされたわね』
「それって、ただ剣を装備できただけの普通の冒険者なんじゃないのかな? 僕にはどうもあいつに勇者の素質とか品格とか、なんかそういうのがあるようには思えなかったぞ」
『まあ、確かにそうね。私も、勇者にしてはぱっとしないというか・・・・・・』
聖なる剣を持てたから勇者・・・・・・なんとなく繋がりがありそうな感じがするな・・・・・・
「なあ、今の勇者から剣を取り上げることって出来るものかな?」
『ちゃんとした理由があれば、できるかもしれないけれど、どうかな?』
「こっちの学園に、スキルがちっとも増えない、困ったチャンがいるのだけれど。最近そいつが属性を覚えてね・・・・・・それが光じゃなくて、聖属性だった・・・・・・。ひょっとしないかなって思ってね」
『何か、気になるわね』
「だろ? 一応、スキルを二つだけ覚えたみたいなのだけれど、その一つがディクラムの加護ってスキルで、職業が普通なら神官になりそうなのに、職業も空欄なのだよ」
『ますます気になるわね、ちょっとその生徒の名前、教えてくれるかしら? バグ達はしばらく冒険になりそう?』
「名前は、ハウラスって男子だ。そうだな、僕達はのんびり移動して、今は久しぶりに野営して初心を思い返している感じだから、当分は冒険かな」
『わかった、じゃあこの件はこちらで試してみるわね。何か変化があれば知らせるわね』
「ああ、頼んだ~」
ブレンダとの通信を終えて、レイシアと簡易的なご飯を食べた。たまに食べるジャンクフードは美味しいというが、たまにこういう質素な食事も美味しかったりするな。まあ、調味料がしっかり入っていたので、普通に美味しい料理だったのだけれどね。
レイシアも、久々の野宿で気持ちが高ぶっていたのか、結構夜遅くまで雑談をして真夜中過ぎに眠りに落ちた。
僕はこのまま火の番をしながら見張りをする。
姿形は人間でも中身がモンスターなので、睡眠を必要としていないのだ。まあ、拠点とかでは精神的に疲れたりするので、寝ていたりするけれどね。
朝方になって野営地にモンスターが現れた。こういうのも久しぶりだな~
そう思いながらもレイシアを起さないように移動して、出て来たゴブリン達を殴り飛ばしていった。
今回は、討伐部位とか集める必要もないので、遠くまでふっとばす。血の匂いとか嫌だしね。
朝になりレイシアが目を覚ます頃、せっかくなので味噌汁を作ってみた。
具になるものは森で取って来たキノコ、食べられる葉っぱ、干し肉を削ったものなどを入れてみた。
味噌自体で味がついているので、食べられる葉っぱをちゃんと処理すれば、味を悪くするものはない。ほんとは、ご飯が食べたいところだけれども、野宿しているのだから、固いパンでここは我慢しておこう。
起きて来たレイシアと一緒にそんなメニューで朝食を済ませた。
外国に行くと日本食が恋しくなるというのがよくわかるね。ただ味噌を入れただけの味噌汁だったのに美味しく感じて、意外とパンでも満足できる朝食だったよ。
僕らは、街道を山脈に向かって進む。今回の目的地は山脈の手前にある岩場の辺りで、そこに赤い花びらの花が咲き乱れているところがあるらしいので、その近場に向っている。
花自体は特に薬とか素材になったりはしない種類なのだけれど、その花の咲く場所は栄養状態のいい土で、なおかつミネラルを多く含んだ水が手に入る場所なのだそうだ。そんな場所でしか育たないという農業をする人にとっては、いい土を手に入れる目安になる花なのだそうだ。
そして、そこから取れる蜂蜜はとても美味しいものとなるそうで、スイートビーが独占して他の生き物から守っているのだそうだ。
スイートビーといわれる蜂は人間の子供程もある体で、攻撃に特化していてその上群れで行動するらしく、蜂蜜を手に入れるのは困難を極めると言われている。
そんな蜂蜜なので、当然市場には流通していなくて、実際にどれくらい美味しいものなのかは不明であったのだけれど、話を聞いて食べてみたくなったのだ。
レイシアも今回は結構ノリノリなので、僕達は危険など無視して突き進んでいる状態だった。これで噂通りの美味しさならば、文句なしって感じなのだけれどさてさてどうなるかな~
道中の警戒は調査のスキル、レイシアにも察知のスキルがある為、奇襲される心配はなくなり雑談しながら旅行気分の移動になった。雑談の話題は、主に昔は大変だったなあとかこういう苦労をしたなとか、そういう感じのものだな。
危険も危機感もない移動もやがて目的の場所まで辿り着くと、いよいよ蜂蜜とご対面だと段々気合が入って行く。
一応は、蜂が凄く強い可能性を考えて油断だけはしないようにしようと話し合いながら、まずは花畑を見付ける事にした。
そこからは蜂を見付けてその蜂を追跡、動きが素早く何度も姿を見失うのだが僕達は調査や察知のスキルを使わないで、普通に苦労して手に入れる方法で今回の蜂蜜をゲットすることにしていた。
以前のキノコ狩りの時に思ったことだけれども、こういうのは苦労した方が楽しいしより美味しく感じると思ったから、面倒でもじっくり探して行くことに話し合って決めた。まあその場合、他のモンスターなどの不意打ちを、きちんと警戒しないといけないけれどもね。
それにしても素早いな。あれだけデカいと次の蜂を見付けるのに苦労はしないのだけれど、木々の中を素早く飛んで行くので、度々どこに行ったのかがわからなくなるのだ。それでもデカい蜂は目立つので、その都度見付けて移動すれば、何とか巣まで辿り着けそうな感じがする。
僕達は、あの大きさの蜂なので巣もどれくらいの大きさなのだろうとか、そんな事を話ながら蜂を追いかけた。
「ひょっとして、あの岩みたいなのが全部巣なのかな?」
「周りにも、似たような岩があるわね。あっちも全部巣とか?」
「確認してみるかな・・・・・・」
ここで調査のスキルを使って内部を調べてみた。
「あの岩みたいなのが巣で間違いないみたいだな」
「そう、一つを攻撃したら、全部の蜂が襲って来るかしら?」
「あーありえそうなパターンだな~。どうする? 何なら巣の一つを転送して、孤立させるって手もあるけれども」
「まずはこの蜂が、どのランクの敵なのか、調べたいわ」
おー、昔と違って慎重な意見が言えるようになっているな。こんなところにも成長が窺える。
「じゃあ、巣から出て来たやつを一匹相手にしてみよう」
「わかった」
そう確認し合うと、僕達は一旦巣の近くから離れて出て来る蜂を待つことにする。
それ程待たないで、蜂が花畑に向けて飛んで行こうとしているのを発見、飛び上がってその蜂をハンドボールのようにキャッチすると、レイシアが待機してのいる辺りの地面へと投げてみた。
蜂は少し混乱したのか、墜落した場所でうろうろした後、レイシアを発見して襲い掛かって行った。
「えい!」
お尻にある針を剥き出しにして突撃して来た蜂の、その針の部分が日本刀であっけなく斬り飛ばされるのが見て取れる。針を失い慌てた蜂が、噛み付こうとしていたのだけれど、レイシアの日本刀がさっくりと両断したので、蜂の強さはそこまで高くないことがわかった。
「これだと、どの規模の集団なのかが、ネックになるくらいかな?」
「そうね、思っていた程の強敵ではなかったから、死角からの攻撃を注意したら、なんとかなりそうかしら?」
「一番簡単なのは、中にいる奴を全部置き去りにして、巣だけを転移させると楽なのだけれど、やっぱり普通に行きたいよね」
「ここまで来たら、普通に手に入れてみたいよね」
「じゃあ、まずは巣を一つこっちの方に飛ばしてみて、普通に出て来た蜂を倒して行こうか?」
「ええ、それで行ってみましょう」
「ここで準備して待っていて、試しに一つ投げ飛ばしに行って来る」
「行ってらっしゃい」
僕達は、作戦を決めてそれぞれに行動することにした。
まあ僕は巣に近付いて、力技で持ち上げて投げ飛ばすだけだけれどね。
もたもたすると、他の蜂も襲って来るかもしれないので、一連の動きを素早くってところが気を付けないといけないところかな。
周りに飛んでいる蜂の様子を窺い、素早く走り込んで巣を持ち上げると、バキッという音と共に巣が地面から剥がれて取れる。まあ、普通ならこんなに簡単には引き剥がせないだろうな。後持ち上げられるような物じゃないだろう。さすがモンスターの怪力って感じだ。さてさて、蜂が飛び出て来る前に投げるとしよう。
持ち上げた巣をレイシアがいるであろう位置に投擲する。多少の位置ずれは、まあスキルなどを使っていないので勘弁してもらうとして、巣を追いかけて走って戻ることにした。万が一があるかもしれないので、フォローしないとだからな。
後ろを確認してみたけれど、反応できている蜂はいないようだったので、ちょっと安心できた。
巣は、レイシアのいたところより少しずれたところへと落下していて、レイシアは位置を確認した後、拠点魔法陣を展開。
おそらく部隊召喚で呼んでいたと思われるアラクネに、捕獲の指示を出していた。
巣を守ろうと飛び出して来た蜂達は、面白いようにアラクネ達に捕獲されて行っている。
アラクネは、足を伸ばせば大人の人間の三倍はある程の巨体なので、そんなアラクネの張り巡らせる蜘蛛の巣は、暴れる熊でも逃げ出せない程の強度を持っている。
だから、スイートビーでは捕まったら最後、逃げ出せないだろうな~
「これ僕達の出番、ないんじゃない?」
「そうみたい。失敗したかな?」
「うーん、これはこれでありって事で。蜂と蜘蛛、相性が良過ぎたのだろうね」
「だね。こんなに一方的だとは思わなかったよ」
「でも、これなら巣はもらって行くけれど、蜂はそのまま置いていけそうだな。蜂達には申し訳ないけれどまた巣を作ってもらって、僕らは蜂蜜をもらって帰れそうだ」
「そうだね。今日は運が悪かったと思ってもらいましょう」
僕達は巣を拠点へと送ると、他にもある巣へと向った。
全部を持って行くのはさすがに問題があるかもしれないので、一つだけ巣を残して他にあった五個の巣を、アラクネを使って襲い、中の蜂を取り除いて拠点へと送る。
「送還、アラクネ」
相変わらず、うじゃうじゃいるアラクネは、気色悪かったなと思いながら帰って行く彼女らを見送り、僕らも撤収することにした。
「野宿の時にでも、早速蜂蜜の味見でもするか?」
「あ、そういえばどんな味なのか、味わっていなかったね!」
「今、味見しておく?」
「うーん、野宿の時の方が、ゆっくり味わえるかな?」
「じゃあ、今日の夜はちょっと固いパンだけれど、特製蜂蜜パンだな!」
「うわーそれ美味しそう! 待ち遠しいね!」
「だな。じゃあ移動しようか~」
「うん、帰ろう~」
こうして僕達は帰路に着く。帰りも行き同様に転移は使わないことにした。
そしてある程度歩いて暗くなり始めた頃、僕達は野営の準備を始めた。
パンだけのご飯だと寂しいので、シチューみたいなものを作り、後は早速蜂蜜を取り出す。
蜂の巣は拠点に送った後、パペットが抽出して瓶詰めにしておいてくれたので、その瓶を取り出して二人の間に置いた。シチューをそれぞれの器によそった後、早速パンに蜂蜜を塗って、僕達は味わってみることにした。
「「いただきます~」」
口に入れた瞬間、濃厚な甘みが口の中に広がった。
美食漫画とかならここで、いろいろな情景を浮かべながら美味しさとかを説明するのだろうかと、そんな事をふと思いながらも、止まらない味わいに僕達二人はパンが無くなるまで、がつがつと食べ続けた。
予想以上に美味しい蜂蜜だな。普通に食べることに夢中になって、言葉が出て来なかったよ。
「噂以上に美味しかったな」
「だね、これ無くなったらまた採りに来たいね」
「うん? それならいっそ、拠点で花を育ててしまうのがいいのかな?」
「できるの?」
「確か育てるのには、土と水って言っていたから、そっちを確保したら、何とかなりそうな気がするのだけれど。どうだろう? こればかりはやってみないとわからないかな・・・・・・」
「じゃあ、土と水の確保をしに行く?」
「行こうか?」
「行こう!」
僕達は美味しい蜂蜜を得る為に、急遽帰還予定を取りやめて、再び花が咲く場所へと向うことに決めた後とりあえずここで一泊する。レイシアが眠りについた後、とりあえず拠点の方で下準備をする為に、木こりのパペットに花を植える場所を確保させる。とりあえずは場所は草原部分にしてみるか。
それと、特殊条件じゃないと咲かないみたいなことがあると困るので、花専用の場所を草原の下に作っておこう。どちらかで花が上手く咲いてくれれば、後は蜂蜜を集めるだけになるからね。上手く咲いたら、蜂の眷属かパペットでも創ろうかな~。
翌朝、起きると早速花畑へと移動を開始した。
そこへ、ブレンダからの通信が来たよ。進展があったかな?
『今、大丈夫かしら?』
「ああ、大丈夫だぞ。進展があったか?」
『ええ、なんというかバグの予想が大当たりって感じね。ステータスを確認させてもらったら、職業が勇者になったわ。今では元勇者って感じになっちゃったけれど、アデルフィラの方は、普通に職業が戦士だったわよ』
「死んでいったパーティーメンバー達が可哀想になって来るな」
『そうね』
「勇者認定したのって、ギルドの連中だったか? そいつら殴っておけよ」
『あははっ、まあ今でこそわかったことなのだし、最初は仕方なかったわよ』
「確かに、結果論になって来るのか・・・・・・それにしてもほんと犬死になったものだな。ハウラスはどうしている?」
『今は勇者の実力を試す為に、元勇者様と一緒に異形の討伐に行っているわ。後、聖剣の形が日本刀になったから、あれはもう確実に彼が勇者で間違いないと思うわよ』
「あー、僕が壊れない武器として魔法武器の日本刀を渡していたから、それに馴染んじゃったのか・・・・・・まあ聖剣が日本刀になっても、特に問題ないからいいか?」
『まあ、とりあえずそんな感じ。また何かわかったら連絡するわね』
「よろしく~」
ブレンダとの通信を終わらせると、レイシアが話しかけて来た。
「本当の勇者様が出て来たの?」
「そうらしい。聖剣を持てただけの戦士を勇者扱いしていたのだな。通りで弱いとか勇者っぽくないって思ったよ」
「でも、ハウラスってスキルとかあまりなかったのでは?」
「あーそれ聞きそびれたな。また報告来るから、その時にでも聞くよ」
「威張らなければ、どっちでもいいよ」
「確かに、あいつは勇者になったのだから性格を修正する方が先か・・・・・・今度学校の教師連中を集めて、性格の矯正をしてやろう」
「程々にね~」
そんな会話をしながら、花畑に到着。
花と土を適当に確保して拠点へと送り届ける。途中花を守ろうと蜂がやって来たのだけれど、捕まえて森の中に投げ込んでおいた。
後は、水を確保しないといけないので調査を使い、源泉になっている泉を探してそこへ移動する。
泉へと移動していると熊が襲って来たのだけれど、ビンタしてやったら鳴きながら逃げて行った。熊が怖くなくなった僕らは、つくづく人間離れしているなと思いながらも泉に到着。
水を拠点へと送り込むシステムを構築して、今回の旅の目的を達成したことを実感した。後は町まで帰るだけだ~
帰り道、僕らは蜂蜜を使ったデザートの話などをしながらのんびりと移動して来たよ。




