7話 私のぽっこりお腹は栄養失調、幼児体型じゃなかった?
「はじめまして、リーシャさま。私はこの辺境伯領でお抱え医師をしているロジャーと申します。本日は軽く健診だけですので緊張しないでください」
ちょっと冷たい印象のブルーアイでモノクル掛けているイケオジが私にそっと触れてくる。銀髪を軽めに撫でつけたおそらく30代後半で声が大好きな○水さま。推せる・・・。
首や手首に手を添えられての軽い問診。多分だけど魔力を流されて体内を透視?レントゲンみたいなことをされたんだと思う。
先生の手が触れた時フワッと温かい感じがしたから。これだけで健康診断は終わりって楽でいいね。
「深刻な疾患はなし。栄養状態が悪かったようなので胃に負担をかけないように徐々に慣らしていきましょう。当面は料理人と相談してメニュを決めていきます。リーシャさまは無理しない程度に徐々に食べれるものを増やしていってください。栄養面と魔力循環が良くなれば体の機能自体は安定していくはずです。成長期が過ぎてますので身長が劇的に伸びるなどとはは申せません」
淡々とズバッと○水さまの声でヤラレました。一生ロリっ子か。可愛いままでいられるかなぁ。
内臓に問題無いのは良かったな。
多分ニーナが頑張って少ない食事でも最低限の栄養が摂れるように選んでくれてたんだ。
「リーシャちゃん、食事の前に私のむさい息子たちを紹介したいからついてきてちょうだい」
スノウリリィさまが私を片腕で抱き上げた。見た目は細くて淑女な感じなのに触れる場所がバッキバキに鍛えられてる。辺境って女性もマッスルにならないとダメなのだろうか?
目の前にはちょっとばかり、否、かなり眩いマッチョたちがいる。
ファンタジーのボーイズなラブの御本で居たらヤバい。
クミちゃんが見たら鼻血出しながら踊り出すところだ。
雄っぱい祭り!
「セリウスー!クラウスー!ちょっと来てちょうだぁいー!」
スノウリリィさまに抱っこされてたどり着いた場所は訓練場でした。桃源郷はここにあった。クミちゃんに見せたい。
休憩中なのか、何故か半裸の集団が寛いでいる。みんなそれぞれ髪が乱れて息が切れてたりで。なにこれ~。天国なの??
そんなマッチョたちがスノウリリィさまにザッと跪いて挨拶してくるので、眼福~っと悶えそうになる。そんな彼らはスノウリリィさまの腕の中にいる私を見て驚いている。
「あれ~?母上、その子なに~、お嫁さんの妹?すっごいちっちゃくて可愛いじゃん~」
雄っぱいの群れから間伸びした話し方のチャラい感じの青年が出てきた。ルドガーさまの筋肉量をだいぶ減らした感じの、ルドガーさま似のお兄さん。筋肉育て中とみた。
「セリウス、この子がお嫁ちゃんよ~可愛いでしょう!リーシャちゃん、この子が次男のセリウスよ、むさいでしょう?」
いいえ、正直イケメンですよー。イケボですぅ。
お嫁ちゃんって言葉に周りの騎士さんたちが少し騒ついたけど華麗にスルーされて会話してる。
ジュリアスさまにロリの風評被害が出ませんように。
セリウスさまは一瞬だけ目を瞬いたけど私について多少の情報は持ってたんだろうな。予想外な小ささなだけで。
「クラウスは兄上のお嫁さんを見たいって早めに屋敷に戻ってたよ。入れ違いだったね」
「そうなの~?あ、リーシャちゃん、みんなに挨拶していきましょうねぇ。今いる子たちはうちの若手なの。みんなグレーデンの大事な家族よぉ~」
やっと降ろして貰えて、改めて周りに広がる桃源郷を見晴らす。とてもイイ。
「はじめまして。リーシャと申します。いろいろ至りませんが皆さまにお役に立てるように頑張ります。よろしくお願いしますね」
猫をたくさんかぶって軽くカーテシーしたら、騎士さんたちは何か雄叫びとかしてるし崩れ落ちてたもいる。
何なの?
びっくりして、ちょっと小首を傾げたら今度はほとんどの人が四つん這いになった。
スノウリリィさまとセリウスさまも何故か海老反ってるの。怖。
そしてシャツの襟元をはだけたままのセリウスさまに抱き上げられて屋敷に戻ることに。
独身22歳のマッチョ大好物だった私は目の前の生雄っぱいに動揺しまくり。
スノウリリィさまは抱っこを変われ~ってセリウスさまに言ってるけど往復とも抱っこの予定だったの?すごい筋力と体力だよ。
やっぱ私も鍛えないといけないのかな?




