39話 お勉強は好きじゃないけどなんとなく頑張ろう。
「リーシャちゃん、お式の前にマーベルハント伯爵と前伯爵が来られるそうよ。あとお式の一月後に王都の夜会に招待されたわ~」
朝食の和やかな?時に本日もジュリアスさまのお膝で餌付けされていると、何やらお義母さまがおっきな問題な話をふたつ振ってきた。
マーベルハントって実母の実家の事よね?お会いした事がないので顔は思い浮かばないけど、お母さまの兄と父のことよね?
お母さまは実家の事何か言ってたかなぁ。
お祖母さまのことは錬金術の流れでちょっと聞いた事あると思う。
お祖父さまや伯父様のこと、あんまりピンと来ないなぁ。
・・・ん?夜会?
私が?
「え?」
思わずジュリアスさまのお顔を見る。
「年数回は我が家からも代表が出ないといけない。今回は俺たちの結婚を周知するのにちょうど良いから父上と母上と俺たちで参加する」
ひょえぇ!夜会って。リーシャってデビュタントもしてないのに。
「俺たちもリーシャちゃんとなら参加したかったけど今回は仕方ないから留守番なんだよー」
辺境伯領は空っぽには出来ないよねぇ・・・。
「えぇー・・・」
唖然としている私に、
「大丈夫よぉ。うちのお嫁さんに意地悪できる人なんていないわぁ♫」
「俺がちゃんと付いてるからな」
「ワシもだぞぅ」
って、優しい眼差しで励ましてくれた。
嬉しいよ!みんなのやさしさが嬉しいけども私は自分の尻が一大事だって、そっちの心配しちゃう!
あの馬車また乗るんかい。乙女のお尻大ピンチ。
「ドレスは私とお揃いにしましょうねぇ♡」
う⁉ナイスバディなお義母さまとツルペタな私のお揃いってそれ公開処刑!
「良かったな」
みんな微笑ましい感出してるよ。嘘でしょ?ありなの?
お茶飲んだあと、魔法のお勉強タイムになった。教授たちが離れに教科書とか用意してくれたらしいので、アランに運ばれて行ったよ。
キックボードって作っても結局乗らせてもらえない気がする。
お勉強はね、私はさっぱりわかんないって投げ出したい感じだよ。リーシャの記憶が無かったらきっと私ってば錬金術も魔法も何も使いこなせなかったと断言できる。
今日はまず、属性の特徴や発動条件みたいなのを学んだけど、大まかに知ってるから逆に〈知識〉の書き換えってわりと難しい気がする。
分かってるつもりで進めちゃうって感じかな。教えてもらっている内容を流し気味になるのはダメだね。
お昼ご飯はルルゥが持たせてくれた「愛情たっぷり弁当♡」をみんなで食べて、午後は馬車をどうにか出来ないかな?って考えて。
サスペンションとかは作りがわかんないから無理。チートな魔法の力を頼るぞ。
馬車本体の下に《重量軽減》《浮遊》の魔法陣を設置したら衝撃が減らないかな?
座席はスプリングを入れたら少しは快適になるよね?
とりあえず魔石に風の魔法陣を彫りこんでプレートに付与効果を与える術式を彫っているところを、教授と先生がすごい目で観察してる。怖い。
そういえば、篆刻でやるの珍しいって言われてたなぁ・・・もしかして私ってばやっちゃった?
でも教授たちは私が魔道具を修理したの知ってるし、大丈夫なはず。
書くだけでも使えるなら書く方でやってみようかな?
何がやっちゃダメとか本当に基準がわかんないの、困ったなぁ。




