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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
一章

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35/42

34話 お弁当デート。

 今日は待ちに待ったジュリアスさまとのデートです。


 こっそりお弁当作ろうにも匂いか何かでバレてすぐ誰か来ちゃうから開き直って夜に厨房を占拠して、「これはデート用だからダメっ」って宣言して作ったよ。

 みんながニヤニヤしていたけど気にしてたらこのお家ではやってけない!

 ジュリアスさまもウロウロしてたし、ルルゥも締め出してたから恨めしそうだったけどニーナに手伝ってもらってなんとかバスケットいっぱいに作れた。


 ちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ残った卵焼きとローストビーフの端っことかミニハンバーグを差し出したらね、家族全員とルルゥ達コック勢の分なんて当然足りるわけなくて、じゃんけんで勝ち抜き戦になった。

 付き合ってたら寝れなそうだったからジュリアスさまと早々に退散したよ。

 ご機嫌のジュリアスさまとぐっすり。


 そうして朝の食卓でお義父さまとセリウスさまとクラウスさまが羨ましげにジュリアス様を見て、お弁当が欲しい~って言っていたけどスルー。


 ジュリアスさまの馬は立派な体格の黒い魔馬でサンダーって言う名前だそうです。

 凛々しいお顔で逞しくかっこいいお馬さんに、

「よろしくね」

と言ったら、鼻でチュっとしてくれましたが体格差でよろめいちゃいました。

 お弁当はアイテムボックスに入れてるので身軽です。


 近くの草原に行くだけなので護衛はアランとジェイク、ジュリアスさまにはサーキスさまだけ、そしてサーキスさまにの馬に乗せてもらっているニーナ、という少人数での移動だ。


 ジュリアスさまにしっかり抱き込まれ、サンダーに乗るとすぐに出発です。

 デートなので可愛らしい格好ですがいつもよりは軽装で可愛いチュニックワンピースに下はカーゴパンツなので動きやすくて嬉しい。


 馬上で風に吹かれている中、ジュリアスさまの胸元に身を寄せていると一緒に寝ている時とはちがう感触なのでちょっとドキドキ。

 しばらく走っていくと景色が開けて一面の草原に出た。


 広い!前世では別にキャンプとかアクティブなことに興味がある方じゃ無かったけどこれはテンション上がる!

「リーシャ、ここから見えているあの辺りがグレーデンの屋敷で左にあるのがよく買い物に行く街だ」

 お家と街以外にも森や岩場、あと小さな町が点在してるのが見える。


 今いるところからは領地の三分の一くらいしか見えてないんだって。

 でも結構使えてない土地が多いかなぁ?

 お米やサトウキビの畑たくさん作れないかなぁ。


 いかん!せっかくにデートでまた食べ物のこと考えてる。


「ジュリアスさま!あそこ⁉あの辺りに見えてるのって海ですか?」


 視界の端っこにちょっとだけ海っぽいのが見える気がする。もしかして海苔とか蟹とか海老が手に入るかも⁉


「そうだな。隣の領地には海がある」

 隣かー。

 ちょっぴり残念。遠そうだし。

「リーシャは海が好きなのか?」

「好き・・・見たことないから分からないけど魚とか食べたいです」

 また食べ物の話になっちゃった!


「魚は痛むからこっちでは滅多に食べないんだ。式の後少し休みをとって海を見に行こうか」

 なんと!旦那さまは奥さんに激甘なタイプです?

「新婚旅行!素敵ですね。嬉しいです♫」

「新婚?旅行?」

 あ、こっちには無さげ?

「結婚したばかりの夫婦が二人っきりで思い出を作る旅行です」

 いや知らんけど!未体験だからさ!

 ハネムーンベイビーが出来ちゃったらその後二人じゃ無くなるからかな?

「ほぅ、それは良いな」


 馬のサンダーから下ろされてふと周りを見たら、サーキスさまとアランとジェイク、ニーナが生温かい目で見てたよ。


 食いしん坊だって方の意味でね!









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