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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
一章

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34/42

33話 ビネガーが出来た!マッチョなマヨラー爆誕?

 果物のビネガー、ちょっと忘れがちではあったもののちゃんと出来てたー。

 リキュール状態の時の味見は残念ながら機会を逃してしまった。

 ちゃんと酸っぱい香りがしてます。

 ニーナが若干渋い顔だけど、私が変わってることをしても危なくなさそうなら基本好きなさせてくれる。

 まぁ、錬金術でどうにか出来そうって気がついちゃったんだけどせっかく試したんだから完成が見たい。


「ニーナ、これお肌に良いんだよ~」

 ひと匙差し出してみる。

 お年頃なニーナは恐る恐る口に入れる。

 米酢や黒酢ほどクセはないと思うんだけどどうかな?


「うーん?知らない味なのでよくわからないですが悪くないような・・・?」


 嫌な感じじゃないなら飲み慣れたら美味しく感じるかな?

「サラダに使ったり出来るんだよ」

「ではまたルルゥさんが大変ですね」

「しばらくビネガーだらけになるね」


 お昼ご飯の前なのでキッチンでルルゥたちに手伝って貰ってマヨネーズを作る。

 当然のようにニックスたちも観察してるんだけど、みんなミキサーそっちのけで筋肉を見せつけるように泡立器で挑戦してる。


 オリーブオイルが無いから木の実油だけど、お酢もフルーツビネガーだからなんかオシャレな感じね。美味しくできるかは未知数だよ。

 卵黄とお塩と胡椒を混ぜて混ぜて。


 程よい感じのマッチョ達がシャッシャッと混ぜて、これまた同じくらいのマッチョ達が横で油をチョロチョロと足している。

 なんかシュール。肩を丸めて作業しているマッチョ可愛いかも。


 マヨネーズの完成を待っている間にじゃがいもを茹でたりピザ生地を用意してもらう。

 マッシュポテトやコーンマヨのピザ、牛ステーキのビネガーソースを食べるぞ~。

 トウモロコシ、早く干してないやつ来ないかなー。


 出来上がったマヨネーズの味見で、マッチョ達に新たな扉が開いた。

 マヨラーが大量に生まれた瞬間を見た!

 無言で頷きあって追加のマヨネーズを作り始めた。

 だからミキサーを使えってば!

 昼食部隊以外がまた泡立器を使い始めちゃったよ。


 マッシュポテトにマヨネーズ混ぜたのを味見して、コーンマヨのピザも味見したらルルゥが「おぅっふ!」って唸って天を見上げた。オーバーリアクションだよ。

 

 みんな行動がおかしいけど、なんとかピザ生地にたっぷりマヨネーズとマッシュポテト乗せてお肉とハーブ乗せたやつも焼いてもらった。

 うま~い!


 お昼の前なんだけど、やっぱりお義父さまとお義母さまもすでに厨房に入り込んで食べてる。

 いつも気になるんだけどこのお家、通気が良過ぎない?お二人の部屋まで調理中の香り匂っちゃうの?


「このビネガー?お肌に良いの?」

 お義母さまがステーキをパクパク食べながらソースを堪能している。

「疲労回復や腸内環境の改善も期待できます」

 給仕をしていたルルゥがまたもギラっとなってビネガー瓶を凝視している。

「このマヨネーズというのもビネガー?がいるのか?」

 ピザを飲むように食べていたお義父さまはマヨネーズ単体をひと匙取って舐める。

「これは常に置いておいた方が良さそうですね」

 執事長のハロルドがお義父さまの様子を見てルルゥと相談し始める。


「ふむ。ビネガー?の工場を作るかの」

 お義父さまの一言で何故か事業化してしまった。まぁ錬金術頼りじゃない方が誰でもだれでも作れて誰でも手に入れられて良いかも?


 ここで使う分は当面ルルゥ達が自家製で用意することになった。今仕上がってる分で何日持つのかな?半日?

 やっぱ錬金術でも試しておこうかな・・・

 マヨネーズは、どうやら禁断の食べ物だったらしい。マッチョさん達がぽっちゃりしちゃいそうだよ。

 こうして私はビネガーと一緒に、お味噌と醤油をすぐ作れる魔道具を急ぎ作ることを決意した。発酵を促す機械をひとまとめで作っちゃうの。


 晩餐の時、お昼に食べたものとさらにアレンジされたものが出されてジュリアスさま達が大騒ぎで、三兄弟は争奪戦を繰り広げながら食べた。

 すぐに追加が来るのに。


 男兄弟の食卓の攻防を見て、マヨネーズはヤバかったっと、ちょっと後悔しちゃった。

 そろそろお義母さまの目が怖くなってきたのでやめた方が良いと思います。


 




 










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