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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
一章

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3/42

3話  突然辺境へ。騎士さんはイケメン揃いだよ!

 私は長距離移動を考えて町娘風エプロンワンピース。わりと着古した普段着。


 貴賓扱いの令嬢だと軽めのドレスとかで良かったみたい。

 リーシャの知識よりまだ現代っ子?な自分が先に出てきちゃう。


 着替え中、ニーナにもう少しマシな物をと言われたけどそもそも着替えが少ないんだよ。

 迎えに来てくれた騎士さんも微妙な顔してるなぁとは思ったけど長時間コルセットとか宿で着替えが大変とかとても耐えられない。

 しかも衣装なんて義姉のお下がりで趣味の合わないお胸パッカーンなドレスしかないしね。


 お茶会や何かはまだ数えるほど出てなかったからなんとかお直ししたもので凌いでた。胸元に別布でフリル作ったり涙ぐましい感じで。


 普段着はなんとか買ってもらえていて良かったよ。町娘のだけど☆

 義姉は家でもゴテゴテの衣装を着てたし夜着は透ける素材で流石に幼児ボディでは可笑しさが爆発しちゃう。


 亡くなったお母様の衣装にあまりお直しを入れたくなかったから成長したら着ようって思ってたのだけどいつか着られるんだろうか?


 実はこの世界の鏡が高級品で姿見くらいのサイズは男爵家になかった。

 鏡台でなんとなく確認したけどちんまいかったよ!


 お顔は前の私より全然可愛い!灰色の髪に薄い水色のくりくりした瞳。お母様によく似てる。

 記憶に残るお母様は多分平均的な身長だった。お胸はたぷたぷ。

 だからいつか育てばイケる!!


 王様が栄養が足りてないからって言ってたから辺境で食べまくれたらきっと大丈夫!


 馬車が王都を抜けて、少し開けた道に出た。

 リーシャはオレイユの領地から12歳で学園に入るために王都に出てきた程度で他の場所を全く知らない。

 そして私も当然この世界は全部未知。


 せっかくなら旅を楽しまないとね。

 ニーナと二人景色を眺めながら過ごした。

 夕方近くなって街に到着したということで宿に案内された。野営じゃなかった!


 そこでやっと騎士さんに日程とか詳しいことを聞こうと思い立った、ダメな私。


 どうやら旅程は七日間。途中で辺境伯家からのお迎えと交代するらしい。

 なんかこんなに良くしてもらえて良いのかしら。


 ニーナに軽く体を拭いてもらって食事タイム。

 ここ二日でマジで心が折れたよね。

 リーシャは食べられるだけマシって思ってたみたいだけど、私はやっぱり飽食の時代の人間なの。


 基本塩味で焼くだけ。

 日本の品種改良された美味しいお野菜とかそんなの夢のまた夢。原初の味ってこんなのかってぐらい固いえぐい。お野菜の甘みとか素材の味とかそんなの楽しめないよ。

 米はどこだ。醤油は?ナンプラーとかないのかー!

 パンだけは好み。ライ麦パンみたい。ちょっと固いけど。


 見た目がちっちゃい私が夜動き回るのは危ないそうで街の繁華街が楽しそうなのにどこのお店も覗けず就寝。

 16歳はこの世界では一応お酒飲めるらしいのに何たることだ。酒飲ませろー!


 そんな感じで馬車移動四日目、辺境伯家からのお迎えと合流。


 王様の騎士さんたちもむっちゃカッコよかったけどお迎えの騎士さんたちもっとすごーい。

 なにがって筋肉!!プチマッチョからガチマッチョにクラスチェンジだよ!


 クミちゃん、クミちゃんの至高の天国はここにあったよ。


 騎士さんが王様からのお手紙を辺境伯家の代表さん?に渡して、荷物をお迎えの馬車に載せ替えて。

 私とニーナも乗り換え。


 ここまで付き添ってくれた騎士さんたちにお礼を言ってお別れ。爽やかに笑顔を見せてくださって去っていかれた。


 こんな男爵家の小娘の護衛なんて絶対するはずがない人たち、最後まで優しくていい人たちだったよ。




 


 

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