28話 家畜の餌は争奪戦になりそうだけどダメだよ?
今日は念願の馬さん牛さん鳥さん達のご飯をまとめ買いしたやつが届いてたそうなので。
離れにやって来ましたー!イェェェイ!
辺境伯家名物《少し欲しいと言ったら量がなんかすごい》が発動してるけど気にしなーい。慣れたから。倉庫の天井いっぱいまで麻袋や樽を積んじゃうのはどうかと思ったけど。
本日のお供もニーナとアランとジェイク。メイドの二人はお部屋の掃除と衣装の手入れです。
日本人なら米だろう?餅だろう?
いや、若い人はパン食が多いらしいけど。でもおにぎりやピラフ、ドリアっていっぱい素敵なモノに変身する優れものだから!
米粉で作るパンやケーキも好きーーーー!
お餅だって、雑煮にぜんざい、牡丹餅、せんべいやあられにもなるんだよー。
栗おこわ食べたーい!
トウモロコシっぽいものも届いたのは乾燥した粒だったけど、スープに入れたり粉にしてトルティーヤやパンだって出来る。
トウモロコシの採れたてのものも季節になったら手に入るかな?
餌としての扱いはそれぞれの家畜に合わせて配合を変えてるっぽいので、個別に分けられいてラッキー。
とりあえず精米したいんだけど籾摺り?石臼?どうしようかな。
多分すぐに大量に必要になるから精米機とか作ったほうがいいよねぇ。
早くお米食べたい。
とりあえず籾摺りで少しだけやってみよう。
瓶と擂粉木でガシガシ。全く力が足りないよ!アランが私の動作が頼りないのを見兼ねて代わってくれた。
「こんな感じでやればいいですか?」
って物凄い手際で籾が剥がれていく。ジェイクまでもうひと瓶出してゴリゴリー。
二人とも私の扱いに慣れてきたよ!
あっという間にお米が白くなっていく。
冷静になると海苔がないって思い出したのでピラフがいいかな?
私ってば最近ちょっとだけ学習したの!材料を途中で取りにいって貰うからルルゥがついて来ちゃうって。
なので私のマジックボックスにいきなり何か作りたくなった時用にと少し材料をストックしたの。
お米をしっかり洗米して、土鍋っぽい器でブイヨンスープ、ベーコン、お野菜少し。あと手に入れたばかりのトウモロコシの粒を入れて炊くのだー ♪
炊き上がるまでに今度はトウモロコシを粉にするためにすり鉢でチャレンジ。
やっぱりフードプロセッサーとかジューサーはいるねぇ。
結局トウモロコシの粉作りもアラン達がやってくれた。私も筋肉が欲しいな。
簡単コーンスープ作って。ピラフも炊けて。
トルティーヤには野菜とハム。組み合わせとか気にしなーい!
私とニーナとアランとジェイクの分で4人分。残りはジュリアスさまたちに取っておこう。
「いただきまーす♪」
もぐもぐ。お米美味しい。幸せ。ちょっと粘り気があるタイプみたいだけど美味しい。
私はピンツヤなお米が好きだけど、お米さまがあるだけで嬉しいよぅ。
ニーナはトルティーヤが気に入ったみたい。パンに慣れてるからこっちの方が馴染みがいいかも。
アランとジェイクは、
「これは腹持ちが良さそうです」
「コーンスープ?は優しい味で好きです」
って。二人とも初めてのお米を喜んでくれた。
んー、味噌と醤油と化学調味料もほっしーぃ。
焼きおにぎりに磯部焼き~。
お米と餅米を手に入れたので無敵になった気分!
トウモロコシは少し甘味が足りない気がするのでいつか畑に連れていってもらって、農家の人と相談したい。お馬さん達も美味しくなったら喜ぶよね?
ふー、満足満足ってお腹を摩っていたら、ニーナ達が苦笑いで私を・・・じゃなくて、私の後ろを見てる。
扉が半分開いてて、ルルゥが恨めしそうに覗いてた!怖っ!!
いつもより登場が遅かったねぇ。
無茶苦茶怖いんで、取り置き分を出してルルゥが食べてる合間に作り方を説明した。
「家畜の餌・・・買い占めたらダメよねぇ?」
って言い出した。理性は残っているようだけど目が怖い。
餌用飼料は毎年の生産量がおおよそ決まっているらしいから消費量が一気に変わると困るよね!これはジュリアスさま達に早急に相談しなくちゃだめだ。
こっちの世界のお米やトウモロコシが美味しく食べられるってわかって良かった。家畜さん達に被害が出ないようにわけて頂こう。ね?ルルゥ?
結局、離れに山盛り積んであった飼料を本邸に9割くらい本邸に持っていくことに。私が一人で使いこなせるだけの量じゃないし、みんなのご飯だからね。
夕飯にはピラフ、コーンスープ、トルティーヤで、お肉もいっぱい用意されて。
ピラフはドライカレー味も用意してもらったよ。
なんかお義父さまがドライカレー味に感動して涙目になっていた。ん?辛かったのかも?
ジュリアスさまとセリウスさまとサーキスさまとセバスチャンが、農家さんの雇用促進と農地の開拓について相談し始めちゃって。おおおぅ、お仕事を増やしちゃったって凹んでいたらお義母さまが、
「辺境の地で仕事が増えるのは領民にとっても領地にとっても良い事なのよ、やりたい事があれば気にせずにおやりなさいなぁ」
って言ってくれたの。
寝る前にはジュリアスさまも、
「領民の仕事増えることはありがたい事なんだ、リーシャのおかげで引退した騎士達の仕事の選択肢が増える。ありがとう」
ニコニコと笑ってくれて私を胸元に抱き込んでくれた。
「それに美味しいものがたくさん増えるのも嬉しいな」
って、額にチュッてしてくれて、背中をポンポンって。あ・まーーーい!
嬉しくってジュリアスさまの胸元にドンと埋まっちゃった。。
また美味しいもの作ろう!




