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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
一章

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23/42

22話 ロジャー先生はイケボでイケズ。

 今日はお久しぶりなロジャー先生の診察です。

 基本的にお忙しいので私の調子が悪くない時は無理に診ないって事で定期診察ではないの。

 2回目の診察時に食事で気持ち悪くならないならば、いろいろ食べても良いって言われたからつい好きなものへの欲求が暴走しがちに。


 ロジャー先生は私をじっと観察してニーナ以外は外に出るように言った。

 ジュリアスさまとお義父さまがブウブウ言ってたけど、

「女性の診察に同席するな」

ってロジャー先生に言われて、お義母さまに引き摺られていっちゃいました。お義母さまは力持ちだ~。


 にしても先生、相変わらず良い声だなぁ。

「だいぶ栄養が回ってきたな」

 ぬ?太ったと言うのか!

 ちょっとガーンって思ったけど、そもそも痩せすぎなんだった。


「栄養失調で出ていた腹も治まってきたしもう心配なさそうだ」

 え?あのぽってり腹って地獄の餓鬼みたいなそういう事だったの⁉


 最近ちょっとぽってり具合が落ち着いたから幼児体型から脱したと思ったら。


 痩せててお腹出てるの変だなぁとも思ってたけど!飢えすぎてたのか!

 あのクソ親父め!残った毛を全部抜いて毛穴焼いてやろうか!!


「ギリギリ倒れないところで持ち堪えていたのはニーナのおかげだろう。陛下がこっちに君を任せてくれてよかったな」

 ニーナが居なかったらリーシャは飢える前に絶望でもういなかったと思うよ。

 後ろに控えてくれてるニーナのスカートをギュッと掴んだ。


 私はお腹空いたって思う間も無く、いきなり王宮に連れて行かれて一気に辺境に向かうことになったからリーシャがそこまで追い込まれてたのって理解しててもあんまり実感ないんだよ。今は毎日楽しくしてるからリーシャに申し訳ない気持ち。


 ニーナは多分さ、私が前のリーシャと違うことわかってるよね?まったく違う行動してるだろうし性格が違うことも毎日一緒にいたならわかっちゃうはず。でも何も言わずにずっとそばにいてくれるんだ。ありがたいね。


「体内の循環めぐりも良さそうだし臓器も回復してきている。そこで少し聞きにくいことを聞くぞ。リーシャ嬢は月の障りはきているのか?」

 あー、どうだっけ?

「リーシャさまは初潮が14歳の時で不定期で数回ございました。10ヶ月前に来て以来は止まっているかと存じます」

 ニーナが答えてくれた。14歳って早いっけ?遅いっけ?ストレス過多でしかも栄養失調じゃ来ただけすごいかも?


 私は元の体の時は毎月腹痛が酷かったから今のところ来てないのラッキーだったけど結婚しているなら来たほうがいいよね。


「ふーむ、寝る前にこの薬湯を飲むようにしてくれ。血液循環が良くなって子宮にも良い」

 生理痛対策になりそうなやつかな。


「成長期は過ぎてるから大人と判断するところだが、営みは月の障りが来るようになってからにしたほうが良さそうだ。まぁ体格差がある夫婦は珍しくもないし、その辺りは二人で話し合えばよい。」


 ○水さまボイスでそんなことを言われる恥ずかしさ!

 そしてやっぱり身長が伸びなさそう!


「魔力循環もマシになってきているから使える薬も増えてきた。前までは与えても毒になりかねなかったからな。今後はポーションも使って良いぞ」

 ポーション!おじいちゃんが集めてたって自慢してたゲームのジュースのヤツ!あの瓶くれなかったんだよ~。美味しくなかったらしいけど実際はどうなんだろう?


「今日はこれまで。ニーナ、外の連中を入れてくれ」


 扉の取手をほんの少し触った瞬間、ものすごい勢いでジュリアスさまたちが雪崩れ込んできた。

 重病の検査結果や手術の結果聞く家族くらいの勢い。

 ちょっとむず痒い。


「リーシャはどうなんだ⁉」

って、ただの健康チェックだよー。


 ロジャー先生のひんやりとした目線で冷静になったみんなは、

「問題なし」

と聞いてホッとしてた。ロジャー先生にジュリアスさまだけ残れって言われたので、私はお義父さまに抱っこされてリビングにいったよ。




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