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ちびっ子ボディのチート令嬢は辺境で幸せを掴む  作者: 紫楼
一章

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20/42

20話 リーシャの知識は何気にチートだと思う。

 離れはキッチンなどの改築がかなり進んだの。嬉しい~。

 まだ一人でたくさん料理作るとかは無理そうだけど食べたい物の追求に勤しむのにはやっぱりちゃんとしたキッチンが必要だから。


 ニーナ以外は待機してもらって、部屋に錬金道具と魔道具を並べる。

 火を使う作業はまだ設備が整っていなけどちょっと魔石いじるくらいならいいよね。

 

 ふんふーん♪

 魔石に魔法陣を彫って。


 この世界にはアルコールランプみたいなのはあるし、ちょっとしたライトは魔石を加工したものを動力にして使う。

 でもストーブとかちょうどいいサイズの暖房は無いし、カセットコンロみたいなのもない。


 野営の時は荷物を最低限にしたいから現地で枝集めて燃やしてるって。持ち歩けるサイズのガス台がない・・・だと!

 たこ焼きが焼けぬじゃないか!

 焼きたてのたこ焼きくれよ?

って思ったけどまずタコが見当たらない。鰹節ってどっかにありますか?

 そういえば肉ばかりで魚って道中で一回くらいしか出てこなかった。川魚だった。

  

 いつか見つかるかも知れないから用意はしなくちゃね!

 ベビーカステラだって焼けちゃうんだから。


 キックボードとかも強度のある板を用意しなくちゃだけど動力は魔石で作れる。モーターエンジン搭載!って風の魔法を使って作るつもりなの。


 今は魔石に魔法陣を彫るしかやることなかった!材料がないよ。


 持ってる魔道具や魔法具は母の物で完成された逸品なので手を加えたり分解する気はない。

 もちろん試作品とかもあるけどそれもいじらないかな。

 ガラクタ扱いのものをいじったり直したりが趣味で、最初から作るのは材料を買うなりしないと作れないので父にバレるから家では作れなかった。

 学園で少しだけ作れたのは楽しかったな。


 コンロ用は鉄板の下に魔石を固定しなくちゃだから保護用の細工もいるかな。


 欲しいものの形をイメージして絵に描き起こす。

 鍛治師さんと細工師さんにお願いする分野かなぁ。


 自分で大きめの金属を作るのはしたことがないから。

 リーシャがだけどね。私も当然道具を一から作ったことなんてないよ。


 母が教えてくれたことや残してくれた書物でやり方はなんとなくわかってるんだけど、やっぱり無理して失敗するのは怖いもの。


 もう少ししたら魔法の先生が来てくださるって言ってたからその時相談してみよう。


 数個の魔石の篆刻を完成させたら結構いい時間だった。魔石はアイテムボックスにしまう。

 ニーナ達には暇な時間で申し訳ないな。


 離れから出ると今度はサッとジャックに抱き上げられる。

 もうさぁ慣れたんだけど、私16歳ね!元22歳の!彼氏に振られた直後の女が毎日筋肉がナイスないろんないい男に抱かれてんの!(意味は違うけど)


 乙女心が破裂しちゃうからいい加減に抱っこ辛いよ。姫抱っこじゃないけど、だから逆に胸筋が密着状態だい!


 アランもジャックもまだ見習い騎士なのに力持ちー!

 二人ともまだ育て初めの筋肉なのに何で結構な距離抱っこで運べるんだろう?


 本邸に戻る途中にお義父さまと遭遇した。

 早速お義父さまに差し出される私。

「リーシャちゃん、午後は何しておったんじゃ」


 ジャックの3倍くらいマッチョなお義父さまの腕のお椅子は安定感抜群です!

 どんどん筋肉の感触に慣らされていく。前の世界ではついぞ逞しい筋肉なんて体験できる機会なんてないかったのに。


 そんな立派な筋肉をお持ちの渋イケオジお義父さまがニコニコで抱っこしてくれる世界線にいます。クミちゃん、人生って不思議だね!


「離れで魔石に魔法陣を彫ってました!」

「彫る?何に使うものだい?」

 お義父さまは魔道具などの仕組みにあまり詳しく無いのかキョトンとしている。


「石に魔法陣を彫ると魔道具や魔導具、魔法具の核に使えるんです。金属そのものに彫る物もありますが小型の物は魔石に魔法陣や魔法式を彫って使うものが多いんです」

 お義父さまの目がまんまるになってます。はて?

「よくわからんが魔石のような小さい物に魔法陣が彫れる職人は見たことないぞぅ?」

 え⁉今度は私がキョトンです!

「うーむ?描かれたものはあるが結構な高級品じゃ」

 彫らないの?母は彫った方が長持ちで能力も高い石になるって言ってたのに?


「教師が来たら色々聞いてみよう。まぁリーシャちゃんが危険なことにならんなら好きなようにやってみればよいがのぅ」


 本邸に戻るとお義母さまがお迎えしてくれてリビングに向かう。今度はお義母さまのお膝に乗せられました!


 アンナ達がサッと飲み物やお手拭きの準備をして下がっちゃう。


 ルルゥ達が机にどんどんお肉を積んでお野菜置いて、パンもどーん!

 夕食に合うパンに混ぜるおススメのもの教えてなかった~!


 少食な私はお膝から降りてルルゥに固い方のパンを持ってきてもらう。

「あらぁん、私の固くて強いのが欲しいのぉ」

 鉄板のセクハラネタはスルーだよ。

 薄めに切ってもらってウインドで乾燥させて、砂糖をお湯で溶かしてハーブのお花を粉にしたものをまぜまぜぇ。

 お砂糖が固まったらお義母さまの口に。

「お義母さまぁ、お花の香りを纏った素敵なラスクです。はーい♪あ~ん♡」

 お義母さまは、お砂糖とお花の蜜にうっとり昇天です。


 お義父さまはラスクのアーン♡は普通に喜んでくれた。

 楽しそうにしている私を安心して見守ってくれるメイドさんたちも後で食べてね。


 クラウスさまは帰宅早々何やってるのーと言いながら自分でラスクを齧ってる。

「これはいいなー兵糧に組み込めないかなー」

 お砂糖たっぷりだと日持ちもするし良いと思います。

 

 あー、もっと美味しいケーキ作りたいな。

 あとカレーパンとあんこパン食べたい。


 早くあの馬の餌を調べ尽くしてお餅食べたい!

 

 今日はセリウスさまはお泊まりでジュリアスさまはお戻りが遅いらしい。

 しょんぼりだ。



 ちょっとお話ししたがったけどぼっちで寝る。

 途中暖かい気配が入り込んだけど私は目を覚さずにいた。

 起きてびっくり。

「今日はお昼までまったりしよう?」

 ジュリアスさまがいつも通りに隣にいてくれて、嬉しく首に抱きついちゃったよ!









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