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第十三話 服部和毅の動向3

服部は東京都新宿区西新宿七丁目マンションの愛理の自宅を出て、白のステップワゴンに乗り込んだ。


助手席にはインスタントカメラ"チェキ"一台と脅迫文一枚等が入ったショルダーバッグが置かれていた。


車を発進させ、指定された場所である渋谷区桜丘町23のチェリーブロッサムプラネタリウムへ真っ直ぐ向かう。


十九時という時間帯のためか、途中道が混み合っていたため、たった六.四キロメートルの道に三十五分もかかっていた。


しかし、この辺りは地元であり渋滞するのは服部の想定の内であったため、到着したのは十九時四十分であった。


車は付近のコインパーキングに止めた。


外壁塗装の足場を組み、灰色のメッシュシートに覆われた建物を見つめ、脅迫文に記載された住所を携帯のマップで検索し、場所を確認して人目を気にしながら建物内へ服部が入った。


真っ暗で何も見えず携帯電話に搭載されているライトをつけ視線を彷徨わせ警戒しながら中へ進む。

内装は既に出来上がっており、柱に設置された店内の案内図を確認し、プラネタリウムへ足を運んだ。


扉を開けておずおずと足を進め、中央くらいに達すれば瞬間、バンッという音とともに視界が明るくなる。


服部の立つ場所のみにスポットライトが当たり、服部が驚きでビクリと身体を震わせた。


ライトの当たらない暗闇の中で動く人影が一つ。


それが、服部の方へ歩み寄り光を浴びた。

明かりをつけたであろう人物をしっかりと視界で捉える。








「お、おまえは……」






服部和毅は引きつった声を出しながら数歩後退った。





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