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第十話 作戦

「ってことは犯人は服部和毅で確定ってことかな?」


因みにこのリアルタイム映像は、「盗撮」だ。



さっき、俺が服部和毅と接触した時のこと。




───服部が俺の横を通り過ぎた瞬間、


「あの?」


俺は服部の肩に触れた。


「すみません、糸くずが……」

と摘んだ糸くずを見せた後、捨てた。


「あぁ、有難う御座います」───




この時、俺は服部が横を通り過ぎてすぐに糸くずと小型カメラをズボンのポケットから取り出し、糸くずを取るフリをして小型カメラを付けていた。


この小型カメラは椿先輩が開発したもので、「イトメラ」という。


糸状のカメラで略してイトメラだ。


糸状で透明で犬猫の毛ほどに細く、耐久性も兼ね備えているので壊れることはない。

さらに、ドローンのように操作も可能な優れものだ。



椿先輩マジですげぇ!



「課長、他のパソコン調べたけど事件関係者らしき人物いなかったヨ。データそっち飛ばすネ#/$€%」


「有難う、椿君。後で捜査第一課長に渡しておくね」








「士郎さん、切り抜きこれで全部です」

と、指示された通りに必要な箇所をハサミで切り抜いたものを手渡した。


「あぁ、有難う」


「何に使うんですか?」


「まぁまぁ、もう少しでわかるわぁ。それまでぇ、ヒ・ミ・ツ♡」



ヒィッ!



歩さんの投げキッスに寒気がしてブルリと身体を震わせた。


「で、上手くやれそうかい?」


課長が俺と士郎さんと歩さんの机を覗き込む。


「まぁ、ぼちぼちですよ……っと、コレでよし」


士郎さんが俺の切り抜き新聞を並び替える。


「あ、あの、これって……」


「見た通りだ」


「俺たち、警察官ですよね?」


「まぁウチは変わってるからねー。多少のもみ消しは効くからダイジョーブだよ!」


「いやいや全然大丈夫じゃないですよ!」





ほ、本当にやってしまうんですか⁉︎



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