表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

252/352

【時間内に倒し切れ!】

『ブレイブモード、スタンバイ』


ブレイブアーマーが激しく光を放つ。

それを目にしたフィリポは動きを止めた。下手に攻めず、様子を見るつもりらしい。


「時間がない。こっちから仕掛けないと!!」


僕は一気に踏み込む。

それを迎え撃つフィリポの左ハイキック。しかし、先読みしていた僕はしゃがみ込んでそれをやり過ごし、足払いを返す。


がくっ、とフィリポがバランスを崩すが、倒れはしない。


「おりゃあああーーー!!」


僕はバネのように飛び上がりつつ、肘を突き出す。それは確かにフィリポの鳩尾を捉えた。


ぐっ、と息を漏らすフィリポ。

このまま、畳み込んでやる!と思ったが、僕の頭はフィリポの両腕に抱え込まれ、首相撲の状態に。


「は、離せ!」


もちろん、離してくれることはなく、フィリポは僕の顔面に向かって膝を叩き込んでくる。しかも、二発、三発と連続で!!


これ、ブレイブモードの状態じゃなければ、たぶん三回死んでたぞ!?


「こなくそぉぉぉ!!」


僕はフィリポの軸足にしがみつき、バランスを奪って倒そうとした。しかし、彼は片足だけで状態を保ち、僕を突き放す。


ブレイブモードの残り時間は??


『00:21』


僕は再び間合いを詰めるため、前へ飛び出す。全力の右ストレートを放つが、フィリポはスウェーバックでやり過ごしてしまう。だが、僕はすぐにボディを狙って、パンチを続けて打つ。


僕の拳が腹部に突き刺さり、後退りするフィリポ。たぶん、効いているぞ!!


もう一度距離を詰め、左のジャブから右ストレート。しかし、フィリポは上手く状態を捻って躱しつつ、強烈なボディブローを返してきた!!


『深刻なダメージ』


ブレイブアーマーのサポートシステムが警告を出す。時間切れの前に、ブレイブアーマーの限界がきたらどうしよう!?


「この野郎!!」


振り回した右フックがフィリポの顎を捉える。


膝が折れた。

勝てるぞ!


「もう一発!」


今度は左フックを振り回すが……。


「ぐあはっ!?」


真っ直ぐなパンチを打ち返され、僕は何歩か後退る。今のは効いた。視界が歪むぞ……。頭を振って、何とか意識を保ち、残り時間を確認すると……。


『00:12』


う、ウソだろ!!

これだけなら、良くてあと一回の攻防だ。


でも、待てよ。確かニアは言っていた。


あくまで三十秒は目安。一分経過したら絶対に壊れる、って。だとしたら、まだ余裕はあるはずだ。


『00:09』


あああーーー!!

ゆっくり考える時間もない!!


攻撃あるのみだ!!


もう一度、フィリポに立ち向かう。右のパンチは躱され、ショートアッパーが返ってきた。かすめただけで、脳が揺れる。低く潜り込んでから、肘を叩き込むが、硬い腹筋の感触が返ってくるだけで手応えはない。


『00:03』


でも、フィリポだってダメージを受けているはず。やり切るんだ!!


今度はミドルキックでフィリポの横腹を狙う。バチンッ、と小気味のいい音が響いたが、フィリポは僕の足を抱えると、顔面に向かってパンチを打ってきた。何とか足を引っこ抜き、体勢を立て直そうとするが……。


『-00:04』


あああああ、マイナスに突入している。

こうなったら、次の一撃に賭けてやる!!


僕はどっしりと腰を落とし、ゆっくりとフィリポへ近付く。向こうも、僕の動きに合わせてリズムを取りながら、次の一撃を放つタイミングを狙っていた。


フィリポのステップ。

足が床から離れた瞬間。


今だ!


僕はプラーナを集中させた、渾身のハイキックを放った!!


しかし、次の瞬間、僕の視界はぐにゃっと曲がったと思うと、何度もぐるぐると回っていた。後から襲ってくる痛み。そして――。


『ブレイブアーマーに致命的なシステムエラーを確認。今すぐブレイブチェンジを解除してください。ブレイブアーマーに致命的なシステムエラーを確認。今すぐブレイブチェンジを解除してください 。ブレイブアーマーに致命的なシステムエラーを確認。今すぐブレイブチェンジを――』


警告が繰り返されたかと思うと


「ピィーーー!!」


と甲高い音の後、ブレイブチェンジが強制的に解除されてしまった。


生身の状態でフィリポに睨まれながら、僕は思う。


もしかして……

やっぱり……


ブレイブシフト、壊れちゃった??

「面白かった!」「続きが気になる、読みたい!」と思ったら

下にある☆☆☆☆☆から、作品の応援お願いいたします。


「ブックマーク」「いいね」のボタンを押していただけることも嬉しいです。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ