表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

218/352

【集結する戦力】

「誠! 私たちがワクソーム城に一番乗りするぞ!」


ハナちゃんがペースを上げて、さらに前へ駆け出す。


「ハナちゃん、張り切ってるね!」


「そうじゃない。あっちを見ろ」


ハナちゃんが指をさす方向には、勢いよくワクソーム城へ進む団体があった。勇者でもないのに、敵本拠地へ真っ先に突っ込んで行く、って……何者なんだ?


「あいつらは禁断術封印機関の執行官たちだ」


「それって、ギル様の??」


確かフィオナの兄、ギル様がオクト支部の代表をやっている、って組織だったはず。僕とブレイブアーマーを争って戦った千冬が所属している組織だ。


「それだ。封印機関のやつらが勇者より戦果を挙げたら、ギルバート様が幅を利かせることになる。フィオナ様のためにも、あいつらだけには負けられないってわけだ」


「そういう事情もあるんだね!」


そんな話をしている間に、アッシア兵の大軍が禁断術封印機関の進行を阻もうとした。しかし、執行官たちはどんどんアッシア兵を屠っていく。


「凄い突破力……」


「封印技術を相手にするような組織だからな。勇者に並ぶ戦闘力があって当然なんだよ」


なるほど、確かに千冬も強かったし、尋常じゃないやつらの集まりなんだろうな……。


「勇者部隊、迂回! 迂回!」


前の方から合図が聞こえてきた。

真っ直ぐワクソーム城へ走っていた勇者たちの列が右の方へ逸れて行く。


「正面にアッシア兵の大軍が出たみたいだ」


岩豪が言った通り、前方に大軍が展開されていくのが見えた。あれは大軍というか、海ではないか。人の海が押し寄せてくるみたいだ。


「あれだけの敵を相手にして……ワクソーム城にたどり着けるの??」


「私たちの相手は大軍じゃない! あくまで城の中にいるイワンだけだ!」


ハナちゃんはそう言うけど、これじゃあ迂回しても、あの海に遮られるだけじゃないか??


「援軍! アニアルークの旧政府軍だ!」


しかし、どこからか声が上がった。

援軍ってことは……誰かが助けにきてくれたってことか!


戦場を見渡すと、援軍がどこにいるのか、すぐに分かった。ワクソーム城の前に展開された、アッシア兵の海に勝らずとも劣らない、巨大な人海が現れていた。そして、それがアッシア軍とぶつかり合う。


これなら、ワクソーム城まで無事にたどり着けるかも!


でも、援軍に来てくれたアニアルークの旧政府軍って……


アリサさんの故郷の人たち??


そう言えば、フィオナが何度も連絡を取り合っていたみたいだけど、この時のためだったのか!


「アニアルークの旧政府軍…、あれだけの数を集められるなんて」


ハナちゃんの疑問に、岩豪が補足する。


「噂によると、アキレムが裏で支援しているそうだ。たぶん、アキレムから派遣された兵士も混じっているんじゃないか?」


「なるほど。世界最大の国がバックアップしている、って言うなら……この戦い、勝敗は決まったようなものだな」


ハナちゃんの言う通りで、アッシア軍はアニアルークの旧政府軍に呑み込まれるように、どんどん押されて行く。これなら、ワクソーム城に突入できそうだ。


「よし! 誠、鉄次! 正面から突っ込むぞ!」


「うん!」


「おう!」


ハナちゃんと岩豪がワクソーム城へ向かって駆け出す。僕も必死に後を追うのだった。

「面白かった!」「続きが気になる、読みたい!」と思ったら

下にある☆☆☆☆☆から、作品の応援お願いいたします。


「ブックマーク」「いいね」のボタンを押していただけることも嬉しいです。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ