表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

207/352

【次から次へと危機的状況】

「フィオナ、離れろ!」


何が起こっているのか。それは分からないが、僕はフィオナを引き寄せてから、できるだけブライアから離れる。


すると、皇の周辺に異常が。

ぐにゃり、と渦のように空間が歪んだように見える。


大きさはバスケットボールくらいだろうか。しかも、それは皇を囲うようにして複数発生しているではないか。


ブライアはあの捩じれに触れた瞬間、腕や首がねじ曲がったように見えた。だとしたら……。


「皇、何かが変だ。避けろ!」


僕の警告を聞いたのか、既に察知していたのか、皇はブライアを解放すると、歪みに触れないよう、その場から離脱する。そして、僕の傍らに立つと呟くように言うのだった。


「念のため、ブレイブチェンジしておいた方がいい。何が起こるか、分からない」


「最初からそのつもりだ。変身!」


再びブレイブアーマーを装着し、謎の敵に備えるが……。


「憐れなブライア。簡単にヴァジュラを奪われてしまうとは」


敵の声は笑っていた。

この感じは、かなりの悪党だ。


たぶん、ブライアを仲間に引き入れたけど、用無しと判断して切り捨てたのだろう。こういうやつが一番の悪だって、どんなアニメや漫画でも、パターンは決まっているからな。


「それにしても」


謎の敵は言う。


「今の攻撃も躱すとは、噂以上ですね。皇颯斗、貴方は本当に危険な人物のようです。ウソの葬儀まで行ったようですが、ここで本当に死んでもらいましょう」


僕たちの周りの空間が歪んでいく。

先程と同じバスケットボールくらいの渦がいくつも発生して、僕たちを囲みだしたのだ。


「やばい!」


僕はフィオナを抱きかかえ、その場から離脱する。だが、移動したその先に、また空間の歪みが!


「あぶねっ!」


何とか身を低くして、その歪みを躱すが、今度は足元に。


「マジかよ!」


僕は跳躍してそれをやり過ごすつもりが……。空中にも歪みが発生し、僕とフィオナを囲い込もうとしていた。


やばいぞ、空中では躱せない!!


「こっちに背中を向けるんだ」


「え?」


皇の声。

その方向を見ると、僕にブレイブバスターの銃口を向ける皇の姿が!


「本気か!?」


本気に決まっている!

僕はフィオナを抱きしめつつ、皇の方に背を向けると、すぐに背中に衝撃があり、吹き飛ばされた。


落下の衝撃からフィオナを守るが、ブレイブバスターを受けた背中を床に叩きつけてしまう。


「いってぇ……」


マジで痛いんだけど……。

さっき、あいつのブレイブバスター壊しちゃったこと謝ろうと思ってたけど、もう一つ持っていたのか。謝らなくてよかった。まぁ、助けられたのは確かなんだけど。


フィオナの無事を確認しつつ立ち上がると、すぐ隣に皇がいた。


「皇、このままじゃまずいぞ。何か考えはあるのか?」


正直、フィオナを守るので精一杯だ。この天才野郎に頼るしかない。皇は言う。


「たぶん、敵は空間そのものを捩じ曲げる力を使っている、と思う」


「空間そのものを……? 非現実的すぎるだろ!」


って、異世界からやってきた僕が今さらそんなこと言えるわけないか。


「禁断術を使っているとしたら、あり得る。それに敵が見えない理由も、空間を捩じ曲げているとしたら、説明が付く」


「なるほど」


よく分からないけど、ここは話を合わせておこう。


「で、倒せるのか? できないのか?」


「もう少し観察する時間があれば……もしくは」


皇にしては自信のない返事に聞こえるが、何も理解していない僕に比べたら、もちろん可能性はある。


「じゃあ、僕が囮になって攻撃を凌げば、敵の場所が分かるのか?」


「断言はできないけど、やってみせる」


だったら、ここは僕が根性を見せるしかない。けど、そこら中にある、空間の歪みを見ると……


いや、怖過ぎる。


でもなぁ、それっぽいこと言っておいて、何もしないで引き下がるわけにもいかないし。


どうしよう……。


そんな葛藤に頭を抱えそうになった、その瞬間だった。不快な警告音が鳴り響き、部屋中で赤いライトが点滅し始めた。


『侵入者あり、侵入者あり。兵士たちはただちにセッションSへ。繰り返す。兵士たちはセッションSへ』


どうやら僕たちの潜入がバレてしまったらしい。きっと、ここに敵がたくさん押し寄せてくるに違いない。


……どうすればいいんだ??

「面白かった!」「続きが気になる、読みたい!」と思ったら

下にある☆☆☆☆☆から、作品の応援お願いいたします。


「ブックマーク」「いいね」のボタンを押していただけることも嬉しいです。よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ