第68話 可愛いは正義
「よっし。いい感じ」
榛名は自分の耳で敵を察知する方法に手応えを感じた。
(〈スペルカード〉。使い所を見極めれば充分節約しながら進める。これなら一人でもそこそこいけそうだ)
「と、まあ、こんな感じで上手く立ち回れば〈スペルカード〉節約できるのでみんなもやってみてね」
・いやいやいや
・無理w
・どんな身体能力やねん
・ワイは今回は諦めて視聴に徹するわ
(同接もコメントもいい感じに伸びてる。やっぱ悟の企画は凄いな)
榛名はさらに奥へとダンジョンを進む。
(出てこいよ。カボチャ頭。勝負しようぜ)
そうしてダンジョンを進みながらも、真莉と天音は上手くやってるかな、と2人のことも思い浮かべるのであった。
「ちわーす。真莉でーす。学校帰りにダンジョンに来てまーす」
・ちわー
・学校おつかれー
・ワイらのために学校からダンジョンに直行してくれる女神よ
「今回はダンジョン攻略しながら、錬金術で可愛いアイテム作っていこうと思いまーす」
・草
・ちょっw
・アイテム破壊が話題のこの時期に
・ダンジョンで可愛いにこだわる女
「よーし。それじゃあ早速、錬成していくぞー。まず取り出したるはこの魔法鉱石ミスリル。ていっ」
真莉がミスリルの塊を錬金槌で叩くと、ミスリルは銀色のスーツケースになった。
・ミスリルを一瞬で造形したw
・相変わらずスゲー腕やな
・確かに可愛いスーツケースやね
「ミスリルで作ったスーツケースだから硬くて丈夫。たくさんアイテムも入って、趣味と実用を兼ねた装備だよーん」
真莉は旅行用カバンにもなりそうな大きな金属製のスーツケースを軽々と持ち上げてみせる。
「そういうわけでこれから重点アイテム集めにいっきまーす」
・確かにこれならたくさんアイテム入れられるね
・カボチャ頭の魔法も防御できるわけか
・意外とよく考えられている
・けど、戦闘どうするんや?
真莉がスーツケースをガラガラ言わせながらダンジョンを進んでいくと、トラップとアイテムの部屋にたどり着く。
アイテムは〈魔石〉と〈ミスリル〉だった。
「〈スペルカード〉耐久付与、発動っ」
真莉は迷わず〈スペルカード〉を使う。
・お、使うのか
・錬金術師はダンジョン内でも〈スペルカード〉調達できるからな
・ただ、戦闘はどうするんや?
・スーツケースで片手塞がってるのはキツイよな
真莉がアイテムに近付いていくと、ゴブリンが出てきて〈デストラ〉の魔法をかける。
〈魔石〉はゴブリンの魔法を弾いて健在だった。
ただ、ゴブリンは怒り狂って真莉に襲いかかる。
・ほらきたー
・ヤバいっ
・真莉ちゃん、逃げてー
「モンスターが来ても可愛く戦うよっ。せいやっ」
真莉はスーツケースでゴブリンを殴る。
ゴブリンは頭を割られて即死する。
・可愛い(物理)
・可愛いとは?
・ただの鈍器じゃねーかw
・凶暴で草
真莉は手に入れた〈ミスリル〉とその辺に落ちてるいる木材で〈スペルカード〉耐久付与を作成した。
カメラに向かって笑顔でピースする。
(悟さんの思い付いたスーツケース、バッチリ当たってるよー。悟さん見てるー?)




