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闘争

再び妖怪の山を訪れた晴夜。

そこで、鬼二人との戦闘が始まる。


それでは、どぞー

鈴華の合図と同時に相手へと肉薄する。

足に魔力を溜め、それを思いっきり踏み込むことで推進力を得る。

この技の欠点は真っ直ぐにしか移動できない事だが、それを補って余るほど使い勝手が良い。

少し加減を間違えただけで、足下の魔力が暴発し爆発する事もあるが何万回と繰り返してきただけに、もうそんな事は起こらない。

今度は握った拳に霊力を溜め、相手に当たると同時にその霊力を開放する。

それだけで、普通に殴るよりも何十倍もの威力になる。

萃香は、咄嗟に腕でガードしたがあまりの威力に吹っ飛んでいった。


勇「今、何をしたんだい?」


呆然としている勇儀の持っている杯を奪い、中身を空にする。


勇「あっ! 何するんだい!」


いきなり杯を奪われた上に、酒を飲み干されたためにご立腹のようだ。


晴「それはこっちのセリフだ。鬼の性格は知っているが、そんな態度だと本当に一瞬で終わらせるぞ?」


鬼の性格はおおらかにして、戦いを好む。

戦いを少しでも長く楽しむために自らに枷をつけて戦う事があると聞いた。

まだどこか、人間だと思って手加減している節があるようだ。


勇「そこまで言うんなら、楽しませてくれるんだろうね?」


そこへ先ほど吹き飛ばした萃香が戻ってきた。


萃「いたたた、勇儀どうやら手加減している場合じゃないみたいだよ」


普通の妖怪だったらさっきの一撃で絶命していてもおかしくないのだが、つくづく鬼の耐久力には驚かされる。


勇「そうみたいだね、さっきは悪かった。 鬼の四天王の力、存分に見せてあげるよ」


晴「上等だ、人間を舐めるなよ?」







晴「おっと、危ないな」


勇儀の拳が目の前に迫る。

その拳を避けると、避けたところを狙って今度は萃香の拳が迫る。

それを受け流し、空いた脇腹を蹴り込み萃香を吹っ飛ばす。

すると、また勇儀の拳が迫ってくる。


勇「そらそら、どうしたんだい?」


流石に鬼の四天王二人に接近戦(インファイト)は分が悪い。

いくら普通の人間より頑丈だからって、鬼の一撃をまともに喰らえば致命傷になる。

萃香も勇儀も腕力は同じくらいだそうだが勇儀の威力は桁違いだ。

本能レベルで警告をするほどに勇儀の一撃は危ない。

これはなにか能力を持っている可能性が高いな。

萃香は軽いから、吹っ飛ばして距離を取れるが勇儀はこちらから距離を取るしかない・・・がそれをさせてくれるほど甘い相手でもない。

すると萃香が、


萃「ああもう、なんで私だけ吹っ飛ばされなくちゃいけないんだ!!」


晴「いやだって、萃香軽いし」


勇「あ~、確かに出るとこ出ていないからね~」


勇儀の言葉に萃香が反応する。


萃「勇儀、喧嘩売ってる?」


勇「いや、今喧嘩しているのは晴夜だから売り切れだよ」


萃「うがーーー、そんなに胸が大きいのが偉いのかー!!」


だれも胸だなんて言ってないのに・・・

気にしてるんだな・・・

すると、萃香がこちらに向けて突進してきた。

え? なにそれ? っていうか八つ当たりかよ!


晴「おっと、俺は何も言ってないだろ!?」


怒り任せなため、一つ一つが直線的だが妙に気迫が溢れている。

当たったら無事じゃ済まないな。


萃「どうせ晴夜も大きい方が好みなんだろ!?」


どうしてそういう話になったし?


晴「別に、萃香が気にしているようなところを判断材料に加えたことなんてねぇよ!」


あえてどこかとは言わない。

はっきり言ってしまったら、それこそ後がめんどくさくなる予感しかしないからだ。


萃「くそー、こうなったら・・・」


萃香がラッシュを止め、片腕をぐるぐると回し始めた。

すると、体が萃香の方に引き寄せられていく。


彩「なっ!? 能力か!?」


このままじゃ不味い。

いくら、頑丈になっているからって今の萃香は一撃が本気だ。

しかし、踏ん張ろうにも体全体を持っていかれる感じなので思うように踏ん張れない。

そして、萃香の射程圏内に入ってしまった。


萃「喰らえーーーー!!」


大きく振りかぶった拳を晴夜の腹目掛けて突き出してくる。

当たる直前に引き寄せられる感覚は無くなり、体に自由が戻るがもはや避けれる距離じゃない。

くそったれ、少しでもダメージを減らさないと・・・

しかし、萃香の拳は晴夜の腹を貫通し地面には赤い鮮血が滴り落ちる。


晴「ガハッ!」


どうやら、あまり意味が無かったみたいだ。

腹部からは焼けるような激痛が走る。

思っていた通り、鬼の一撃は俺を殺すには十分過ぎる。

普通の人間なら死んでてもおかしくない傷だけど、あいにくと普通ではない体なのでまだいける。

このまま萃香に反撃しようとした時、萃香が吹っ飛んだ。

吹き飛んだ拍子に強引に腕も抜けたため、さらに激痛が走る。

滅茶苦茶痛い・・・


?「大丈夫ですか、お兄様!?」


目の前には、どこか美桜に似ている少女がこちらを心配そうに見つめていた。


晴「ゲホッ! 君は・・・いったい?」


?「お話は後ですわ! まずはお兄様の傷を治療しませんと」


そうだな、このままじゃ流石に辛いものがある。

憑依すれば一瞬で全快できるが、それじゃあ意味が無い。

この戦いはギリギリまで美桜の力を借りないで鬼の相手をする事に意味があるのだから。

腹に手を当て、意識を集中させる。

永年の修行で磨いてきた能力だ、これくらいの傷はすぐに癒す事が出来る。

傷はみるみる塞がっていき、浄化の力で服も完全に元通りになった。


晴「さて、いろいろと聞きたいことはあるんだけど今は離れていてくれないかな?」


今は、鬼二人との喧嘩中だ。

話はそれからでも遅くは無い。


?「嫌ですわ! 私もお兄様と一緒に戦いますわ!」


断固として引き下がらない美桜似の少女。

確かにさっきは危なかったが、鬼の一撃をその身で経験する事ができたのだから収穫もあった。


晴「今回は、俺の力がどこまで通用するか試してみたいんだ。 だから、頼むよ」


美桜の力を使えば一瞬で勝負がつくだろうが、それじゃあ意味が無い。

最近になって思ったが、美桜の力に依存しすぎている節がある。

そして、自分の限界がどこまでなのかが分からなくなっていた。

それを知る為にもこの戦いは、限界ギリギリまで自分一人でやらなくちゃいけない。

少女はため息を吐いて、


?「分かりましたわ。 その代わり、私のお願いを聞いてくださる?」


可愛らしく小首を傾げてきた。

美桜に似ているだけにとても可愛らしい。


晴「ああ、俺に出来る範囲でならな」


その言葉に満足そうに頷き、


?「約束ですわよ? お兄様、お気を付けて」


ニコリと微笑むと楓の隣まで行き腰を下ろした。

それを見届けて、勇儀と萃香に向き直る。


晴「悪かったな、仕切り直しと行こうぜ」


律儀に待っていてくれた二人に謝罪と再開の意を伝える。


勇「なんだい、結局一人でやるのかい?」


晴「ああ、そうじゃないと意味が無いんだ」


いつまでも美桜の力を当てにしちゃいけないしな。


萃「よーし、それじゃあ行くよ?」


萃香が突っ込んできて、拳を振るう。

さっきと同じ威力だが、時間が経って落ち着きを取り戻したのか緩急を付けてきた。

さっきまでの気迫が無い代わりに、技術が組み込まれている

しかし、その程度で捉えられない。


晴「桜嵐、抜刀!」


萃香の拳が届かないギリギリの距離から刀を抜き、一閃。

完璧に捉えたと思った刃は萃香に接触した瞬間、空を切ったような手ごたえの無さだった。

そして萃香はその場から消えた。


晴「? ガッ!!」


不思議に思い周りを見渡そうとした瞬間、側頭部を殴られた。

勇儀は離れており、こちらを傍観している。

どうやら、萃香が終わったあとに戦うことにしたようだ。

ということは、勇儀じゃないなら萃香に殴られたわけだがその萃香が見当たらない。

すると、突然目の前に霧状の何かが集まり、それは腕の形を形成して殴り掛かってきた。

それを紙一重でかわすと、腕は霧状に戻り霧散した。

あれは確かに萃香の腕だった。

どんな能力かは分からないが、霧になって空気中に紛れているようだ。


晴「どうすっかな、このままじゃ一方的に攻撃されるだけだしって、うおっ!」


また腕が飛んできて、それをかわす。


萃「どうだい、これがあたしの能力さ。 そろそろ本気を出した方がいいんじゃないのかい?」


そういう萃香だって、本気じゃないくせに・・・

しかし、霧状なら風に流されるんじゃないか?

やってみるか・・・

足下には内側に赤色の、外側に緑色の幾何学模様が描かれた魔法陣が展開されゆっくりと回り始める。


晴「虚空より風を起こせ 大気を震わせ我の前に集え 純粋なる穢れなき炎とともに天を焦がす柱となれ」


風属性の魔力を練り上げる余波で周りに風が吹き出す。

大部分の鬼や天狗は初めて見る異質な力に驚いている。

勇儀も審判をしている鈴華も目を見開いてこちらを見ている。

ちなみにこんな事しなくても直ぐに出来るのだが、雰囲気って大事じゃん?

そして、十分に練り上げた魔力を開放するための言霊を放つ。


晴「これに耐えられるか? 『太古の炎嵐(エインシェント・フレイムテンペスト)』」


この間、僅か10秒。

緑色の魔方陣が強く輝きだした。

それと同時に先ほどから吹いていた風が螺旋を描くように集まり、一つの小さな竜巻を形成する。

それはどんどん大きくなり、ある程度の大きさになると今度は赤色の魔法陣が輝きだした。

そして、竜巻は天をも焦がす炎の柱と化す。

今回は、純魔力100%で魔法を使ったのでごっそりと魔力を消費した。

全体の3割くらいかな?

やっぱり、自然と干渉する魔術でこのレベルのものは消費が激しいな。

竜巻が消えると、中からは萃香が自由落下してきた。

それを受け止めると、どうやら気絶しているようだ。

あちこち火傷だらけだが命に別状は無い。 けど治療しないと危ないな。

あれ喰らって気絶で済むとか、どんだけ~?

萃香を鈴華のところまで抱えていく。


鈴「完全に気絶していますね、萃香との勝負は晴夜さんの勝ちです」


周りから歓声が上がる。

しかし、まだ勇儀が残っている。


晴「勇儀、ちょっと待っててくれないか?」


勇「何をする気だい?」


晴「ちょっとね」


楓のところまで行き、萃香を寝かせる。

着ている衣服はほとんどが焼け、剥き出しの肌は素人目にも重度と分かるほどの火傷を負っている。

このままじゃ、危ないことは一目瞭然だ。

鬼だから平気なのかも知れないけど、治療するに越したことはないだろう。

萃香のお腹に手を当て、意識を集中させる。

みるみる火傷が治っていく。

かなり酷い傷だったようで、完治するまでに結構時間が掛かったが綺麗さっぱり治す事が出来た。

でも、霊力を結構消費してしまった。


現在の残量    霊力:全体の5割  魔力:全体の6割  神力:満タン


萃香の治療と自分の傷を癒す為に半分近くの霊力を使ったから無理も無い。

それに、萃香は本気を出していなかった。

と言うよりは、本気を出す前に終わっただけだけど。

治療を終えて勇儀の方へ歩き出す。


晴「次は勇儀の番だな」


勇「ああ、待ちくたびれたよ。 萃香を治療してくれた事には感謝する」


流石は鬼、そういうところはきちんとしている。

杯に入っている酒を一気に煽り、杯を空高く投げ捨てる。


晴「悪いけど、思った以上に霊力を消費したんでね、全力で行くよ?」


勇「望むところさ、こっちも全力で行かせてもらうよ」


今までに無いくらいの妖力が勇儀の体から放出される。

ほとんどの天狗が冷や汗を流して、中には恐怖で震えているものも居る。

それくらいの量だ。

肌にピリピリとした威圧感にも似た感覚を感じる。


勇「それじゃあ、行くよ!!」


勇儀が腕を振りかぶって突進してくる。


勇「どりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


恐ろしい勢いで振り下ろされる拳をサイドステップで避けるが、風圧でさらに後退する。

バゴンッと音を立てて勇儀の拳が地面に突き刺さる。

すると、突き刺さったところを中心にクレーターが出来た。


晴「うわっ、あんなの喰らったらひとたまりも無いな、っと!!」


勇「休んでいる暇は無いよ!!」


勇儀は腕を引き抜き、再度こちらに向かって拳を振るう。

完全に主導権はあちらに取られてしまった。

勇儀はひたすらラッシュでこちらに攻撃の隙を与えないつもりらしい。


晴「くそっ、どうすっかな?」


勇「さっきのあれは流石のあたしでも気絶するからね。悪いけど使わせる暇は与えないよ!」


そう言って、さらに攻撃が苛烈になっていく。

俺はまず最初に回避をとことん修行した。

それこそ、必要最低限の動きだけで本気の諏訪子や神奈子の攻撃を掻い潜れるまで修行した。

しかし、接近戦に関してはまるで違う。

相手が張り付いている為、何かの拍子に隙が出来るとモロに喰らってしまう可能性が大きいのだ。

ゆえに、こういう相手は多対一よりも性質が悪い。

さらに相手は鬼、一撃で沈められる可能性のほうが高いのだ。

だからと言って、いつまでもあちらに主導権を渡しておくほど俺は優しくない。

魔力で体の身体機能の底上げ及び反応速度を数段向上させる。

そして、手には霊力を纏わせ勇儀の拳を打ち落としつつ勇儀の腹を思いっきり殴る。

最初に萃香を殴った時と同じ方法で。


晴「ッシ!」


勇「グゥ!!」


いきなり動きが速くなり驚いているようだったが、反射的に腹をガードした。

そのまま勢いがなくなるまで後退していき、どうにか距離を離すことができた。

まさかあれを防ぐなんて思わなかったが、とにかく結果オーライだな。

多分、意識してやった行動ではないだろう。

鬼って言うのはとことん戦いに向いている種族だな。

顔を上げた勇儀はとても嬉しそうに笑っているのだが、新しい玩具を見つけた子供のような目が今はなんとなく怖い。


勇「痛~~~、今のは効いたよ。 やっぱり、伊達に武神を名乗っているわけじゃないね。 萃香を倒した技といい、今の一撃といい最高だね。闘いはこうでなくちゃ!」


晴「結構本気で殴ったのに・・・ホント、鬼のスペックには驚かされてばっかりだ」


勇「なあ、あんたはどうして神力を使わないんだい?」


武神と呼ばれている俺だが、実際信仰は諏訪子たちに流れるようにしてあるので武神としての神力は露ほども無い。

完全に神格化してしまったら、人々の願いを叶えなくてはいけないからだ。

まあ、神奈子も軍神とか言われているし大差ないだろう。

それを説明してやると、


勇「は~、そういう理由だったのかい。私達を舐めていたわけじゃ無かったんだな」


晴「そういうことだ。 それじゃあ、そろそろ再開するか?」


勇「望むところさ!」


そして、互いに肉薄し拳を繰り出す。

ここからはもう闘いというよりは殴り合いに等しかった。

戦術なんて存在せず、自分の持てる力を拳に込めて愚直なまでにお互い一歩も引かずに拳を打ち合う。

それは、目を逸らす事が出来ず、だんだんと自分も戦いたくなってくるような不思議な雰囲気を醸し出していた。

それほどまでに、晴夜と勇儀の殴り合いは惹かれるところがあるのだ。

魔力も霊力もだんだんと減っていき、それと同様に勇儀の妖力もだんだんと減っていった。

鬼とここまで殴りあえる人間は後にも先にも晴夜くらいしかいないだろう。


勇「はぁ・・・はぁ・・・、正直ここまでやるとは思っていなかったよ」


晴「ぜぇ・・・ぜぇ・・・、言ったろ、人間を舐めるなって」


お互いに笑い合う。

すでに霊力も魔力もガス欠寸前だが、それは相手も同じだろう。


勇「ずっとこうやって戦っていたかったけど、次の一撃が最後みたいだね」


晴「俺としては、もうしばらくは闘いたくないけどな」


勇「悪いけど、鬼は闘いに関してはしつこいよ?」


軽口を叩きながらも互いに最後の一撃のために力を練る。


勇「これで最後だよ、四天王奥義『三歩必殺』」


勇「一歩!」


勇儀が一歩目を踏み込む。

それだけで地震が起きたように地面が揺れる。


勇「二歩!!」


二歩目で、周りに岩石が浮上する。

大きさは様々だが、逃げ場が無い。


晴「へぇ、すげぇな。 あんなの喰らったら流石に死ぬな」


言葉とは裏腹に口は笑っている。

楓と美桜似の少女が何か叫んでいるが地響きでよく聞こえない。


晴「あれに対抗できる技は・・・あれか」


全ての魔力と霊力を右拳に集める。

これが一番勝率が高い技だ。


晴「お前の本気と俺の本気、どっちが強いだろうな?」


勇儀の拳を迎え撃つ為に、大きく振りかぶる。


勇「三歩ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」


晴「一点突破ァァァァァァ!!!」


晴夜の右拳に集まっていた力は拳の一点に集まった。

勇儀の拳と晴夜の拳がぶつかり合う。




ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!




大爆発が起き、両者が吹き飛ばされる。

爆発が起きる前まで二人が立っていた場所には隕石が衝突したのではないかと、疑うようなクレーターが出来ていた。

すでに霊力も魔力も空に等しい。

気を抜いたら、意識を刈り取られそうだ。

それでも、疲労困憊の全身を奮い立たせて立ち上がる。

ギャラリーは固唾を呑んで勝敗の行方を見守っている。

勇儀が倒れているところまで何とか歩いていく。

どうやら気絶してはいないようだ。


勇「いや~、負けたよ。 流石は武神様だね。 完敗だよ」


負けたと言うのに、その顔はとても満足そうだった。


晴「いや、俺も結構ギリギリだったよ。 今だって気を抜いたら倒れそうなくらいだし」


勇「それでもだよ、あんたは私と萃香の二人を相手にして勝ったんだ。 もっと誇っていいと思うよ」


萃「それに私の傷を治していなかったら、もっと楽に勝てていたじゃん」


振り向くと、萃香立っていた。


晴「萃香、もう怪我は良いの?」


自分がやってしまっただけに、心配になるのは当然だ。


萃「お蔭様でね、晴夜が治してくれていなかったらどうなっていたか分からないよ。ありがとね」


晴「いや、俺がやったんだから当然・・・・だ・・・よ」


視界がぼやけてくる。

どうやらここまでが限界のようだな。

初めて自分の限界が知れたんだ。

これからはもっと強くなれるな。

意識が沈む直前誰かに支えられた。


?「無理し過ぎですわ、お兄様」


そして、完全に意識が沈んだ。

またまた、オリキャラがでました。

詳細については、次話にて。


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