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赤ちゃんが孵るってこんなに幸せな事なんだね(4)

「ハーピーちゃんもそうだったんだよ。懐かしいなぁ」


 じいじが嬉しそうに笑いながらハーピーちゃんに話しかけた。


「オレもこんなにかわいかったの?」


「はは。そうだよ。かわいくてかわいくて……すごくすごく嬉しくて……涙が出てきたよ」


「えへへっ。オレもこんなにかわいかったんだ……」


「ハーピーちゃん……お兄ちゃんになってもずっと甘えて欲しいな」


「え? お兄ちゃんなのに?」


「お兄ちゃんになってもパパとママのかわいいかわいいハーピーちゃんだよ?」  


「パパ……うん! えへへ……五か月一緒に暮らせるんだね。嬉しいな……」


「パパもだよ。毎日一緒にいたのにそれぞれの島で族長になって別々に暮らすようになって……悲しかったんだ」


「……オレもだよ」


「この五か月……悔いのないように過ごしたいんだ」


「悔いのないように?」


「パパは、ぺるみとハーピーちゃんのパパである事が嬉しいんだ。でも最近は前みたいにずっと一緒にいられなくて……ぺるみは冥界で、ハーピーちゃんは族長として頑張っているのにパパだけが前に進めなくて……父親なのに……寂しいなんてダメだよね……」


「そんな事ないよ! オレだって寂しかった……でも……パパみたいなかっこいい族長になってハーピー族を守りたくて……だから頑張って鍛錬してきたんだよ」


「ハーピーちゃん……」


「パパの事……大好き。ママも大好き。ぺるみも第三地区の皆も……もちろん妹も。えへへっ。オレもこの五か月を大切に暮らすよ!」


「すっかり大人になって……」


「それは違うよ。だってオレ……ずっとずっとパパとママに甘えたい……」


「……嬉しいよ。ハーピーちゃん……パパの宝……愛しているよ」


 じいじとハーピーちゃんが抱きしめ合ったけど間に挟まれている赤ちゃんは大丈夫かな?

 二人はとんでもない怪力だから……


「えへへっ」


 赤ちゃんが嬉しそうに笑っている?

 じいじの子だから孵りたてでも怪力だったりして。

 そういえばわたしも怪力なんだよね。

 普段は気をつけているから物を壊さないけど……

 ママはこの怪力は叔母さんのヘラに似たって言っていた。

 でもヘラは自分が怪力だって知らないから本人には言わないで欲しいとも言っていたっけ。 

 確か、自分の怪力がどれくらいすごいのかを試したくて天界中の物を破壊したんだよね。

 それでパパが怪力だっていう記憶を消したって聞いたけど……

 恐ろしいね。

 ヘラはすごい怪力だって知らずに暮らしているんだ……

 

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