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変態は遺伝するのかな?

「ふふ。ハデスはおじい様の事が大好きだよね」


 ママが嬉しそうに笑っている。


「そうだな。では離乳食を作る間、父上に世話を頼むか」


 あのパパがわたしの抱っこ権を譲るなんて……

 本当におじいちゃんの事が大好きなんだね。


「ふふ。おじい様は喜ぶだろうね」


「ペルセポネ……」


「ん? なに?」


「……子はいずれ親の元から離れていく」


「そうだね」


「それは寂しくもあり、嬉しくもある」


「……うん」


「カサブランカもヘリオスも五十歳になり手がかからなくなり……正直寂しかった」


「ふふ。まだまだ甘えん坊だけどね」


「親になるとは……寂しいものだ」


「分かるよ。大事に大事に育てて……ずっと一緒にいられるように錯覚するけどそうじゃないんだよね」


「父上も母上も同じ気持ちだったのだな」


「そうだね。同じ立場にならないと分からないものだよね」


「もう一度赤ん坊のカサブランカを育てる機会を与えられた事に感謝しているのだ」


「ハデス?」


「昨日の成長したカサブランカは宝石よりも美しく、世界中の愚かな男が虜になりそうで心配だったのだ。だが赤ん坊なら安心だ。少なくともあと五十年は嫁にはいかないだろう」


「……ハデスは本当に親バカだね」


 ママの言う通りだよ。

 パパは本当に親バカなんだから……


「でも……分かる……分かるよっ! カサブランカは本当に超絶かわいいんだよっ! くうぅ! 堪らないねっ!」


 いや、一番の親バカはママだったね……


「さて……カサブランカを父上に預けたら天界に行き、この事をウリエルに伝えてこよう。離乳食作りはそれからだ」


「またウリエルにカサブランカの人形を作らせるの?」


「今日には今日の愛らしさが……明日には明日の愛らしさがあるのだ」


 うわ……

 さすがのママも呆れちゃったんじゃないかな?


「ウリエルとまったく同じ事を言っているね。でも……分かる……分かるよっ! ベリアルもそうなんだよっ! 創り物のヒヨコちゃんの身体だけど毎日毎日かわいさが違うのっ!」


「もう一部屋カサブランカの人形置き場を増やすか……」


「そうだね。ベリアルのぬいぐるみ専用の部屋をもうひとつ作らないと。ぐふふ」


 途中から話が噛み合っていないけど大丈夫かな?

 でも二人とも楽しそうだね。

 わたしは、このパパとママの娘なのか。

 ヘリオスは確実にママ似の変態だけど……

 わたしもいずれこうなるのかな?

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