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ヒーローロード  作者: MrR
ブレン編
63/72

第五十六話「オモイの光」

どうもお待たせしました。


 Side JOKER影浦


 ブレンの円盤の本拠地内部。

 JOKER影浦の周辺には日本刀で斬り捨てられた雑兵や敵の士官クラスの亡骸、残骸が無数に転がっている。

 

 だがそれでも次々と敵は補充されてくる。

 敵も必死なのだろう。


 しかし今はそれよりも


『今戦っている皆さんに力を届けます!!』


 柊 友香の言葉がJOKER影浦の耳の中に埋め込まれている小型通信機越しに届いた。


「賭けに出るには今しかないか・・・・・・」 


 耳の中の小型通信機に届いた生徒の言葉。

 皆に力を届ける。

 JOKER影浦は――自分の知る誰かの手引きもあったのだろうが生徒が装置を作動させたようだと状況を理解した。


 アレの発動条件はとても厳しい。


 賭けと言ってもいい。


 ブレンかそれ以上の巨悪が現れ、天照学園の人々の意思を統一しても効力が発揮できるかどうかという代物だ。


 また敵が腐っても神であり、無力化される恐れもあった。


 発動タイミングを間違えれば不発に終わっただろう。


それに再使用は暫く出来ない。


その見極めもあったので現地で様子を伺い、学園島にいる人間に状況を知らせ、現状を見極めた上で発動させた。

  




 Side ギャラクス


 

 ブレンを背後から操る神、ギャラクスは嫌な予感を感じた。

 

 しかし――


「うぉおおおおおおおおおお!!」


『こいつ!! まだパワーが!?』


 どうにかしようにも闇乃 影司が引き剥がせない。

 幾ら全力で打ち倒そうが弱まるどころか段々と強くなっていっている。


 そうこうしているウチにヒーローを捕らえていた金色のカプセルが爆発していく。


『やれやれ、時間が掛かりましたね』


 天村 志郎が


「遅れた分は取り返さないとね」


 揚羽 舞が


『影司さん――今助けます』


 倉崎 稜が


「稜の友達だもん。このまま黙ってみているワケにはいかないわ」


 宮園 恵理が


「闇乃さん!! 今助けます!!」


 城咲 春歌が


 そして最後に――


「お待たせ!! 闇乃君!!」  


 天野 猛が降り立った。

 

 しかし――


『ギャラクス様の邪魔はさせん!!』


 ブレンが現れる。

 一体や二体ではない。

 数えるのも億劫な数が動力炉の彼方此方から現れた。


「ちょっとこんなに出現するなんて聞いてないわよ!?」


 舞の当然と言えば当然の反応に志郎は『ここに来てメタルク○ラ戦法ですか』 と呟いた。


「怪我の功名なんだろうけどここは敵の心臓部!! どうにかすれば一発逆転できる!」


 猛は熱く返したが春歌は「でもどうするんですか? これだけの数ですよ!?」と困惑気味に尋ねる。


 しかし恵理は「どれだけ数がいようともやるしかないわよ」と戦闘態勢に入り、稜は稜で「恵理さん達がいれば何処までもいけます」と言ってのける。


 そうこうしているウチに敵の攻撃が始まった。


 無駄に広い動力炉を埋め尽くすブレンの両腕から雷撃が放たれる。


 それを散開して回避する。


『遠慮はいりませんね!! ベルゼルオスブラスター!!』


 志郎が回避しながらベルゼルオスの必殺技、胸部から放たれる極太の閃光ベルゼルオスブラスターが放たれる。

 ブレンに次々と直撃するが撃破には至らない。

 それを見てさしもの志郎も『流石は敵の首魁の一人ですか・・・・・・』と呆れたように呟く。


「だけど攻撃は通っているわ!!」


 舞も両腕を突き出しフェアリーバスターを放つ。


「稜!!」


『分かってます』


 恵理と稜のペアは空中がブレンだらけにも関わらず、閃光の如き早さとコンビネーションで二人が通った後のブレンは次々と地上に叩き落とされていく。


「春歌ちゃん!! ここは一気に!!」


「分かりました!!」


 そして猛と春歌の二人は互いの腕を掲げてクロスさせてWレヴァイザーバスターを放つ。


 しかしこれだけやっても倒せたブレンは極僅かだった。


『やはりあの動力炉が本体なパターンですかね』


「志郎もそう思う?」


 志郎は舞と背中合わせになりながら格闘戦を挑んでくるブレンを次々と迎撃していく。

 此方の攻撃を解析されているのかどんどんブレン達の攻撃も精度が増しているように思えた。

 だがそんな窮地の中で志郎はブレン達の動き――動力炉を庇うような動きを見逃さなかった


「だけどこのままだと――」


『いや――どうやら風は此方に吹いているようですよ』


 先程の通信――柊 友香のメッセージ通り。

 この場にいる全ての人々に力が送り届けられたのはその時だった。



 Side 嵐山 蘭子


「ストームドリル!!」


 森口 沙耶は魔法の杖らしき武器から大きな緑色のドリルを形成し、空中を飛行して相手の光学兵器をかいくぐって50m級巨大ロボットの胴体を貫く。


『シャイニングブレイカー!!』


 グレース・ナディアも身の桁の数倍以上の規模になった光の剣を50m級巨大ロボットの胴体に突き立てた。


 そして最後に嵐山 蘭子が


『アクセラレートクラッシュ!!』


 赤い閃光となった跳び蹴りが蘭子が戦っていたロボットを膝をつかせ、胴体を貫く。


 三人とも簡単に倒しているように見えるかもしれないが相手は50mの巨人である。大きな分厚い鉄の塊、しかも外宇宙金属製の分厚い箇所であろう胴体を――である。どれだけの偉業なのか、少し考えれば三人とも化け物であることが分かる。


 ともかくこれで三体全て撃破だ。


 しかしもう一体50m級の巨大ロボが援軍を率いて現れる。


『クソ!! 敵の戦力が無尽蔵か!!』


 蘭子は早く教え子を助けにいきたい衝動に駆られる。

 だがこの場を生徒に任せるわけにはいかない。

 しかしこのままでは助けにいくどころかこの場でリタイアしてしまう。


 沙耶とグレースも余裕そうに見えるが、まだ親玉がいるのだ。

 自分がリタイアするわけにはいかないと奮起する。


「大丈夫よ先生。さっきの子の通信聞いたでしょ? 切り札はくるわ」


『そう言えば――』


 沙耶の言う切り札とは何なのだろうか?

 グレースは「天照学園の隠し球かい?」と沙耶に質問する。



「くるわよ」


 沙耶のその一言が合図だった。



 Side マスタージャスティス


 悪の神もいれば当然のごとく正義の神様も存在する。


 その神様は白い空間の中で彼は地球に起きている事態を把握していた。


 白い戦隊スーツにマント。

 黄金の鎧。

 長い純白のバトンを右手に所持。 

 戦乙女を連想させる様な羽根飾りの装飾をヘルメット。

 宝玉が埋め込まれたバックルベルト。

 両手、両足に赤いグローブとブーツを身につけている。


 彼の名はマスタージャスティス。


 マスタージャスティスは正義の神様である。


 だが神様であるがゆえにその行動に制約が大きく付き纏う。


 直接手を下すような行為は敵に悪しき神がいる場合でなければ御法度である。

 

 だからこそ彼は今回は、天照学園が行うとしている事に少しばかり手を貸すことにした。  


 長い純白のバトンを掲げる。


 白い空間を通して天照学園からブレンの本拠地であり、ブレンその物である巨大円盤に向かって放たれるオモイの光のエネルギーを後押しした。


 


 Side 黒崎 カイト



 黒崎 カイトは――自分でも不甲斐ないことに未だ戦う理由について心の奥底で悩んでいた。


 死んだ恋人のために戦うこと。

 死んだ恋人の研究を悪用させないこと。

 恋人の名誉のためにジェネシスの痕跡を葬ること。

 

 だが天野 猛と関わり、ブラックスカルとの激戦を通じてその理由にも変化が生じ、そしてブレンと言う宇宙人が現れてそれは決定的になった。


 ――ジェネシスはそもそも発見されたオーバーテクノロジーや学園で産み出された超科学技術などの平和利用を目的とした団体じゃない。お前のスーツや俺の変身アイテムを見れば分かるだろう? どう見ても戦闘用だ。


 ――ジェネシスの人間は地球外生命体の存在・・・・・・平たく言えば宇宙人の存在を信じているのさ。そして接触し、万が一対抗する事態に陥った時の為にお前や俺のスーツを開発したんだ。少なくとも今の様な状況のためじゃない。


 ――ジェネシスの関係者からだ・・・・・・もしこれが暴露されれば世間はどう思う? 下手をすれば道化の集団だ。


 ――そうだ。それが表沙汰になる前に全て一人で決着を付けようと思った。今でもその気持ちは変わらない。


 また猛との戦いでしたやり取りを思い出す。


 だが今は悩んでもいられない。


 敵の本拠地である巨大円盤が浮上し、この都市を放棄するつもりなのか敵の攻勢も弱まり、地球連邦軍や自衛隊も天照学園の意図を理解して拉致された人間の救助活動を手伝ってくれる。


 しかし攻勢は弱まったとは言えまだまだ敵の数が多い。


 それに何故かあの少年――天野 猛の事が気になる。


 そんな時、天照学園の生徒から通信が入り、少し経って――


(何が起きた――?)


 体中から力が湧き出てくる。

 今迄の体のダメージや疲労も消えていく。

 それだけではない。

 多くの人々の、顔の見知らぬ誰かの気持ちが伝わってきている。不思議と不快さはない。むしろ暖かさを感じる。

 同様の現象は他の味方にも起きているらしい。


 ――このマシンは天照学園の切り札。天照学園に生きる人々の想いを具現化して届ける。ただそれだけの装置よ。


 聞き覚えのある声が脳内に響いた。

 忘れる事なんて出来やしない。

 そして眼前に現れる白衣を着た長い黒髪の美女。


『アサギ・・・・・・なのか?』


 ――その通りよ。神様の奇跡って奴かしらね。短いけど今回の限りのね。


『なにがどうなって――』


 ――私にも分からないわ。それにしてもクールぶってるのにわりと細かい事で悩んでるのね。


『それ今言うことなのか!?』


 ――今だからこそよ。確かに私達のために戦ってくれるのは嬉しいけどやり方が方法がね。もうちょっと素直になれないのかしら?


『さっきからなんで俺の事にそこまで詳しいんだ!?』


 ――今のアナタのことは手に取るように分かる状態なのよね。本当は泣きそうになってる事とかね。


『誰が・・・・・・泣くかっ!!』


 ――だけどそう言うところもステキよ。本当はもっと色々と話をしたいけど時間短いみたい。


『待て! まだ話が――』


 ――自分は何のために戦ってるの?


『そ、それは――』


 ――死んでおいてなんだけど、復讐するななんて綺麗事は言わない。そう言って素直に頷くようなカイトじゃないしね。


『・・・・・・』

 

 ――だから戦うなとか復讐するなとは言わない。だからお願い。死んだ私を後悔させるぐらいに幸せになりなさい。いい相手見つけなさい。


『お前は、俺のお袋か!?』

 

 ――正真正銘の最後の別れでそんな言葉吐く普通? まあその方がカイトらしいけどね。


 そうして別れの時がきた。


『も、もう行くのか!?』


 ――今世界の危機でしょ? それに今アナタは今生きているんだから。やる事、出来る事は沢山あるでしょ?


『だが・・・・・・』


 そしてアサギはそっとカイトに抱きつき、ブラックセイバーのフルフェイスのマスクを通り抜けてキスをした。

 確かにカイトは亡き最愛の恋人の暖かな感触を感じた。


 ――大丈夫。もうアナタは自分で思っている程孤独じゃないわ。


 それが別れだった。


 



 Side 春龍


「まるでスパ○ボラスト辺りの展開ね!! だけどこの力さえあれば!!」


 春龍は巨大ロボ、テッコウオーを動かし、近づく敵を片っ端から薙ぎ倒す。

 例の天照学園の切り札だろう。


 体で感じる。


 春龍自身の力の増幅。

 そして愛機であるテッコウオー自身のパワーの増大。


 この力さえあればやれる。


 敵の攻撃を嵐のように浴びても物ともしない。


 幾ら束になって掛かってこようともその瞬間に目からのレーザーや口元のマスクのスリットからの嵐、豪腕のロケットパンチで爆炎に変えてい。

 威力も先程までとは段違いに上がっている。


 それは自分だけではない。

 一つ目博士のグレートノアも、シェン兄弟のアルトロンも。

 そして他のソーディアンや敵の包囲網を抜けてきた忍者軍団、魔法少女達に宇宙刑事や世界管理局にグモたん達、そして地球連邦軍や自衛隊も同じように戦闘力が大幅に上昇しているようだった。


「あら・・・・・・ちょっと暴れすぎたみたいね」


 バトルフィールド代わりにしていた敵の本拠地である巨大円盤の彼方此方で黒煙が上がり、ゆっくりと落下していく。

 まるで昆虫を思わせる脚が出現し、地上への着陸態勢を取る。


 そしてしつこく敵の増援がやってくる。


 どうやら敵はまだやる気のようだが――負ける気はしなかった。

 

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