表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
69/230

マリアに情勢を説明してもらっている時に巨大衝撃魔術の直撃を受けました

「ユリア、いきなり、リーゼロッテ様の前で家に来るなんて言わないでよ。肝が冷えたじゃない」

 馬車の中でマリアが文句を言ってきた。

「ごめん、ごめん、ああでも言わないとお姉様に無理矢理連れて帰らされたから」

 私は同じ転生者のマリアに謝った。


「図太いあなたは問題なくても未来の王妃様の前でアドリブさせられる私の身にもなってよね」

「図太いって私はそこまで図太くないわよ。神経も細いし」

「はいはい、あなたが図太くなかったら、古代竜も可愛いペットになるわよ。いや、そう言えばあなたの所にはピーちゃんがいたわね」

 思い出したようにマリアが言い出した。

「そうそう、だから、私は図太くないのよ」

「そう臆面もなしに言えるところが図太いって言うのよ」

 マリアに言われてしまったんだけど……


「でも、帰らなくて良かったの? エックハルト様もフランツ様もリーゼロッテ様もあなたに帰ってきて欲しそうにしていらっしゃったけれど」

「絶対に嫌よ」

 私はマリアに即答した。今は絶対にお兄様に会いたくなかった。


「アルトマイアー様もあなたに帰ってきて欲しいと思っていらっしゃるんじゃないの?」

「私が会いたくないのよ」

 そうだ。ツェツィーリア様と仲良くしているお兄様とは会いたくない。また悲しくなるではないか。


「うーん、一度きっちりと話してみたら。アルトマイアー様はあなたを溺愛していると思うけれど」

 マリアが言ってくれるが、今朝は私よりもツェツィーリア様を優先してくれたのだ。私なんかよりもツェツィーリア様が大切なのに違いない。


「そもそもゲームでお兄様が私と仲良くなることなんてあったの?」

 私はふと気になって聞いてみた。

「それはないわよ」

 マリアは即答だった。


「何しろユリアーナは悪役令嬢で傲慢で我が儘で兄を兄とも思っていないのよ。ゲームでは大体、アルトマイアー様はユリアーナを断罪する方にいたわ」

「そうなんだ」

 判っていたこととは言っても私にはショックだった。


「じゃあ、今回も私はお兄様に断罪されるのかな」

 私は呆然として呟いた。

 あれだけ私に優しかったお兄様が断罪側に回ったら私なんて抵抗も出来ない……

 私は蒼白になった。


「それはないんじゃないかな」

 マリアが即座に否定してくれるけれど、その根拠はあるの?


「だってどう見てもアルトマイアー様はあなたを溺愛しているわよ。剣術競技の時なんて愛しい恋人が怪我をしたみたいに慌てふためいていらっしゃったじゃない!」

 マリアはそう説明してくれたが、

「でも、今はツェツィーリア様がいるもの」

 私はそう思ったのだ。ユリアーナの時代は終わったのだ。


「ゲームでも、ツェツィーリア様は留学してくるの?」

「そんなの無いわよ。だから私は驚いたのよ。こんな展開無かったって」

「『ハンブルクのピンクの頭』じゃなくて、そのパート2とかに出てきたんじゃ無いの」

「『ハンブルクのピンクの薔薇』ね」

「えっ、そんな題名だったのね。私はピンク頭しか見ていないから」

 私は言い訳した。

「聖女様の事そう呼ぶのはあなたしかいないわよ。さすが悪役令嬢ね」

「えっ、一応聖女様ってたまに言うわよ」

 本当のたまにだけど……


「私の生きている間はそんなのは出なかったわよ。出ていたら必ず私がしていたから」

 自信をもってマリアが述べてくれた。

「そうなんだ。じゃあ、なんなのかな、ツェツィーリア様の留学って」

 私は不思議だった。本来宗主国のお姫様が出てくるなんて絶対におかしいのだ。


「まあ、帝国の皇女と言われているけれど、所詮王弟の娘だから、皇帝の娘とは違うわ」

 なんかマリアの言うことも辛辣で不敬だと思うんだけど……


「その皇弟の娘を最近伸張著しい我が国の公爵家に嫁がせて、その手綱を握りたいというのが帝国の思惑ではないかしら」

 マリアが教えてくれた。


「そうなんだ。でも、帝国からしたらこのハンブルク王国なんて吹けば飛ぶような国じゃないの。そんな国に皇女を嫁がせる理由があるの?」

 私はマリアに聞いていた。ツェツィーリア様が来なければまだお兄様は私のお兄様だったのに!

 その質問には少し私の愚痴が入っていたかもしれない。


「何言っているのよ、ユリア。我がハンブルク王国は属国の中では規模的には大きい方なのよ。その中でもあなたのホフマン公爵家は領地全体が騎士の国みたいな感じじゃない。我がハンブルク王国軍は元より、帝国の騎士達の中にもホフマン公爵家出身の者は多いわ。その中でもアルトマイアー様は成長著しい注目株だし、リーゼロッテ様は王家に嫁ごうとなされているわ。これからますますホフマン公爵家がハンブルク王国は元より帝国全体の中でも力を持つ家になるので、今のうちに手を打っておきたいんだと思うわ」

 マリアが説明してくれた。帝国の中でも我がホフマン公爵家の地位は高いと知って私は単純に嬉しかった。


「そうなんだ。我が公爵家は帝国の中でも注目されているの……」

 そう言っている時だ。


 私は巨大な魔術の反応を感じたのだ。


「バリア!」

 私は躊躇無く大声を上げると障壁で馬車を囲ったのだ。


 ドカーン


 凄まじい衝撃が馬車を直撃して、何も構えていなかったマリアが私にダイブしてきたので、私は抱き留めたのだった。


いきなりの魔術での攻撃の犯人は誰?

続きは明日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』https://book1.adouzi.eu.org/n4848kz/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://book1.adouzi.eu.org/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/

新作

『恋に破れた転生王女はツアコンを目指します』https://book1.adouzi.eu.org/n7707kp/


この前の作品はこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ