表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
222/230

ペチャパイとほざいたお兄様顔の魔王を張り倒しました

「ギャオーーーーー」

 張り倒した黄金竜が泣いているように聞こえるんだけど、何で?



「ユリア、お前、ピーちゃんになんて事を」

「さすが悪役令嬢ユリアーナね。自分のペットにも容赦がないわ」

「ええええ! あなたピーちゃんなの?」

 フランツお兄様とピンク頭の言葉に私が驚いて聞くと

「ギャオーーーー」

 って泣いてくれた。

「えっ、ピーちゃんと違って全然可愛くないんだけど」

「ギャオーーーー」

 古代竜はなんか更に目から涙流してくれるんだけど……

 でもピーちゃんは小さくて可愛いからピーちゃんなのに!

 でかくて全然可愛くない。まあ、確かに最初に公爵家の試練にいた古代竜そっくりだけど。

 今まで偽装していたんだろうか?


「それよりもお兄様、大丈夫?」

 ピーちゃんを無視して私がお兄様に駆け寄ると、


「近寄るな、小娘」

 そう叫ぶと男は私を横殴りに引っ叩いてくれたのだ。

「キャッ」

 私は弾き飛ばされて地面に叩きつけられていた。


「な、何するのよ、お兄様!」

 私がショックを受けた。

 お兄様にそんな風に邪険にされたのは始めてだ。


「俺様は貴様の兄ではないわ。魔王様だ」

 お兄様は私を見下ろしてくれた。


「な、なんかですって?」

 私はお兄様が何を言いだしたか判らなかった。

「ユリア、離れて!」

「ユリア、兄上は魔王に乗っ取られたのだ」

「な、何ですって? 何故そんなことが」

「お前が殺されたと思って闇堕ちして魔王に乗っ取られてしまったんだ」

「えっ、そんな」

 魔王はにやりと笑ってくれた。


 ええええ! 

 お兄様が魔王に乗っ取られたの?


「貴様は先程死んだと思っていたのに、何故生きている? 聖女に生き返らされたのか?」

 魔王は私を睨み付けてくれた。

「まあ、良い。邪魔だ、死ね、小娘!」

 お兄様そっくりな男が真っ黒になった剣で私に斬りつけてきた。


 ガキン!


 私は杖で受けていた。


「ほおおおお、少しはやるのか?」

 魔王がニタリと笑ってくれた。


「しかし、貴様には実の兄は殺せまい」

 魔王はそう笑うと私目がけて剣で斬り込んでくれた。


 ガキン!

 私は杖で受けた。


 ガキン! ガキン! ガキン!


 連続攻撃だ。

 私は魔王を攻撃しようとしたが、相手はお兄様だ。

 出来なかった。お兄様を攻撃するなんて出来ない。

 私は防戦一方だった。


 でも、お兄様の本気の斬撃をいつもでも耐えられるなんて無理だ。

 私はドンドン劣勢になっていった。


 ガキン!


 ドカーーーーン!

 私はよけ損なって地面に叩きつけられた。


「痛い!」

 体中が傷だらけになっていた。

 酷い、お兄様。こんなにするなんて!

 可愛い妹にここまでやる?


 私は少し切れていた。


「ちょっと、フランツお兄様、それとピンク頭、それとピーちゃん! 何を黙って見ているのよ。少しは助けなさいよ!」

 私は遠く離れて他人ごとのように傍観している奴らを叱責した。


「お前、兄上とお前の戦いに俺が参戦できる訳ないだろう」

「誰がピンク頭よ。真の聖女様を戦いに巻き込まないで」

「ピーーーー」

 3人、いや二人と一匹は好きに言ってくれた。

 ピーちゃんはさっき私が張り倒したから怒っているみたいだ。


「少しくらい手伝いなさいよ」

「無理」

「頑張って」

「ピーーーー」

 2人と一匹は無視してくれた。


「俺を無視するな」

 その私を後ろから魔王になったお兄様が攻撃してきた。

 障壁で防いだけれど、追っつかなくて、そのまま吹っ飛ばされて地面に叩きつけられた。


 ギャーーーー、顔から突っ込んだじゃない。

 まだ、見れた顔が傷だらけよ。

 後で絶対にピンク頭に治させてやるんだから。

 ついでにもう少し美人にしてもらおう。


「いつまで遊んでいるんだ」

 魔王が後ろから迫ってきたから、杖で思いっきり突いてやった。

 なんかヒットした。


 バシン

「ギャーーーー」

 魔王は杖で顔を突かれて吹っ飛んだ。


 ドシーーーーン


 大きな音がして山にのめり込む。


 そうか、見なければ攻撃できるのか?

 私は気付いたが、気配だけで攻撃するのは厳しい。


「小娘、良くもやってくれたな」

 魔王は頭を振って立ち上ってくれた。


 それから怒濤の攻撃が始まった。


 バキン!バキン!バキン!

 私は死に防ぐがお兄様の連続攻撃は無理だ。


「ギャッ」

 剣が頬をかすり

「痛い!」

 手に当たった。


 もう私は満身創痍だ。


 バシン、ドカーーーーン


 よけ損なって地面に叩きつけられていた。


 もうだめかもしれない。

 お兄様、助けて!

 と願ったら、考えたら魔王がお兄様だった。

 酷い。

 実の妹がこんなに傷つけられているのに、乗っ取られたままってどういう事?

 もう信じられない!

 私は心の底で少し怒りだした。


 ふつふつと


 そうよ。幾ら魔王に乗っ取られたからって普通はここまで可愛い妹がやられたら、魔王を押しのけて出てくるものよ!

 私は怒っていた。

 でも、体が動かない。

 これはとてもまずいかもしれない。


「小娘。もう終わりか?」

 お兄様の顔をした魔王がやってきて、私の襟首を捕まえて持ち上げてくれた。


 私はニヒルな笑みを浮かべるお兄様の顔が許せなかった。


「何だ、貴様、顔はきれいなのに、胸がないのだな」

 お兄様の顔が馬鹿にしてくれたのだ。

 私の胸を!


 ピキッ

 私はその言葉に完全に切れてしまった。


 もう絶対に許さない!

「何か、言った?」

「えっ?」

 私の心の底からの怒りに、魔王もぎょっとした顔をした。

 でも、もう遅い!



 パシーーーーーン


「ギャーーーーーーーー」

 怒り狂った私はその怒り全てを魔力に変えて魔王の顔を思いっきり張り倒していた。


ここまで読んで頂いてありがとうございます

続きは今夜です。

お楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

新作

『モブですらない小さい聖女に転生したので、小説の世界を堪能しようとしたら、何故かヒロインになっていました』https://book1.adouzi.eu.org/n4848kz/


私の今一番熱い人気の作品はこちら

『【電子書籍化】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n9991iq/


表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

■【3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DD3SHSJV/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/86f757d2dd7d3674900eac6783288ad5/

表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/2/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DGQ7J6VH/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/178537d615973d18a4cb8adc53c66c16/

3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSS連れ子様の護衛騎士・シーモア特典付き】
https://www.cmoa.jp/title/1101429725/vol/3/


■【アマゾンはこちら】
https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B0DK55BWGS/


■【楽天はこちら】https://books.rakuten.co.jp/rk/e9901759f61337b88109b29ff7a5ffb0/

ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

アルファポリスのレジーナブックスにて

【書籍化】

しました!
2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
表紙画像
表紙絵をクリックしたらレジーナブックスの説明ページに飛びます。


■アマゾンへのリンク

■楽天ブックスへのリンク

■hontoへのリンク


手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://book1.adouzi.eu.org/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。


私の

3番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://book1.adouzi.eu.org/n8311hq/

私の

4番人気で100万文字の大作の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://book1.adouzi.eu.org/n8911gf/



最新の短編作品はこちら

『婚約破棄されやけ酒飲んでると軽い男が声かけてきたので張り倒したら、何故か執着されました』https://book1.adouzi.eu.org/n2191kg/

このお話の前の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://book1.adouzi.eu.org/n7240kb/

新作

『恋に破れた転生王女はツアコンを目指します』https://book1.adouzi.eu.org/n7707kp/


この前の作品はこちら

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ