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聖戦×戦神×軍神……2

 獣帝軍と黒猫の団が【ウォルベア】に近づくにつれて、無人の町と村が目立ちだす。


 数日前まで、人が生活していたであろう、痕跡を残し忽然と姿を消したような状態が続いていた。


 大部隊の休憩を目的に村に立ち寄る。


 無人の村には明らかに人が居たであろう事実が残されていた。

 どの村と町にも決まって井戸が毒水に変えられており、生活が突如として出来なくなった事を物語っていた。


「団長~ダメだな、此方も同じじゃね? 何処も人っ子一人いないみたいだぜ?」


「マスター、此方もいない……水もダメ」


 風薙とアルガノが村を調べたが、既に人の姿は無く井戸は使えず、残された僅かな食糧も他の村や町同様に毒水に浸けられていた事実をキャトルフに報告した。


「また、毒か……獣人ですら、微かにしか嗅ぎ分けられない毒をこんなに大量に使うなんて……正直、俺達だけだと被害者が出ていたかも知れないな」


 キャトルフは危機感を強める。


 獣帝軍と黒猫は村を後にする事を決めた。


 次第に休憩の際に配られる水分に制限が開始される。


 水分にも危機感を感じるペリグロッソは川を目指し進む事を黒猫に提案する。


「駄目だな。どう見ても誘導の意思が見える。ましてや、流れる水に毒を仕込まれれば、獣人でも気づくことは難しいだろう」


「むぅ……しかしだ、このまま、水が補充出来なければ、後方支援を待たねばならなくなるぞ」


 後方支援を待つことになれば、その場で待機するか、後退を余儀無くされる。


 そうなれば、敵勢力の真っ只中でその身を晒す事になる。そうなれば、敵地で絶好の的となるだろうとペリグロッソは語った。


 しかし、キャトルフは止まることも後退も考えてはいなかった。


 地図を開き、ウォルベアから多少離れて進む経路を指差し、なぞりながら目的地を指差す。


「全員で向かうと少し厄介になりそうだが、確実に水が手に入る。ただし……武器を抜くことは出来ない……魔石(アーティファクト)も使用禁止となる。忘れるなよ?」


 キャトルフが指差した先には森林のマークが書かれており、毒沼のマークが同時に書かれている。


「正気か? どう見ても、 水が手に入るようには見えないが」


「問題ない、寧ろ……毒沼だからこそ、手に入る物があるんだよ」


 ペリグロッソは、直ぐに全軍に対して目的地の一時変更を命令する。


 獣人達には、【シスイ】で使用したマスクが装備され、人間側にも同様にマスクが装備される。


 半日を全力で進み、夜が更け始める頃、目的地の詳細が語られる。


 バルメルム大陸の広大な森の一部に、シスイと繋がる水源が存在する。

 毒水でありながら、草花は美しく育ち、森林には動物すら生息している。


 その森の名は──【フェルドルム大樹海】


 リアナ王国が進入禁止地区に指定している未知の秘境である。


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