傭兵団×闇と光×増えすぎた歯車……6
城内での話し合いが終わると、キャトルフはその後の軍事に関する会合を無視する形で【ミストエル】へと急ぎ帰還する。
ナザナ兄妹の死を知り、キャトルフは悲しみを心に刻む。
キャトルフがミストエルに帰還した頃には、埋葬が終わり、静かな墓地に真新しい墓石が真実であると告げるように二つ存在する。
「なんだよ……本当に、逝っちまったのか……くそ、すまない……」
謝罪の言葉を口にするその姿に周りに居た者達も涙を流す。
兄妹に別れを告げるとキャトルフはミストエルにいる黒猫の団員達を一ヶ所に集めるように指示を出す。
広場に数百人の団員達が集まり、キャトルフが口を開くその瞬間を待つ。
「皆、よく集まってくれた。感謝する。今回の同胞の死を悲しみで終わらせて為らない、恨みで終わらせても為らない。誰もが笑える世界を取り戻す! 増えすぎた歯車は要らぬ動きをするだろう……其れを正す!」
その言葉に団員達は固唾を飲んだ。
「黒猫は【獣帝国ガルシャナ】並びに【新リアナ王国】と同盟を組む事になるだろう、恨みを捨てよ! 本来の黒猫の役目を果たす時がきたんだ」
複雑な表情を浮かべる団員達、そんな中、コルト村から逃げてきた子供達が質問を問いかける。
「皆が幸せになる世界が出来るの?」
「違うよ、悪い奴がいない世界になるんだよ。きっと」
キャトルフと団員達は、優しく微笑みを浮かべる。
「そうだな。そんな世界にしたいと俺も思う」
黒猫の団はバルムルム大陸を正常に戻すべく戦う事を決める。
獣帝国ガルシャナの城に残り会合に参加した風薙は、会合でも同様にリアナ王国側に向かう準備を早急に進める事で同意した事実を帰還後に伝えた。
黒猫と獣帝国の仮同盟が動き出すのは、この日より四日後の事であった。
獣帝国ガルシャナ軍の指揮は総大将──サンジャラム=ペリグロッソ。
黒猫の団はアルベルム=キャトルフとなる。
国境に終結する大部隊、黒猫の参加である傭兵団と散り散りになっていた多くの団員達がミストエルに集まりだし、物々しい雰囲気を放ちながら、国境の扉が開かれた。




