表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/183

新たな風×三勢力×二国の意思……5

 ペリグロッソに不敵な笑みを浮かべながら、二人の獣人が部下達を展開させる。


「悪いな、将軍……だが、ガルシャナの為に働いている事実は変わらないだろ?」


「ふん、良い子ちゃんぶるんじゃないよ。裏切る、裏切らないなんて、傭兵である私達には関係ないさ。金払いがいい方につくのが道理さ!」


 二人の獣人の言葉にペリグロッソは拳を握り締める。


「お前達……それが答えなのだな……」


 ペリグロッソの問に関して頷く二人の獣人。


 一人は“巨岩(きょがん)傭兵団”の団長──エレドリオ=ホーン。


 誰よりも大きな巨体と二本の角が生えたバイソンの獣人。

 傭兵団である巨岩の団長であり、鍛え上げられた肉体と真っ赤な瞳は強者の威厳すら感じさせる。

 背中には巨大なシールドを装備し、手には刃が装着された鋼鉄のナックルを装備している。


 もう一人は“空雷(くうらい)傭兵団”の団長──リア=バレル。


 鳥を思わせる鉤爪の足、美しい容姿、それに似つかわしくない鋭い目付きをした女の獣人。

 手は羽と腕が合わさった様な形となっている。

 腰には鞭と複数のナイフを装備しており、両手を自由に使う為であろうノースリーブの服を着ており、豊満な胸元を軽く晒すように服を乱して着こなしている。


「すまないな、将軍。俺達はあくまでも獣帝国ガルシャナの為に動かねばならない。軍部の要請よりも、獣帝陛下の勅命を優先せねばならない……すまない」


 エレドリオ=ホーンが申し訳なさそうに謝罪を口にした。


 その言葉に溜め息を吐きながら、リア=バレルが口を開く。


「黙んなよ! 金も受け取ったんだ……割りきらないと私達が後悔することになるんだよ! ペリグロッソ将軍……私達は帝国側からの要請に従う事になったんだ……」


 ペリグロッソは軽く頷く。


「それは理解した。他の連中はどうした!」


 “他の連中”……ペリグロッソは“巨岩”と“空雷”以外の傭兵団を指して質問をした。


 質問に対して、エレドリオが口を開く。


「他の連中も俺達と同様だ。今……“浪牙”の元に向かっている。浪牙は城を離れていた、その為、話が通じるかわからぬが……」


 残り三つの傭兵団が傭兵団“浪牙”の元に向けられた事実を知り、焦るペリグロッソ。


 しかし、それを聞いたキャトルフは少し考えて見せると、風薙に叫び掛ける。


「なぁ! シャノワは大丈夫だろうか、他の浪牙の連中は【ミストエル】にも、攻撃すると思うか?」


「さぁな? でも、もし……【ミストエル】に攻撃を仕掛けると……死人が出るだろうな……まぁ、町の連中が怪我したら……ガルシャナに団員が乗り込んで来るだろうな?」


 二人の会話を聞いたリアは苛立ちながら、声をあらげる。


「はっ? 頭、可笑しいの? 黒猫だっけ? 噂ばかりで、人間側の国でのみ働く、弱者のみに力をぶつける自己満足集団が、嘗めてんじゃないわよ!」


 風薙はその言葉に対して鼻で笑って見せる。


「頭が可笑しいか……力量も戦力も未知数の相手を軽視する……頭の中まで鳥その物だな……滑稽だな」


「テメェッ!」


 凄まじい勢いで風薙に掴み掛かろうとするリア。


 その瞬間、風薙が双剣を握り振り上げる。


「バカがッ! フンッ!」


 エレドリオが慌ててリアの(えり)を掴み、後ろに引く。


 リアの顔面のスレスレを二本の刃が通り抜けていく。


 誰の目にも明らかな斬撃、それは命すら刈り取ろうとする死神の刃であり、リアは恐怖を静かにその身に刻んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ