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帝都×浪牙×交渉……2

「なんと言うか、物々しい雰囲気だな?」


「当たり前だ。俺達【浪牙】は帝都防衛の為に国境付近を任されてるんだからな」


 キャトルフはシャノワと会話をする中で、疑問を口にする。


「“浪牙は国境付近を”と言ったな? 他にも【ガルシャナ】は傭兵を雇っているのか?」


「そうだな、少なくとも獣人の傭兵団が俺達を含めて6つ雇われてる」


 6つの傭兵団が雇われている事実を知り、キャトルフは悩むように目を瞑る。


「なぁ、颯彌? 幾ら何でもおかしくないか?」


「だねぇ、幾ら何でも獣帝国が傭兵を其処まで雇うとか、なんかありそうだな」


 シャノワは二人の会話を聞き、クスクスと笑い出す。

 それから、獣帝国の内情を軽く説明した。


 【獣帝国ガルシャナ】でも、獣帝であるジャルバノ=サラバンに死期が迫りつつあり、跡目争(あとめあらそ)いが起きていた。

 獣帝の血を引く者達が互いに派閥(はばつ)を作り、帝国内は三分割(さんぶんかつ)される形となっていた。


 第一王位継承権を持つ、ジャルバノ=ガーレン。


 第二王位継承権を持つ、ジャルバノ=ドレイク。


 現獣帝派軍部総帥──サンジャラム=ペリグロッソ。


 三つの勢力に別れた【獣帝国ガルシャナ】は【リアナ王国】と同じ道を歩もうとしていた。


 第一王位継承権を有するジャルバノ=ガーレンは、弟であり、二王位継承権を有するジャルバノ=ドレイクが獣帝と成ることを恐れたのだ。


 野心に囚われたガーレンは弟であるドレイクの暗殺を考え、兄の野心に気づき身を隠す事となった。


 しかし、ガーレンはその野心を軍部増強に向ける事で軍部その物を内部から分断する事となる。


 ガーレン派は、軍部の過半数を手中にしたのだ。


 ドレイクはガーレン反対派の力を借りる事で軍部以外の政治的勢力により、その身を保護される。


 ドレイクを獣帝にする事でその力を最大に利用しようと考える政治勢力派。


 現軍部反対派の集まるガーレン派。


 サンジャラム=ペリグロッソを信頼し、傭兵団すらも戦力とし、ガーレン派に対抗する現軍部派。


 三つの勢力が現在、三竦(さんすく)みの状態になっている。


 シャノワ率いる“浪牙の団”はサンジャラム=ペリグロッソ派に属しており、他の五つの傭兵団も同様に現軍部派に雇われる形となっていた。


 黒猫の団を同様に勧誘するように話を進めるシャノワ。


 話を聞きながらキャトルフは軽く頷くと、真っ直ぐに帝都の方角を見つめる。


「話は理解した。直ぐに俺達は獣帝であるジャルバノ=サラバンに会わねばならないらしいな」


 キャトルフの言葉に“浪牙の団”の面々が視線を向ける。

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