帝都×浪牙×交渉……1
コルト村の村人達は新たな故郷を手にした。
新たな風がミストエルを吹き抜ける。
黒猫の団は、ミストエルの防衛を最重要とし、防衛を強める。
その間に、アルベルム=キャトルフは団長としての責務を果たさんと人員を選択する。
【獣帝国ガルシャナ】に向かうメンバーが決まる。
団長──アルベルム=キャトルフ。
副団長──風薙=颯彌。
回復師──スラド=ゲルダ。
後方支援大隊隊長──モルガ=グレイヴ。
獣戦士隊特攻隊長──アルガノ=カヤン。
獣戦士特攻隊索敵部隊長──シシリア=リース。
六名が獣帝──ジャルバノ=サラバンの元へと赴く事になる。
50年前の戦争は帝都を大きく移動させており、前戦争から帝国もまた、多くの教訓を学ぶ事となった。
帝都──ジャルメル。
国境の町であるミストエルから、四日程の位置に存在する。
急ぎ準備を整え、夜中にミストエルを後にするキャトルフ一行。
真夜中の森を進む一行、月明かりが森を照らす。
静けさに包まれた森の中、微かなざわめきが木々を踊らせる。
「団長、前方と右斜め後方に誰かいますね」
「甘いぞシシリア? 他にもその更に後方に待機してる者がおるぞ」
シシリアとグレイヴが森に潜む存在に気づき、報告する。
「わかった。だが、簡単な事だ。此方に戦闘の意思は無い! 土足で踏みいってすまない! 俺達は黒猫だ!」
真夜中の森に響いたキャトルフの声、それに反応するように一人の獣人が暗闇から姿を現す。
「本当に黒猫なのか? しかも、団長自ら、わざわざ、こんな時に来やがって……」
「なんだ、シャノワか?」
「なんだ、じゃねぇよ? ピリピリした今の現状に招かれざる客って奴だぜ?」
姿を現した狼の獣人、シャノワ=グランドール。
【獣帝国ガルシャナ】の傭兵団【浪牙】の団長である。
【黒猫の団】と【浪牙】は兄弟の盃を交わしている。
二人の団長が顔を見合わせ会話が始まると、浪牙の団員達が姿を現す。
「今回、浪牙は帝国に雇われてるんだ。皇帝に会いたいなら、先ずは俺らに話を通して貰うぞ?」
「相変わらず、抜け目ないな……だが、今回は急ぎだ。頼めないか?」
「チッ、はいはい……仕方ないな。取り敢えず、近くに俺達の拠点がある。話はそれからだ」
キャトルフ達はそれを了解し、浪牙の拠点へと向かう。
拠点は小さな廃村となっており、牙浪の団員達が集結していた。




