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獣帝国ガルシャナ×国王テイル×王の決断……6

 【シスイ】へと村人を入れる前にキャトルフとグリムの二名が安全の確認の為、先行する。


 法律と監獄の街として知られた其所は既に無人の街へと姿を変えていた。


 毒の霧に包まれた市街地、物音一つしない住宅街。


 至る所から死臭がしているであろう其れをマスクが遮断し、何事も無かったかのように無人の街を思わせる静けさを作り出していた。


「団長、先に来て正解っすね、そうじゃなかったら、子供達に良くないものを見せるところだったっす」


「だな、まさか……逃げずにいた連中がこんなにいたなんて……グリム、何とか出来るか

?」


 グリムは魔石(アーティファクト)を発動させると、大量のアンデッド達が姿を現す。

 【シスイ】を抜ける最短ルートに転がる屍を一斉に集めだし、積み上げていく。


 幾つかの屍の塊が出来上がるとグリムは其れを魔石(アーティファクト)に吸収していく。


 更にアンデッド達は最短ルートに置かれた瓦礫や馬車といった障害物と道を塞ぐそれらを全て除去する。


 二時間程の時間を掛けて、第五の関所、【シスイ】が完全に通過できる状態になる。


 出口側には、キャトルフを待つ者がいた。


「待っておりました。団長。足りないマスクも此方に用意しております。持っていってください」


「相変わらずの早さだな」


「はい。後方支援部隊は、素早さと的確さが命ですので」


 キャトルフとグリムを出迎えたのは、後方支援大隊、隊長──モルガ=グレイヴであった。


 全てを悟ったように用意されたマスクと数台の馬車、そして、待機させていた黒猫の団員達の姿がそこにあった。


「団長、一度に皆を誘導した方が安全でしょう、さあッ! 急ぎ、団長の保護された村人達を【ミストエル】へ!」


「「「オオォォ──ォォウッ!」」」


 モルガ=グレイヴ、黒猫の団を支える後方支援大隊の隊長であり、部下は慕われる存在である。

 所持する魔石(アーティファクト)は木々の声を翻訳し、会話を可能とすると言う物であり、契約を結ぶ事で木々の見ている物や音すら把握すると言う物であった。


 村人達は安全に【シスイ】を抜けるとその先には霧に包まれた国境が姿を現す。


 まるで巨大な城壁のような国境の壁、ただならぬ威圧感を放っている。


 壁づたいを進むと巨大な門が姿を現す。


 グレイヴは門に向けて、小さな笛を吹く。


 村人は不思議そうに音の鳴らぬ笛を吹くグレイヴを見つめる。


 しかし、その途端、門が地響きをあげるように開き出す。


 厚みのある石で出来た門の扉が開くと、多くの人影が姿を現す。


 村人達は目の前の光景に唖然とする。


 国境と門は霧に包まれていたにも関わらず、門の先には霧など存在していなかったのだ。


 その不思議な光景に村人達は恐る恐る門を潜る。

 子供達は大人達と違い、霧に入ったり出たりと楽しそうに笑みすら浮かべていた。


 門の先には既に整列した黒猫の団員達の姿があり、アルベルム=キャトルフが姿を現すと歓喜に包まれた。


「団長! 心配しやした」

「副団長、リアナ王国が破れたと聞き、焦りましたよ」

「団長、隊長方、お帰りなさい」

「皆も無事で何よりです団長!」


 笑い声と歓喜に涙する者、多くの者達が黒猫の団、団長、隊長各の帰還を喜んだのだ。


 キャトルフは一旦、騒ぎを落ち着かせると、【新リアナ王国】、新国家【グレストロ】、【ウォルベア】の聖職者協会について団員達に説明したいと口にする。


 村人達の居住区への案内が終わり次第話し合いをしたいと伝えたのであった。

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