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五精神×力ある者達×霧の国……6

 テイル軍の背後から重装備の獣人部隊と魔石(アーティファクト)を装備した後衛攻撃を目的とした部隊が姿を現す。


 獣人部隊の先頭には総大将と直属の部下であろう将軍達が堂々たる姿でテイル軍を睨み付ける。


 【獣帝国ガルシャナ】総大将──サンジャラム=ペリグロッソ。


 白虎の獣人で、気さくな性格でありながら、冷静な分析力と荒々しい好戦的な一面があり、ガルシャナが誇る帝国防衛部隊の総大将を任されている。

 防衛部隊の総大将を任される以前は敵国への進軍部隊の将軍をしており、帝国史上最強の狂戦士の呼び名を轟かせた。


「なんだ、なんだ? テイルと腰巾着軍団が【獣帝国ガルシャナ】を護ってやがるのか? まったく、身の振り方が下手な奴だなぁ……」


 ペリグロッソの声に“クスクス”と言う笑い声が沸き上がる。


 天高く吹き飛ばされたテイルの部下達が獣人部隊にキャッチされ、地上に戻される。


「済まなかったな、テイル……それで……この場にお前が居るって事は、夢が現実になったのか?」


 軽く頷き、テイルは真っ直ぐにペリグロッソを見て口を開く。


「リアナ王国、三十八代国王──ダンベルム=リアナ=ディエルドは死んだ。今、侵略行為をしている連中も直ぐにやめさせる……皇帝、いや……獣帝──ジャルバノ=サラバン殿には、後に挨拶に伺う」


 ペリグロッソは不敵に笑みを浮かべると、鼻唄を歌いながら、テイルに返答する。


「ダメだ……」


 そう一言ペリグロッソが告げるとテイルと部下達を囲うように獣人部隊が円を地面に描く。


「今は亡き、異界の友が言っていた……“目には目を、歯には歯を”……命を摘み取ったのだから、命で償うが道理だろう。その場所ですべてを見届けろ、テイル……いいな」


 命の代価を命で(あがな)うものだと語り、テイル軍に対してその場を動くなと伝えた。逆を言えば、動けば敵として争うという意思を確りと告げた。


 テイルは理解していた。リアナ王国が犯した罪の重さとその対価は戦場の兵士だけで(おぎな)えない事実を……


「ま、待ってくる! ペリグロッソ、頼む……どちらかが滅ぶ必要はなくなったんだ……頼む」


 必死な叫びにペリグロッソは歩みを一度止め、振り向くと頷き、再度歩き出す。



「いくぞ、お前らッ! 侵入者の駆逐、並びに捕縛だ! 捕虜はキッチリ買い戻して貰うからな? リアナ王よ」


 その日、総ては終わる筈だった。しかし、リアナ王国、前国王であったダンベルム=リアナ=ディエルドは、テイルの予想だにしない戦力を【獣帝国ガルシャナ】に向けて既に向かわせていたのだ。


 そう、聖職者(プリースト)協会の聖騎士団、三千騎と自然五精神に見初(みそ)められた巫女騎士のうち、三名がリアナ王国に勝利を(もたら)す為、国境まで到着していたのだ。


「ふむ? リアナ王国軍が優勢だな。我々、聖職者協会の聖騎士にまで、出陣の要請が来たと言うから急ぎ来てみて損をしたねぇ?」


 そう呟く、司令官のような男。


「まあ、義理を果たしましょう。神の力を今の世に再度知らしめる絶好の機会ですからねぇ」


 国王の死を知らぬ聖騎士団と三名の巫女は戦場に足を踏み入れたのであった。

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