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五精神×力ある者達×霧の国……5

 刹那……ダンベルム=リアナ=ディエルド背後から腹部を焼き尽くすような激しい痛みが駆け巡る。


「ぐぁ……! 貴様……」


「愚かなる父上……貴方は世界と言う野心に羽ばたくべきではなかった……」


 テイルは背後から貫いた剣を抜くと父であるディエルドを床に寝かせる。


 床に引かれたカーペットが真っ赤に染まり、呼吸を荒くするディエルドに最後の別れを告げる。


「はぁ、はぁ、はぁ……死にたくない……死にたく……」


「終わりです……父上……来世では、普通の親子として再会したいと願います」


 短刀を握り、力強く首もとに刃先を押し当てる。


 ディエルドは叫び声を圧し殺すように飲み込むと、その生涯を終えたのだ。


「父上……リアナ王国、国王として、立派な最後でありました……」


 歯を食い縛るように呟かれた言葉、テイルは自身のマントをディエルドに被せると立ち上がる。


「いくぞ! この忌まわしき戦争を終わらせる!」


「はっ!」


 見張りであった兵士と共に戦場に向けて移動するテイル。


 臨時拠点の中を進むテイルの背後には多くの兵士達が歩みを揃えていく。


 最初から決まっていた運命を呪うように臨時拠点の外に出るテイル。


 外に出たテイルを待ち構える武装した兵士達、隊長であろう一人の女騎士が一歩前に出る。


「ダンベルム=テイル様……」


「うん。全員静まれッ! 父であるリアナ王国、三十八代国王──“ダンベルム=リアナ=ディエルド”は死んだ! 今より私は、リアナ王国、三十九代国王──ダンベルム=リアナ=テイルを名乗る! よいな!」


「「「「オオォォ──ォォォオオッ!」」」」


 一斉に歓喜にわく兵士達、女騎士は嬉しそうに笑みを浮かべる。


「陛下、おめでとう御座います」


 女騎士の名はクエムリナ=クーデリオン。後のダンベルム=リアナ=クーデリオン、ダンベルム=リアナ=テイルの妻となる女性である。


「陛下、直ぐに前線に向かいます。陛下は此のまま待機していて下さい」


「駄目だ。私も出向く。背中を預けるのでそのつもりで頼むよ」


「はい!」


 テイルは即座に前線に駆け出していく。


 国境付近で不正を働くリアナ王国軍の兵士に対しては、攻撃対象とし、女、子供を含む獣人の解放を指示したのだ。


 増援と考えていたリアナ王国軍は、即座にテイル率いる大部隊が別組織であると気づき、応戦するが統率されたテイル指揮の軍を前に敗退し、一直線に【獣帝国ガルシャナ】を目指すテイル軍により、戦場が一気に分断されていく。


 テイル軍は、助けた獣人達を護衛しつつ【獣帝国ガルシャナ】を目の前に停止すると陣を構えたのだ。


「今より、我々は【獣帝国ガルシャナ】を防衛する。獣人への攻撃を一切禁止とし、攻撃された際にはその場を離れよ! 拘束された際には必ず助ける! よいな!」


 本来ならば、有り得ない命令であったが、誰一人として、逆らう者はいなかった。


 獣人達は【獣帝国ガルシャナ】を守るリアナ王国軍の姿に動揺する。


 その時、凄まじい突風がテイル軍に襲い掛かる。


「うわぁ!」


 兵士達が突風に煽られる最中、姿を現したのは、前線で奮闘していた獣人兵とは明らかに違った雰囲気を醸し出す集団が姿を現す。


「お、やっとお出ましか」


 テイルは微かに笑ってみせた。

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