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水の都ウォルベア×聖職者協会×真の闇……4

 キャトルフは、一部始終を目の当たりにしていた村人達に確りとした大声をあげる。


「俺達は黒猫の団、()()()()()の傭兵だ!」


 救われたと考え、笑みを浮かべていた村人達の表情は沈み、誰もが家の扉を固く閉ざした。

 木の板一枚先からは、無情に悲しむ失意の声が叫ばれる。


 罪悪感にも似た複雑な感情がキャトルフに襲い掛かる。


 しかし、キャトルフは表情を(かたく)なに崩さず、団員と共に倒れた男達を村の外へと運んでいく。


「迷惑を掛けたな……」


 そう告げ、歩き出す、キャトルフに向かって少年が小さな石が投げつける。


 咄嗟に動こうとする団員にキャトルフと風薙が同時に小声で呟く。


「動くな」

「動くなよぅ」


 石はキャトルフの額に命中し、流血する。しかし、一切、気にする素振りは見せず、キャトルフと黒猫の団は気絶した男達達を連れて村を後にしたのだった。


 村から離れた鬱蒼とした森の中、男達は目を覚ます。

 口は塞がれていないが、体の自由は奪われ、武器は取り外された状態で地面に転がされている。


「なんだ、これ……!」


 キャトルフはそんな男達に冷たい視線を向けると一言「此処なら構わない、殺れ!」と口にする。


「ま、まて! 待ってくれ! 俺達はリアナ王国軍の……」


 男達は直ぐに理解すると声を荒げて助けを呼ぶが誰も助けに来ることはない。


「最後に言い知らせを聞かせてやる」


 キャトルフは静かにそう呟いた。


 最後の言葉に男達は、固唾を飲む。


 現状はリアナ王国のあった王都【エルドルメ】には、クーデターを成功させた大臣派の作り出した新国家【グレストロ】が存在している。


 旧リアナ王国は、第三の関所であったラタナ要塞を王都とした新リアナ王国となっている。


 新国家【グレストロ】は多くの領地を手にしており、食糧と共に旧リアナ王国の資源であった鉱山すらも、新国家【グレストロ】の物となっていた。


 旧リアナ王国は、第二の関所──食糧と武器の街──【ガドロヌ】が戦場となった事により、多くの食糧を略奪する形となっており、不安に包まれている。


 そんな中、新国家【グレストロ】は裏で【ウォルベア】の聖職者協会と繋がっている事実をキャトルフは男達に伝えたのだ。


 元傭兵団【(スキア)】のメンバーである。ヤハナ=シャナはキャトルフにその事実を入団の際に伝えていたのだ。


「お前達が、あの場で俺達に殺されていれば、【ウォルベア(聖職者協会)】は直ぐに【グレストロ】と共にラタナ要塞に攻めいった事だろう……」


 キャトルフの言葉に理解できないと言う表情を浮かべる。


「俺達、黒猫の存在が、新国家【グレストロ】と【聖職者協会】の牽制になっているんだよ。理解できたか?」


 黒猫の団の力は多くの国々が注目する巨大な戦力として把握されており、新国家である【グレストロ】は其れを危惧し、動きを窺っていたのだ。


 現リアナ王国(ラタナ要塞)は敵と成りうる存在に挟まれる形となっております、其れを更に挟み込むように黒猫の団の本拠地が存在していたのである。

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