獣狩り×闇に埋もれし者×命の価値……6
慌てて駆け出したキャトルフの脳裏に最悪の状況ばかりが連想される。
闇雲に魔石を探す姿に、黙っていられなくなったシシリアがある提案を口にする。
「アルベルム団長、探してる魔石の形がわからない以上、一つ、一つ確かめるしかないのは、わかります、ですが言いやり方とは言えません」
シシリアはアルガノに頼み、魔石を共鳴させる。
魔石を使う際、使用者と魔石をリンクさせる必要がある。
完全にリンクした際には、全ての能力が引き出される。反対にリンク率が低ければ本来の能力を引き出すことが出来ない。
シシリアがアルガノに行わせたのは “外部リンク” 離れた場所から魔石の位置を探る手段の一つである。
しかし、外部リンクには、欠陥が存在する。同系列の魔石が存在した場合に使用者を求め共鳴してしまうのだ。
同系列同士が戦闘を行い、片方が逃亡しても直ぐに見つけられるなど、応用はきくが、欠陥と言ってしかるべきものだ。
シシリアの提案に不機嫌そうな表情を浮かべるアルガノ。
「マスターの為だから……でも、ボクはカルミナって嫌いだ、ふん!」
アルガノと同様に風薙が共鳴に参加すると二系統の魔石が地面で輝きだす。
素早くそれを回収すると次に余った魔石にシシリアが索敵を行う。
グラウドの魔石は【呪縛】や【操作】と言った継続系である事実から活動している物を探していく。
「アルガノ、風薙、シシリア、本当にすまない、感謝する」
風薙は、どや顔を確りと浮かべると微笑みを作り笑った。
アルガノは不機嫌そうでありながら、キャトルフの言葉に嬉しそうに頬を染めた。
「アルベルム団長、この一件が終わりましたら、確りとカルナ=カルミナさんの紹介と出会いについて、詳しくお願いしますね。今回は黒猫として、動いていますので、それを報酬とさせて頂きます」
堂々と口にされた報酬にキャトルフは、少々驚いた素振りを見せるも、確りと納得した事を首を縦に振りあらわした。
皆の協力が実を結び、グラウドの魔石が発見される。
指輪から外れた小さな塊に対して、キャトルフがリンクしようとするも、リンクは重ならず、更にアルガノや、シシリアが試すもグラウドの魔石は反応すらしなかったのである。
キャトルフは途方にくれた。グラウドの呪縛が解除出来なければ、カルミナの命が危うくなる。しかし、目の前に存在する魔石は、グラウド以外の使用を認めようとはせず、黒猫の団を拒んだのだ。
「クソ、何故だ! 目の前にあるのに……救える筈のカルミナを救えないのか!」
苛立ちを口にするキャトルフに対して、戒めるように老婆が声を掛ける。
「苛立ちは、冷静さを無くし、全ての真実を曇らせるよ……いいから私に貸してみな」
黒猫の団、回復師を任されているスラド=ゲルダが微笑みながら声を掛ける。
「大切なのは、魔石にも意思があるんだよ。アルベルム」




