最古の歴史×二人の支配者×滅びし者……4
アストゥトが自身の名を人外の王に伝える。その直後、苦しむように顔面を両手で押さえる人外の王の姿があった。
眼からは真っ赤な涙が流れ、全身から流血が始まる。
そんな悶え苦しむ人外の王を前にアストゥトは笑みを浮かべたのだ。
「さあ、説明タイムといこうか……君の魂の契約は君の子に受け継がれていく事になる。素晴らしい力を我が子に託せるんだ? 素晴らしいだろう?」
「ふ、ふざけるな……こんな痛みを我が子に与える親がいるわけないだろ……」
苦しみながら、そう告げる人外の王。
「いえいえ、それが大丈夫なんですよね……痛みは私の考えに逆らった際のみですから……次にどうしてこうなったのかを説明しましょう……貴方には知る権利がありますからねぇ」
アストゥトはそのまま、語り続けた。
天界神と呼ばれる存在は長く世界を見守る事が役目としていた。
時には秩序を与え、時には目に余る行動に罰という名の天変地異をもたらしていた。
そんな天界神達にも異端の者は存在する。
異端の天界神は地上の光景に退屈したと言う理由で力を与えられる存在を異世界から強制的に転移させ始めたのだ。
それは退屈していた数多の天界神がゲームを楽しむように異世界人が放り込まれていく最中、多くの争いが始まるように世界が流れ、今に至るとアストゥトは笑ったのだ。
時間が流れていき、天界神達の中にも意見が別れ始める。
そんな時、天界神同士で争いが勃発する。
そして、アストゥトは自らが天界神の一人を殺めたのだ。
殺めた天界神は人外の王を転移させた存在であり、所有権を奪い取ったのである。
アストゥト自身は異世界から、転移者を呼び出す事は出来なかった。しかし、アストゥトは魂の固定と継続をさせる力を有していた。
「わかりますか……人外の王とは、私の大切な駒であり、これから始まるゲームの優勝候補なんですよ……あ、因みに否定の王も天界神の一人が、反抗的に作り出した存在です……本当に神の名を貰いながら、貪欲になったものですね」
話が終わり、人外の王はアストゥトの盟約の意味を知る。
人外の王は、力を手にする代わりに自身の心と魂奪われたのだ。
人族の王と人外の王の戦争が始まる。
平和を求めた筈の人外の王は真っ赤な返り血を浴び、人外の王自らの血と混ざり合い、全身を染めた。
そして争いが激化する最中、アストゥトの思い通り、人外の王は否定の王とがぶつかり合う。
本来ならば、それですべてが終わる筈であった。
しかし、結果は人外の王の命を掛けた最後の一撃により、否定の王と相討ちとなる。
否定の王は魔石に姿を変え、人外の王の力は次の魂に定着する事となる。
そんな事が歴史が変わる度に起こると天界神達の間でも、人外の王の魂と否定の王が勝つのかを見守るようになっていく。
次の変化はすぐに起きる。人外の王の魂が定着した娘が否定の王と渡り合い、否定の王がかろうじで相討ちとなる。
それに対して天界神達は新たなルールを作り出す。
否定の王は、人外の王が女性として生まれた際にのみ、力を解放される事となり、その際、否定の王の力を使ったのはアルベルムの一族であり、その後、互いに争うように運命を作り替えていったのだ。




