三種の狂者×力ある者×紅の世界……1
シェルビー=ムガナが命を賭けて勝利もたらした直後、同じく別のホールに分断された獣帝国軍とエルイの民がキャトルフ達と合理するべく激しい戦いを繰り広げていた。
ペリグロッソとシュゲンを筆頭に激戦が繰り広げてられていた。
最初こそ、蜘蛛、蝙蝠、蛇といった物が対象であったが、死骸が集まりだし徐々に巨大化していく。
三匹は魔物であり、次第に死骸を吸収する。
巨大化したことにより、攻撃は当てやすくなっていた。しかし、魔物からの攻撃も強力になっていく。
蜘蛛は巨大化する事でスピードを上げ、更にカルミナの糸に匹敵する強度の糸へと自身の糸を変化させた。
蝙蝠は空を自由に飛びながら超音波を放ち、風を巻き起こす。
蛇は全身の筋肉を更に強化し、打撃力と
防御力を上げ、次第に体の長さが変化していく。
そんな戦闘をひたすらに繰り返し各二匹づつにまで減らしていく。
既に生物達が追加されない状況を見越して、攻撃を開始する。
一匹、一匹に激しく攻撃していく。
ペリグロッソは大蛇となった二匹の蛇を相手に剣を振るう。
シュゲンは巨大化した蝙蝠二匹を相手に余裕を見せての勝利する。
蜘蛛に関しても獣帝国兵とエルイの民により次々に駆逐されていく。
三種類の魔物が一体ずつになると変化は更に現れ出した。
三種類の魔物と三種類の死骸が同属同士で重なり紫がかった球体へと変化する。
「なんなんだ此は! 先程からの変異とは異なるが……」
ペリグロッソはそう呟くと自身の剣を力強く握り直し、勢いよく斬り掛かる。
その瞬間、剣を掴むように腕が球体から出現し、ペリグロッソの放った刃を受け止めた。
その瞬間、凄まじい殺気が球体から染みだし、ペリグロッソ、シュゲン、そして他の兵達が距離をとる。
そして、剣を掴んだまま、一つの球体が煙に変化すると中から男が姿を現す。
「剣でいきなり斬りつけるなど、本当に人間とは野蛮……まあ、それもまた人間たる証しであるか……」
球体から姿を現した男はそう言うと、ペリグロッソに向けて剣を放り投げる。
「我輩とした事が失礼した。自己紹介が未だであったな……我輩はドルベルド伯爵、最古の賢者に力を預けしヴァンパイアであ~る」
白い生気のない肌に真っ赤な瞳、黒いタキシードのような服を纏い鋭い牙を見せるように笑みを浮かべる。
心臓部分に当てられた手には鋭い爪が不気味に輝く。
シュゲンが“ドルベルド伯爵”と言う名を聞き即座に反応する。
「ヴァンパイアじゃと、それが本当ならば、ちと、厄介な相手じゃな……況してや伯爵などと……」
混乱するペリグロッソはシュゲンに向けて質問を投げ掛ける。
「どういう事だ、あの男の語るヴァンパイアとは、どのような種族だ?」
「ヴァンパイアとは、闇の王国が世界に存在していた時代の古代種族じゃ……厄介なのは、奴等は人間と同じく位があり、伯爵は、かなり上位の位であると言う事実は人間と一緒じゃと言うことじゃ」
シュゲンの説明にドルベルド伯爵が不敵に笑みを浮かべる。




