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疑心暗鬼×信じる心×奪われた信頼……5

 “一日戦争”と呼ばれる程、早急に勝利を納めた【ストレア】での攻防戦。


 獣帝国軍からは重軽傷者が多くでる事となった。

 二国兵団であるアバン王国、マカルデア帝国からも犠牲が生まれており、避けられない犠牲であった事実を皆が噛み締める。


 早期終結の切っ掛けは地下水路から内部【ストレア】内部に侵入したシュゲン達が人質となっていた住民が既に虐殺されている事実を知り、その事実を大空に信号弾を打ち上げる事で外に知らせたからであった。


 【ストレア】内部を手薄にし、人質となっている住民を一人でも多く助ける事を目的としていた戦い方は一変する。


 信号弾はマカルデア帝国が作った物であり、四色の信号弾がシュゲン達に出陣前に渡されていた。


 青……人質の救出成功。


 緑……人質の一部を救出成功。


 黒……救出失敗。


 赤……人質の生存無し。


 空に上がった真っ赤な信号弾を前に皆が現実を受け入れると、人質を気遣っていた戦いから一変して、修羅のような刃を敵に向けて斬りつける。


 人質の中には多くの親子の存在も確認されており、女、子供を容赦なく惨殺したと言う事実を知ると新王帝連合の戦士達は怒りを露にする。


 犠牲の大半が、囮となった際の怪我であり、本来の戦い方に戻った途端、グレストロ軍では太刀打ち出来ない獣戦士の波が【ストレア】へと押し入ったのだ。


 必死のグレストロ軍からの抵抗も意味はなさず、多くの獣戦士達が敵であるグレストロ軍を切り刻んで進んでいく。


 正面、右舷、左舷、内部、次々に新王帝連合が【ストレア】を制圧していく。


 市街地であった場所に山積みにされた住民達の亡骸は余りに惨く、数多の戦場を勝ち抜いてきた黒猫の団ですら吐き気を催す者がでる程であった。


 本来ならば、その勢いで新国家グレストロまで突き進む筈であったが幼子達の炎に包まれた骸を前にライム女王が「時間が欲しい」と口にする。


 骸を悲しい瞳で見つめるライム女王の姿に皆が胸を痛めていた。


 暫しの黙祷(もくとう)が終わると、ライム女王は静かに皆に頭を下げる。


「皆様、我儘を聞いていただき、ありがとうございます。私の大切な民達に感謝と謝罪をしたかったのです……私の民でいてくれて、ありがとう……こんな事になってしまい申し訳ありません」


 全ての戦場で祈りを捧げるライム女王の姿に皆が、心を痛めていた。


 本来の戦う理由を理解しながらも、同国くに生まれ者達が戦う現実は余りに残酷すぎると事実を噛み砕くように歯を食い縛る者もいた。

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