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疑心暗鬼×信じる心×奪われた信頼……4

 グレストロ軍側から見れば、【ウォルベア】攻防戦で新王帝連合(旧四勢力連合)が見せた布陣に類似しており、正面に本体、左右に本体と同等の人員を配置する事で対抗しようとしていた。


 しかし、其こそが今回の布陣の狙いであった。


 右舷を獣帝国ガルシャナ軍が勇ましい掛け声と共に駆けていく。


「うおぉぉッ! 敵を残すなッ! 情は要らぬ、本来の忌むべき者達を一人残らず帝国の旗印の前に、奴等の首を並べよッ!」


「「「ウオォォッ!」」」


 地響きをあげる獣戦士の突撃、それに対して応戦しようと防壁から放たれる砲撃。


 そんな砲弾は余りに不慣れで頼りない命中制度であった。


 本来は長い時間を掛けて学んだ砲撃手が存在する筈であったが、グレストロ側についた兵の中に其ほどの砲撃手は存在していなかったのである。


 次々に砲弾を躱しながら獣帝国軍は砲台の位置を確認する。


 確認した先に慌てて砲弾を装填(そうてん)する兵士に対して確りと狙いを定めると、獣戦士達により槍が投げ放たれる。


 人間では決して命中どころか、防壁にすらとどかぬであろう荒業、しかし、それはまるで果実を貫くようにグレストロ兵を貫いていく。


 それを合図に獣帝国軍は一斉に小隊になり、各自で攻撃を開始する。


 グレストロ軍の大軍勢が右舷側で獣帝国軍とぶつかり合うように出陣すると、正面から移動を開始した黒猫の団から馬に跨がった百騎程の部隊が即座に駆けていく。


 獣帝国軍が気取(けど)られぬようにグレストロ軍を誘導すると、距離をはかり即座に反転させる。


 突然の反転により向かい合う形となった両軍、しかし、右舷の各所で戦闘が起きている現状で向かい合う形になろうとも、状況は変わらない。


 そんな拮抗した戦場に横槍の如く突っ込んでいく黒猫の団の姿が存在し次々にグレストロ軍の真横から食い破るように突撃が開始されていく。


「ギャアァァッ!」

「グアアァァッ!」


 勝利を前にして、いきなりの奇襲攻撃を受けたグレストロ軍は次々に分断されていき、それと同時に小隊になっていた獣帝国軍が一気に襲い掛かる。


 獣帝国軍は自らを(おとり)として、確実にグレストロ軍の戦力を殺ぐ作戦を実行したのだ。


 それは左舷側でも同様に起きていた。


 二国兵団であるアバン王国とマカルデア帝国も囮として行動していく。


 その結果、グレストロ側に甚大な被害が生まれていく事となる。


 左右に大きく軍を分断した結果、勝敗を左右するであろう中央の戦いにグレストロ軍は戦力を避けない状態になっていた。


 それを確認するようにキャトルフ指揮の黒猫の団が中央を一気に駆け抜けていく。


 第一の関所【ストレア】の防壁が次々に攻撃され、砲台が次第に破壊されていくと反撃の手が次第に弱まり始める。


 地下からは水路を通り、エルイの民達が進軍していく。


 そんな地下水路では、侵入者達を押し流すように凄まじい水が放流される。


 しかし、その行動はシュゲンの予想の範疇であり、水神の巫女であるミリアが全ての水を操り、逆に地上に押し戻す。


 地上に大量の水が放たれると雨が降り注ぐが如く【ストレア】の街を濡らしていく。


 次々に内部に門を撃ち破り、内部に侵入する新王帝連合の姿があり、右舷と左舷がほぼ同時に開け放たれる。


 中央からはキャトルフが前線を滑り、次々にグレストロ軍の首を切り落として進んでいく。


 アルガノとセラ率いる獣戦士特攻隊が正門に突撃し勢いと力に任せ、門に巨大な穴を開ける。


 三方向からの進軍を許した時点で勝負は決していた。


 その日、夕刻を待たずして、グレストロに奪われていた第一の関所【ストレア】が新王帝連合により奪還されたのですある。

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