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二国の王×ガドロヌ×進軍の先に……3

 各国が軍備の確認を急ぎ、一週間と言う時間の中で皆が一日でも早く出陣出来るように動きを見せていた。


 アルベルム=キャトルフと黒猫の団には、今回の【ガドロヌ】奪還戦において大きく戦果をあげた。

 それと同時に新王帝連合の内部では、黒猫の団への疲労を心配する声が上がっていた。


 リアナ王国の兵からも、ライム女王に対して、黒猫への恩賞を求める声が上がる。


 結果として、黒猫への休日を与えると言う意見が飛び交い各国を困らせていた。


 【ガドロヌ】の巨大な会議場の中にある個室、そんな場所に護衛を連れた二国の代表の姿があった。


「ペリグロッソ様、どうしたら、良いでしょうか……兵の声は理解していますが、素直に聞いてくれるような方々とも思えないのです」


 キャトルフ無しでの話し合いの席が作られる。


「落ち着きなさい、ライム女王。貴女が不安を顔に出せば、兵は即座に気づくでしょう、だが、あの義理の息子(バカ息子)が素直に聞かないのは事実だろう、()()()()にでも、儂から話そう」


 室内の話し合いが渋みを増す最中、二国の動きに気づいた者がいた。

 黒猫の団、獣戦士特攻隊──隊長、アルガノ=カヤンであった。


 アルガノの命令で密偵が送られる。


 送り込まれたのは、風薙直属の偵察部隊であった【鎌鼬】であった。


 秘密裏に探りを入れていた【鎌鼬】が帰還すると、話の内容をアルガノに報告する。


「……と、言う内容の話し合いをしておりました。団長と副団長にも報告を急ぎます」


「いや、動かないで、ボクの準備が終わってないし……皆が休日になると団長を誘えなくなる……」


「へ?」


「だから……この件を他言したら、ボクが直接、君に怒りを向けるよ」


 その瞬間、【鎌鼬】は顔を青ざめさせる。アルガノの瞳は冗談を一切断ち切った真剣な者となっていた。


「了、了解しました……他言は一切いたしません……」


「うん、なら帰っていいよ」


 話の内容を理解したアルガノは、即座に行動を開始する。


 遅かれ早かれ、ライム女王とペリグロッソから黒猫への休暇が伝えられる事は明確であった。


 アルガノは慌てて、シシリア、セラ、メルを呼び出す。


「何事ですか、アルガノ隊長?」


「隊長、極秘の任務でしょうか、必要なら直ぐに出陣しますが」


「てか、何で私が呼ばれてるんっすかね? 見た感じ、メルは必要ないように感じるんっすよね?」


 呼び出された三名は不思議そうに質問を口にする。

 そんな状況で、アルガノが少し照れくさそうに、口を開く。


「あ、あのさ、オシャレって……どうしたらいいかな……」


「へ?」

「ぬ?」

「おおぃ」


 頬を赤く染めながら、オシャレについて口にするアルガノ。


 それから直ぐに内容に気づいた三人は即座に行動する。


 最初に動き出したのは、商人であるメルであった。


 【ガドロヌ】に残された洋服屋の中から、更衣室が無事な店舗を探しだすと、移動を開始する。


「先ずは衣装合わせをしないとっすね。アルガノ隊長は赤いドレスがいいっすねぇ」


 アルガノとメルが二人で行動する最中、シシリアが周囲の警戒をする。


 警戒の目的は装備を外したアルガノが不安を感じないリラックスした状態で衣装を合わせられるようにと言う配慮であった。


 別行動をするセラは、アルガノが行う筈であった獣戦士特攻隊の軍備の確認を行い、本来の動きに支障がでないようにしていく。


 朝までに全てを整えて為に動く四人の乙女達、其れを知らぬキャトルフ、戦が続く新王帝連合の中で女の戦いが始まった。

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