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戦場の街×聖職者協会×優しい闇……3

 四勢力が【フェルドルム大樹海】を出発して【ウォルベア】に到着するまで約七日、双方ともに最大戦力を投じる事となる。


 七日間の間に聖職者協会からは、数多の聖騎士団が四勢力連合の戦力を削ろうと送られた。

 しかし、聖騎士団が帰還する事はなく、当日を迎える事となる。


 教皇は前線の指揮を司教の中で、戦闘に馴れていた元軍人のケルジ=ハンゼに一任する。


「ハンゼ司教、わかっていますね……貴方の勝利が【ウォルベア】の民を救う事になります。争いは不本意ですが、我々は既に……二つものオリジナルを失いました。これ以上の邪悪なる者達の進行を許してはなりません……いいですね」


「ハイ! ケルジ=ハンゼ、教皇聖下の為、【ウォルベア】の為に邪悪なる者達を見事に打ち負かせて御覧にいれます!」


 ケルジ=ハンゼ──三十代後半の聖職者と言うには逞しい肉体と顔に刻まれた古傷が印象的な屈強な男性である。

 普段は穏和で外見とのギャップから信徒達からも人気がある。

 【ウォルベア】の聖騎士団の中で剣を本気で学ぶ者達はケルジを師と呼ぶほどの剣の達人であり、元軍人である事実を嫌う者からは疎まれる存在でもある。


 そんな、ケルジ司教は自室に封印していた大剣の入った鍵付きのケースを取り出し、鍵を解錠する。


「わたしは、愚かなる存在やも知れない……争わず、人々を助けたいと考えたが、すべては幻想か……だが、やらねば……笑顔すら消える」


 覚悟に満ちたケルジの表情は既に聖職者の者ではなかった。


 聖職者協会側が防衛の準備を整える最中、【ウォルベア】に四勢力連合のリアナ王国から使者が送られる。


「教皇殿に渡すように頼まれた手紙を預かってきた」


 使者の存在にざわめく最中、聖職者協会は使者を捕らえると手紙を奪い取り、内容を確認する。


 内容は武力放棄ならびに無条件降伏と教皇の引き渡しが書かれており、昼までに条件を受け入れぬ場合、総攻撃を掛けるという内容であった。


 朝の静けさを吹き飛ばす出来事に教皇は激怒し、即座に指示を出す。


「使者はそのまま、拘束。昼までにすべての戦の準備を整えなさい。いいですね!」


 教皇は条件を受け入れず、戦う道を選んだのだ。


 使者が戻らぬ事に対しては四勢力連合からも、すぐに攻めいるべきだと言う意見が飛び交う、しかし、昼までは待機と言う命令は変更される事はなかった。


 そして、返答が無いまま、太陽が頂点に到達する。


 その瞬間、【ウォルベア】の門が開かれる。

 縛られた状態の使者が馬に乗せられて放たれる。


 使者を乗せた馬が中間に差し掛かると同時に【ウォルベア】の門が開放され、勢いよく聖騎士団とグレストロ軍の騎馬と歩兵が駆け出していく。


「「「ウオォーーーーッ!」」」

「「「いくぞッ!」」」


 其れを合図に、四勢力連合軍も動き出す。


「奴等より先に中央へッ! 仲間を見捨てるなッ! いっけぇッ!」


 両軍が駆け出し、大地が揺れる。大気すらも震動させる掛け声と雄叫びが交差する。


 バルメルム大陸の運命を左右する対戦が此処に幕を開けたのだ。

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