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決着の雄叫び×小さき女王×悪意ある宴……3

 グリムは全てが終わると、キャトルフとアルガノに対して、勝手な行動を強行した事を謝罪する。


 立場上、副隊長であるグリムが独断で隊長各であるアルガノの行動を妨害し、更に立場を忘れた発言に対して、罰を受けると発言した。


 情報収集部隊に所属する黒猫の団員達も同様に頭を下げると共に、団長であるキャトルフにグリム副隊長への罪を皆で受ける覚悟を露にした。


「……なあ、グリム。それにグリム副隊長に賛同して動いたお前らも、間違った事をしたと思っているのか?」


 キャトルフの言葉に誰もが口を閉ざした。


「それでいい。俺もお前達が間違っているとは思わない。多少、言い過ぎた程度の問題で何ら問題を罪とする気はない……わかるな」


 情報収集部隊の団員達は無言で涙を大地に長した。


「グリム。俺はお前をワーリス=モディカ隊長の後継者としようと思う。副隊長は自由に選んでくれ。モディカもそうして、デルモ=グリムを選んだんだからな、いいな?」


「……りょ、了解したっす……本当にこんな時に、そんな話をするなんて、キャトルフ団長は酷い人っす」


「モディカにも、同じような事を言われたよ。頼んだぞデルモ=グリム隊長」


 キャトルフはそう告げるとモディカの使用していた魔石(アーティファクト)を手渡した。


 黒猫の団で悲しみと別れ、新たな隊長が決められた直後、シュゲンがキャトルフ達にエルイの郷も同行すると意思を表明する。


 エルイの郷は本来の目的であるノルテ・トルトゥーガを封印するという宿命であり、呪縛であったしがらみが消え去ったからである。


「シュゲン様、有り難い申し出ですか、エルイの郷と大樹エルイはどうするのです?」


「問題ない。大樹エルイは魔石(アーティファクト)なのじゃ。植物の種に魔石(アーティファクト)である【エルイ】を芽生えさせれば、問題ない」


 シュゲンは、既に芽吹いたエルイの郷は大樹が枯れるまでは存在し続ける事実も同時に語り、郷がなくなる事はないと語った。


 その日、旅立つ筈であった黒猫と獣帝軍はモディカの(とむら)いをする為、旅立を一日見送った。


 涙と悔しさが混ざり合う葬式の後、食事を取ろうとする黒猫の団員の姿は無かった。


 そんな中、シュゲンに呼ばれ、酒を口にするキャトルフの姿が寺院の広間にあった。


「のぉ、キャトルフ。此度の戦は大きいのぉ、黒猫からも少なからず、死者が出ておる、それに対して多くの屍を作り上げている事実もある。主はどう動きたいのじゃ?」


「今は聖職者協会のある【ウォルベア】を潰すだけだ。奴等は死神と呼ばれる傭兵団に手を出したんだ……一人残らず、上位の聖職者どもを刈り取るだけだ」


 夜が更けていく最中、キャトルフは普段語らぬ、先を見据えた考えも確りと口にした。


 その日、アルガノがキャトルフを迎えに来るまでの間に語られた怒りと悲しみをシュゲンは酒の肴に二人を見送ったのである。


 大空を見つめるシュゲン。


「ふぅ……真っ直ぐだねぇ、本当に。ねらってたんじゃが、ほんに残念じゃのぉ」


 女として、そう語るシュゲンは明朝の旅立ちを静かに待つのであった。

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