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神の裁き×怒りの矛先×狂喜……3

 老人が語った夢物語の内容はフェルドルム大樹海に新たな鉱山を探すのが目的で侵入した際の話であった。


 大人一人が何とか通り抜けられる抜け道を見つけ、防壁内部に侵入した際、外からは分からなかったが、巨大樹が姿を現し、すぐに見た事もない部族に取り囲まれた。


 言葉もわからぬ、 存在に命の危機すら感じた老人は慌ててその場から逃げだした。


 後日、抜け道を再確認すると、綺麗になくなっており、誰に話しても信じて貰えぬ笑い話となっていた。


 キャトルフと風薙が老人の話を聞いたのも酒場であった。酔っ払った老人に酒を奢る代わりにその話を詳しく聞かせて欲しいと願ったのだ。


 老人はフェルドルム大樹海に向かう際には“マスク”の装備を忘れるなと口にする。

 老人は若い頃に偶然、フェルドルム大樹海の内部に入れた方法を記した紙をキャトルフに手渡す。


「若いの、笑わんのか……儂は遠い過去に到着した筈の場所にもう一度行きたい、そんな気持ちから、理由をつけては再度内部に入ろうとしているんじゃ」


 老人の寂しそうな言葉にキャトルフは、自身のグラスを一気に飲み干す。


「笑わないさ、俺も諦めたくない物があるから、この場にいるんだ」


 老人は最後に微笑みながら、キャトルフに優しい口調で語り掛けた。


「最初にたどり着いた洞穴は、次にいった際には閉じていた……だが、見たんじゃ、年老いた目にハッキリと洞穴が開いている姿を、逃げ出した儂が頼むのも、烏滸(おこ)がましいがどうか、確認して来てくれ、儂が捜していたあの場所が実在すると……」


「嗚呼、確りと確かめて来るよ。爺さん」


  そして、フェルドルム大樹海にある洞穴の奥へと進んでいく。


 地図に記された通り、複雑な道を進んでいくキャトルフと風薙。


 外へと続く道を見つけた二人は慌てて駆け出そうとした瞬間、洞穴の出口がゆっくりと閉じていく。


 キャトルフ達は慌てて外に飛び出すと出口が確りと閉じる。


 息を切らせたキャトルフと風薙は、不思議と笑みを浮かべていた。


「あはは、爺さんの言った通りだ。本当に閉じやがったなぁ」


「だな、本当に閉じるなんてビックリしたな、危うく閉じ込められちまう所だったぜ、流石にキャトルフと閉じ込められるなんて、ごめんだぜ」


 そんな学生のような笑い声を発していた二人は背後から近づく無数の視線に気づくと、相槌を打ち、一気に走り出す。


 二人を追う無数の人影、そんな最中、二人が目指す先に巨大な大樹が姿を現す。


 必死に走り出した二人は無意識の内に既に巨木を目的地として認識してしまっていた。


 当然ながら、二人を止めようと必死に追っ手が速度をあげる。


 そんな時、聞き慣れない言語が叫ばれると追っ手が歩みを止める。


 キャトルフと風薙の前方に派手な緑色の服を纏った一人の少女が姿を現し、拳を構える。


「キャトルフ、あれはヤバそうだぜ!」


「ああ、だが、今更止まれないだろうが! いっけぇッ!」


「#::。 £¢*※&! *℃@◎#″″&*!」

〔あはは! 嬉しいぞ! 勇気ある者達よ!〕


 止まらぬ二人の姿に少女は不敵な笑みを浮かべると、タイミングを合わせ、拳を前を突き出す。


 キャトルフは、突きだされた拳に対して、真っ直ぐに手を滑らせるようにタイミングを合わせて前に出す。


 言語が分からない両者は雰囲気と感覚の中で互いの覚悟を実感し、止まることなくぶつかり合う。

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