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第63話 殉教

気付けば総合評価が1万を超えていました。沢山のブクマや評価、感想をありがとうございます。励みになります。


今後も不定期更新の予定ですが、よろしくお願いします。

女神が復活したのでまた前までと同じように情報を引き出そうとしたけど、どうやら再度いなくなったようで呼びかけは徒労に終わる。ただあの性悪女神、最後にパルパル教を邪教認定して引っ込んだので新たに獲得したミラー公爵領の統治に凄く苦労している。ガチ女神がいる宗教相手に宗教戦争はやっぱり苦しいな。


あと、宣戦布告無しで戦争を始めたのでミラー公爵領の蜂起の数が凄い。お蔭で奴隷が増える増える。こういった形で獲得した奴隷は基本戦力にはならないので鉱山へ送ります。国のために働いて死んでね。


とか思っていたらミラー公爵領の領内にいる元エストアニ王国の男爵達が一斉に聖戦を開始。クヌート教の厄介なところは、聖戦で死ねば無条件で天国に行けるという記述があるところだ。


まあ殉教したら天国に行けるよなんて、大半の宗教が設定していることだし「現世は駄目でも来世では」みたいな考え方は異世界転生に通ずるものがあるけど、これによって死兵と化すのは本当に止めて欲しい。最前列に立たせている不死身の奴隷達の経験値がどんどん上がってしまう。もうこれ死なないんじゃない?


ということで、パルパル教に教義を追加する。内容は他宗教が聖戦を仕掛けてきた場合、相手を殉教させて天国に行かせてあげる慈善活動を行うこと。これを沢山行った聖人には、現世で教皇である俺が褒美を渡す。向こうは死んだら天国に行けると思っているんだから、そういう人を天国に行かせてあげるのは慈善活動と一緒でしょ。理想を抱いて戦死しろ。


クヌート教以外の宗教でも、殉教者は天国行けるよって言ってるし、その中には天国に行けば毎日幼女を抱けるとかヤベーものもある。それに比べれば他宗教の殉教を手伝うだけのパルパル教はまだマシ。……いや、どっちもどっちか。


そしてひたすらミラー公爵領内に湧くクヌート教信者を天国へ送る慈善活動をしていたら、他の領土でも「あれ?俺らの王ってかなりデンジャラスじゃね?」みたいな雰囲気になっていた。今更何でこんな問題が浮上するんだよ。宣戦布告無しの戦争は、それだけヤバイことだったということだけど、ミラー公爵領を支配する正当な理由を作れなかったから仕方ない。


とりあえずミラー公爵領以外のクヌート教信者は、全員ミラー公爵領へ強制移住させてパルパル教信者を優遇していく。先祖代々受け継いだ領土?移住先の土地が貧相で狭い?そんなことは知らん。クヌート教信者なのが悪い。クヌート教信者からとりあげた土地は、パルパル教信者に配ります。上手いこと、支持基盤を作らないとそろそろ不味いと直感したよ。


ミラー公爵領以外では既にパルパル教の方が数で上回ってそうなのでこの政策を実施したけど、どうやら実際の数は五分五分ぐらいだったのかな。でもこのパルパル教信者厚遇政策のお蔭で、ミラー公爵領以外はほぼパルパル教信者で染まった。合法的に弱い者虐めが出来るとか、倫理や道徳が発展していない時代である以上、抗える人間はいないだろう。


……実際のパルパル教信者の割合は、ミラー公爵領以外で8割と言ったところか。残りの2割は、隠れクヌート教信者だろうけど、これを省くのは相当苦労しそうだ。そのままパルパル教に鞍替えしてくれれば楽なんだけど、宗教を始め、一度人が信じ込んでしまったものを変えるのはかなりの労力を必要とする。


まあ、元々地震で崩れた建造物が多いミラー公爵領。大砲の一斉射撃で街が瓦礫の山になってもミラー公爵領以外に住むディール王国民にとっては関係のない話。従わなかったら全滅すると向こうが思えば間違いなく折れるし、既に心折れた日和見勢力が次々とクヌート教の女神像を砕いてはパルパル教に鞍替えしているので支配は時間の問題だな。


……こんなことしてるからこの世界で1番悪い奴になっているんだろうけど、たぶん2位は性王アルフレートだろうしあのランキングを気にする必要はない。強盗、強姦、殺人のコンボを100回以上決められる奴なんて、そんなに多くいるとは思えない。


あの性王、嫁達だけでは飽き足らず、無理やり村娘を手籠めにしたりもしているようだし、強姦回数はヤバイことになっているだろ。強盗はまあ、略奪を言い換えたら強盗になるわな。殺人に至っては戦場に立って活躍している以上、100人は殺してそう。そして何よりも、あの性王を押し退けてただの猟奇的殺人犯が2位になるとは思えない。


となると、ヴァーグナーは3位だな。俺や俺の奴隷達を殺すために、自分の兵や村の被害を鑑みずに自然災害を引き起こすなんて悪人でしかない。いやでも人類の共通の敵を殺すために犠牲を厭わなかったとかで、あいつだけ負のカルマ値が貯まってなさそうな気がして来た。はいはいコラテラルコラテラル。


……ヴァーグナーは独立した上でカルリング王国と同盟を結んでいるから、かなりカルリング王国を自由に操ることが出来るのだろう。このミラー公爵領春の反乱祭りを知っているなら、二か国が合同で仕掛けて来てもおかしくないけど、動いていないのは地震&疫病のダブルパンチを食らったボルグハルト王国の方を狙っているからか?それとも単純に、動けないほど疲弊しているのか?


ぐるぐる思考を巡らせながら、また起きた反乱を納めるために精鋭奴隷達を派遣する。そろそろミラー公爵領から人がいなくなりそう。……農地はかなり広い公爵領だし、活躍した奴隷兵に配る土地が出来たと考えれば悪くない。悪くないだけで、決して良くはないけど。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 要らん事ばっかする性悪女神の宗教と敵対したところ。 主人公に対してはもちろんこの世界に対しても(主人公を転生させるという)特大の要らん事してる女神を崇める宗教とか邪教と言っても過言ではな…
[一言] >> 最前列に立たせている不死身の奴隷達の経験値がどんどん上がってしまう。 全然困ってなくて草
[一言] この3兄弟を生み出した父親のヤベェヤツ度が日に日に高まってそう
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