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第50話 王国級

アニエス公爵とヨアヒム伯爵の軍は、合計で3000人ぐらいいたけど見事エストアニ王国軍に蹴散らされたようで、ヨアヒム伯爵に至っては捕虜にされていた。そのまま死んでくれても構わないので、交渉には応じないです。


とりあえずで雇った3つの傭兵団2000人と、農民兵が3000人。奴隷兵が3000人に、常備軍が1500人で、合計9500人の軍となったディール王国軍。1万近い軍を率いると、自分が王になったと実感できるね。ずっと兵が道に並ぶような軍のトップが自分とか、凄く気分が良い。


なお常備軍1500人の内、500人は新造の常備軍なので練度はイマイチです。個々の力は強いだろうけど、連携は不慣れ。奴隷兵も、古参1000人ぐらいは大真面目に不死隊なんだけど、残りの2000人はそこまで人外染みてない。


でも奴隷兵全体で不死隊と名乗っており、今回の部隊長であるライト男爵は鉄砲の耐性も無事獲得したので簡単に指揮のトップが潰れない。古参の奴隷はマジで殺せる手段が少なくなってきているから、手綱は緩めないようにしないと。


エストアニ王国軍の先陣を切って突撃してくる傭兵団に対しては、奴隷兵による鉄砲の一斉射撃を行う。単発式だけど、威力はそこそこ。問題は、大砲と一緒で壊れやすいことと、暴発した時に奴隷以外だと最悪死ぬ恐れがあること。まあ火薬使ってるからしゃーない。


暴発した銃は、その後は鈍器として使うしか活用方法がないな。銃剣にしても良かったんだけど、剣が弾け飛ぶとわりと危険だから採用は見送った。下手に中途半端な剣を持たせるぐらいなら、別に槍を持たせておいた方がまだマシ。


敵方は、こちらの鉄砲の存在に驚いたようで足が完全に止まる。まあ、知らなかったら進軍は停止するわな。すぐに逃げ出さないのは、傭兵団の意識と練度の高さ故か。そこを元傭兵団現常備軍の騎馬部隊が急襲し、蹂躙を開始。


先頭を駆けるコルネリアの兄ハンスは、高い剣術レベルの他にも頑丈の身体的特性を持っているし、戦闘力が高いので先頭を駆けて士気を上げるにはうってつけの存在。領土が増えて来たら、コイツも伯爵候補です。一応、親族関係にもなるしね。最近は実家への仕送りもしているらしい。出来た若者だ。


というかエストア公爵領の伯爵領は、ライトとハンスとグラミリアンに配るか。5つある伯爵領の内、3つを封臣に任せて、残り2つを直轄領にしよう。アニエス君は約束通り、ディール公爵領のロイター伯爵領の伯爵にする。裏切る気配は結局無かったし、裏切るつもりもないみたいだから、家名の土地の方が大事なのかな。


まあ今年は飢饉でエストア公爵領から得る物は何も無いんだけど……一応、エストアニ王国からの援助がエストア公爵領内に入っているからただカルリング帝国から毟り取るよりか効率が良かった。エストアニ王国軍の傭兵部隊がわりと壊滅的な打撃を受け、撤退を始めたのでグラミリアン率いる農民兵が功績を求めて追撃を始める。もうこれ、俺は何もしなくて良いな?


部下が優秀になったお蔭で、一々指示しなくても良くなったのは楽だ。中隊、小隊の隊長も元奴隷がどんどん増えているから、人材には困らなくなってきている。……そのうちディール王国の軍の編成は、師団を意識するようになるかな。問題は、大隊クラスを率いる人材が少ない事だけど、それも時間が解決しそう。


一部、エストアニ王国軍の精鋭がいたようで反撃はされたが、うちの古参奴隷もゾンビアタックが可能なので実質精鋭部隊。巨大な斧を振り回す敵将がいれば、その敵将の攻撃を受けて頭が吹っ飛んでも戦い続けるのがうちの精鋭奴隷です。何ならその状態で敵将に抱き着く。こえーよ。


潰しても潰しても這いよる奴隷兵を前に、あっという間に押しつぶされて喉を短剣で斬られる敵将。何あれ可哀想。そしてトドメを刺した奴隷は解放されるぞと喜んでいる。もう既に奴隷兵の管理はほとんどライトが行っているから文句言わないけど、敵将1人殺せば奴隷から解放されるのか。


……何にせよ、あの中央で指揮をしていた敵の強そうな将が殺され、部隊が散り散りになっていくのを追撃している時点で試合終了です。こちらの被害は、死者200人に負傷者600人程度。一方で敵方は、追撃で大分狩ったから2000人ぐらい死んでそうだな?


追撃においては騎馬隊が活躍したけど、一部の馬鹿が鉄砲を撃ったせいで馬が暴れて落馬し、重傷を負った阿呆もいる模様。しかしまあ、うちの軍は強いな。特に複雑な奇策を打たなくても、1万人ぐらいの王国級の軍相手なら普通に勝てるか。


これで一通りの戦争は終結し、エストアニ王国との戦争は白紙和平。レナート帝国からは賠償金という名の奴隷を頂き、こちらも和平が成立。エストアニ王国との戦争は、こちらから吹っ掛けると戦争が継続しそうだからこちらが妥協。可能ならカルリング帝国が動く前に和平を結びたかったので、速度を優先。


ちなみに、ボルグハルト王国に攻められているヴァーグナーとの戦争は継続。レナート帝国との和平の直前に俺の持つクラウス公爵領への請求権の行使という理由でカルリング帝国へ宣戦布告を行ったので、レナート帝国と和平を結んでもヴァーグナーとは和平を結ばない方向で話を進めた。


どうやらカルリング帝国、というかヴァーグナーはボルグハルト王国相手に苦戦しているようなので、手頃な領土を切り取らせて貰おう。これ以上ボルグハルト王国に拡張されると困るので、それを防ぐ目的もある。


既に公爵領が6つあるボルグハルト王国は、ディール王国の倍の国力を持っていると考えても良い。そろそろ国境も接するので、侵攻するのも視野に入れたいけど……四方全てが敵国なのはやり辛いなあ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今話もありがとうございます! >巨大な斧を振り回す敵将がいれば、その敵将の攻撃を受けて頭が吹っ飛んでも戦い続けるのがうちの精鋭奴隷です。何ならその状態で敵将に抱き着く。こえーよ。 ww…
[一言] 四方全てを敵国にしたのはお前なんだよなぁ…
[一言] お前の方がこえーよ…………ってみんな思ってるけど口には出さない
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