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完結後番外編  作者: タカ
Change The Relation×Promise
24/26

Triple Date 4話

6人は結局特に目的のアトラクションを決めずに、手当たり次第に乗ることにした。

というのも、優衣も高所恐怖症と言うわけではなくジェットコースターのみ駄目だと言う事が分かったからだ。

だったら、とブラブラしながら目に入ったアトラクションを片っ端から乗っていった。

4つ目のアトラクションを乗り終えたところで時刻は13時を周りそろそろお腹がすいてきた。


「そろそろ飯にするか」

「そうだなぁ…。何食う?」

「園内にあるレストランでもいいと思うけど…人が多そうだもんなぁ」


男性陣で昼の予定を考えていると、華が手を挙げた。


「はいはーい。私フライドポテトが食べたい」

「フライドポテト?」

「うん、遊園地のポテトが食べたくなっちゃった」

「ん~…、柚子と伊藤は?何か食べたいものとかないか?」


柚子葉と優衣は深夜に聞かれると何故かお互い顔を見合わせた。


「私は何でもいいけど…アトラクション乗るから軽いものが良いな」

「あ、私も軽い方が良いです」


柚子葉と優衣はまた顔を見合わせると笑いあった。

それを見ていた華も笑って、柚子葉と優衣の間に顔を出した。


「私も混ぜてよ~」

「きゃっ。ちょっと、中田…じゃなくて華ちゃん、驚かさないでよ」

「だって、二人だけで楽しそうだし」


と、女性陣が話しているうちに深夜は周りを見渡すとあるものを見つけた。

そして、女性陣に向かって声をかけた。


「じゃあ、あそこのフードコートで何か食うか?ホットドッグとかいろいろあるみたいだし」

「うん。三人とも行こう!」

「あ、ちょっと…」

「ま、待ってください」


華が柚子葉と優衣の手を取って先に走り出したので、柚子葉達はそれについていく形で小走りに華の後を追う形になった。

残された、男性陣は顔を見合わせると苦笑いを浮かべ女性陣の後を追った。

フードコートには、フライドポテトなどの軽食からうどんやラーメンなどの麺類、さらにはカレーライスなどがあった。

女性陣が軽食系を選び、男性陣は軽食では物足りないと考えラーメンやカレーなどをチョイスした。

話をしながら食事を取り終えると、また遊園地内をブラブラし始める。

移動するときは先頭に地図を持った深夜とその隣に衛が並び、そのすぐ後ろに柚子葉と優衣が並んで何か話をしている。

その後ろを少し離れたところで翔と華が4人の後姿についていく形になった。


「でも、よかったな~」

「ん?なにが?」


華が呟いた言葉に翔が反応すると華が少し嬉しそうに微笑む。


「こうして翔君と山上君と衛君が一緒にまた遊べてよかったなぁって」

「ん?どういうこと?」

「だって…中学卒業するときはまだ三人で遊んだりすることなかったじゃない?」

「あ~…そうだなぁ。でも高三になってから仲直りしたって俺言ったよな?」

「そうだけど、実際に目で見ないと実感しないことだってあるでしょ!」


華が大声出すとすぐ前を歩いていた柚子葉と優衣がビクッと反応してゆっくりと振り返った。


「華ちゃん、どうしたの?」

「あ、ううん。なんでもないよ~」


華は心配そうに声をかけてきた柚子葉に明るく答えると、柚子葉達のところに走り寄って行った。

翔はそんな自分の彼女の行動を見て苦笑いすると、女性陣を見て何か会話を交わしている深夜と衛を見た。

先ほど華も言っていたが深夜と衛が揃っている姿を見ることはないと思っていた。

高校三年になって二人が仲直りした場面に翔も立ち会っている。その後三人で深夜の家で話したりもした。

だが、翔は今でも二人の姿を見ると嬉しくなってしまう。それだけ翔は二人の事を心配していたのだ。

つい笑顔になってしまった翔が目に入ったのか深夜は不思議そうに見ると手で『来い』と合図してきた。

その合図の意図が分かった翔が深夜達の所に向かう。


「…翔、お前気味悪いんだけど。何ニヤニヤ笑ってんの」

「べっつに~」


深夜の言葉に翔はまた笑ってごまかすと深夜と衛の背中を軽く叩いて先を促す。

翔の様子を不思議に思った深夜と衛だが、乗りたいアトラクションが見つかったのか先ほどまで柚子葉達と話をしていたはずの華が翔の腕を取って走り出した。


「翔君!次、あれ!あれに乗ろう!」

「うわっ!?ちょ、華待てって!」


華に引っ張られるような形で翔がついていく。

それを見て深夜と翔は懐かしそうに笑い、柚子葉と華は呆気に取られているようだ。


「どうした?」

「華ちゃんって…もう少し静かな子かと思ってた」

「あー…どっちかって言うとあいつはあんな感じ。ただ、仲良くないやつの前だと自分を作るっていうかネコを被るんだよ」

「そうそう。だから、ああやってお前らの前でもあんな風にはしゃぐってことはそれだけ打ち解けてるってことだろ。ま、あいつが勝手に思ってるだけかもしれないけど」


深夜達が話していると先に走り出していた華が大声で四人を呼ぶ。


「ちょっと!山上君も加藤君も何してるの!柚子葉ちゃん達も早く来てよ!」


華の隣では翔も大きく手招きして四人を呼んでいる。

その声に周りの視線がちらちら向けられているが、当の二人は気にならないのかまた大声で呼ぶ。


「おい!早く来いって!」


今度は視線が深夜達の方へと向けられる。

その視線が少し恥ずかしくなって、早足で二人にかけよる。


「おい!こんなところで大声で呼ぶなよ!」

「お前らが来ないのが悪いんだろ?」

「逆に言うと、お前らが勝手に進むのが悪いんだよ…」

「まぁまぁ、それよりも早く乗ろうよ!」


深夜や衛の言葉にも華は特に気にかからないようで、翔の腕を取ってすぐ傍にあるアトラクションに進んでいく。

残された四人は顔を見合わせると恋人同士で手を取って二人の後を追った。

それから少しアトラクションを乗ると、日が暮れはじめた。


「うわ…日が短くなったなぁ」

「そりゃもう11月だし。…そろそろ帰るか」


翔は時計を見ながら呟く。

今から移動することを考えると、集合した駅には18時頃に着くだろう。

人も多いため、移動するには早めの方が良い。

だが、翔の言葉に華が反対した。


「え~~!もうちょっと遊ぼうよ~」

「でも、移動する時間とか考えなきゃ」

「むぅ…。じゃあ、最後!最後に観覧車乗ろうよ!」

「観覧車?」

「うん!今から乗ったらきっと景色もきれいだと思うもん!」


確かに華の言うとおり日が暮れかけていて、観覧車に乗ったらもしかしたら綺麗に見えるだろう。

翔が少し迷うと、その顔を見て少し残念そうな顔をして華は翔から少し離れた。

それを見て、深夜が翔の右肩を、衛が反対の左肩に手を乗せる。


「いいじゃん。乗ってこうぜ。なぁ、深夜」

「あぁ。少しぐらい遅くなっても大丈夫だろ。せっかくここまで来たんだし…それに柚子も乗りたそうだし」

「あ、優衣も多分そうだと思う。やっぱ、女の子は憧れるところあるんじゃないか?翔、お前中田と付き合いだして遊園地とか来た?」

「いや…来てないと思う」

「だったら、乗ってもいいんじゃないか?」


深夜や衛の話を聞いて、翔が女性陣のほうに視線を向ける。

女性陣は観覧車を待っている列に視線を向けて何か話をしている。観覧車の列には日暮れに伴ってか、確かにカップルの姿が多く並んでいる。


「…だな。観覧車に乗るか」

「なら、行くか。おーい、観覧車のところに行くぞー」


その言葉に華が嬉しそうに微笑んで男性陣の所に駆け寄ってきた。


「え!?いいの?」

「だって、乗りたいんでしょ?」

「うんっ!」


翔の言葉に華が嬉しそうに頷き、その後ろの柚子葉や優衣も嬉しそうに微笑んだ。

やはり彼女達も口には出さなかったが乗りたかったのだろう。


「そうと決まれば早く並ぼう。優衣、行くぞ!」

「あ、待ってください!」


衛がまず優衣の手を取って、観覧車の乗り場へ早足で進んでいく。

それを見て、華も翔の腕をとって少し駈け足で追って行く。


「翔君、私達も行こう!」

「ちょ、ちょっと待てって!」


残された深夜と柚子葉は顔を見合わせるとお互い微笑む。


「ったく、競争とかじゃないっつうの。…俺らはゆっくり行くか」

「うん」


深夜と柚子葉も手を繋ぐと、ゆっくりと四人の後を追った。

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