表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪女のレシピ〜略奪愛を添えて〜  作者: ましろ
第一章 

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/89

小話その2 男の子の宝物

 

「あっ、ナタリー見て」

「まあ、ずいふんと大きいですね」

「本当ですね。とても立派だ」


 思いもかけない見付物(みつけもの)です。


「……パスカルにあげたら喜ぶかな」

「うちの弟は大好きでしたよ」


 よし、これで少しは仲良くなれるかしら。


「お嬢様、危ないです。私がとりますよ」

「でも」

「そうですよ。こんなに艶々ですけど、気を付けないと指が切れることもあるんですよ!」

「まあ、そうなの?じゃあ、マルクにお願いしてもいいかしら」

「お任せください」


 とりあえずハンカチに包んでおけばいいかな?

 早く渡さなきゃっ。


 コンコンコン


 パスカルの部屋のドアをノックする。


「ブランシュ?」

「あら、マイルズも一緒だったの?」

「ちゃんと謝りました」

「良くできました。私も、お詫びと言ってはなんだけど、素敵なものを手に入れたからパスカルに渡したくて」

「………ぼくに?」

「うん!これ、もらってくれる?」


 ソッとハンカチを開くと、


「ぎゃ─────っっつ!!!」


「え?」


 何故かマイルズが叫び声を上げました。


「うわっ、すっごいカッコイイじゃん!」

「でしょ?窓枠にくっついていたの」


 よかった!パスカルは気に入ってくれたようです。


「お気を付けください。節の隙間に指が挟まると切れますからね」

「へえっ、お前物知りだな」

「子供の頃よく遊びましたから」


 今までで一番嬉しそうな顔をしています。

 さすが男の子の宝物、カブトムシ!


「ちょっ、早く捨てて来てよ!」

「どうして?」

「虫なんか気持ち悪い!ぎゃーっ、こっちに向けるなっ!!」

「正確には甲虫です」

「知るかっ!もおっ、お願いだから捨ててよぉっ!」


 おかしいわ。カブトムシは男の子の宝物だと聞いていたのに。


「あ、女の子は虫が嫌いな子が多いんでした。もしかして貴族は男の子もあんまり触らないんですかね?」

「私は田舎貴族なので、普通に捕まえていましたけど」

「僕はカッコイイと思ってたけど、お母様はあんな感じで毛嫌いしてたよ。だから初めて触れて嬉しい!」


 なるほど。平民と貴族。もしくは育った環境の違いでしょうか。


「双子でも好きなモノは違うのね」

「当たり前だろ?」

「いいから捨ててってば!」


 でも、これでひとつ彼らの好き嫌いを知ることができました。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そんな!?それを嫌がる男の子がいるとは!w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ