スクールカースト行進曲
寝たら起きるものであり
起きたらいずれ眠るものである。
それは人だろうと人以外だろうと同じ
小学生の私は当たり前のことを当たり前と言うことができた。
生きるのも死ぬのも産まれたら当たり前にできることで仲間ができるのもハブられるのも当たり前で
ただ、私はハブられなかった。
友達がいた。それだけだった。
そんな私の名前は『長谷川雪』
小学四年の時に虐めが流行った。
当たり前だ。人は人を嫌い、人は人を好む
好んだ人は近くに置き好まぬ人は側に置きたくない
私は虐めが嫌いではなかった。いや、私はただの優越感に浸りたかったんだと思う
『キメラ』など興味が無かった。
だから、人を虐めた。そして、虐められる人を週ごとに変えて私に恐れる人を作り私に危害を加えるような人を減らした。
ただ、虐めが無かったかのように、風が吹いたように、ただ、目を合わせなかった『ひと』が、いや、『キメラ』がいた。
それが私を『人間』ではなく『キメラ』を虐めるきっかけになった。
『キメラ』は『人間』と関わり合いを持つなと言われていたんだと思う。
だから、それが嫌だった。
『人間』が『人間』を虐めるのが嫌だった。
『キメラ』が『キメラ』を虐めるのが嫌だった。
『人間』が『キメラ』を虐めるのが嫌だった。
『キメラ』が『人間』を虐めるのが嫌だった。
私の知らないところで『誰か』が『誰か』を虐めているのが嫌だった。
『虐め』を『管理』したかった。
徹底的に週ごとで『誰か』が『誰か』を虐めていた。
「今日は春香ちゃんにしよう」
私は呟いた。
聞こえたか聞こえないか分からないぐらいの声だった。
次の日には南 春香の机に花が置いてあった。
そう、私の一言で、南 春香は虐めの標的にされた。
あー、やっぱりだ。私の、私の一言で、この学校が変わる。
私はこの学校の支配者だ。
ただ、支配されてないのが1人だけいた。
虐められていた。『南 春香』
花は捨てられ水は捨てられ花瓶は片付けられる。
なのに……
あの子は、片付けなかった。
ねぇ、なんで?
なんで、虐めを無視するの?
私を、私を無視しないでよ。
初めて『キメラ』を『虐め』
初めて『キメラ』を『愛おしく』感じた




