表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/5

序章 三番目の事件


 序章 三番目の事件


 海に面した別荘地。

 三度目の事件はそこで発生した。


「こちらチェスター。ええ、はい。カードも確認しました。間違いなく美の幼体事件です」

 

 若い刑事――チェスター――がスマホで連絡を取っている。

 幾つか話した後、フレッドは現場に向き直った。


 大理石の床、鹿の剝製、革張りのソファ、オーシャンビュー。

 何の変哲もない金持ちの別荘。

 

 被害者はエーメリー・エイムズ、六十三歳。

 現場は所有の別荘のダイニング。 

 

 血塗れのキッチンの隣にある広々としたテーブル。

 ターキーの丸焼きを乗せるような大皿の上に遺体は乗っていた。


 服は剝ぎ取られ、手足は縛られている。

 内臓はくり抜かれ中には葡萄や林檎が詰められている。

 遺体の表面には油が塗られ、周りは同じように果物が敷き詰められていた。


 先輩――マーティン――の刑事が溜息を吐きながらテーブルを指さす。

 チェスターはその先にあるカードを見た。


「最初の事件は二番目からですよね。一番目は何処なんでしょう」

「さぁな」


 二番目の事件は花のように飾られたバラバラ死体だった。

 何にしても悪趣味な現場なのは間違い。


『これは三番目、三重奏。美の幼体』


 花と砂糖の香りが現場に満ちている。

 恐らく特注であろう香水がべったりと着けられたカードにはそう書かれていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ