暗殺者と聖女、再会する
どなたか存じ上げませんが、大量に誤字指摘して下さった方が居られたみたいです
全部同じIDだったので、多分同じ方かと
多大なるメンタルダメージを受けておりますが、指摘して頂き有難うございますm(_ _)m
……次回からは、間違えない様にせねば……!
「…………よう、クズ共。良くも、俺の女に手を出そうとしてくれやがったな?
無事に朝日を拝めるなんて、そんな温い考えは捨てておく事をオススメするぞ?さぁ、死ね」
極寒の極地の方がまだ温かみが在る様に感じられる程、温度が感じられない瞳にて。
地獄の底から響いて来た怨嗟の声の方がまだ優しさに満ちている様に感じられる程、低く重く殺意にまみれた声にて。
廊下に設えられた照明を背後に背負ったその影は、その手に握っていた建物の警備員の襟首をその場で投げ落とすと、腰に下げていた得物の柄に手を掛けた状態で、自らの蹴破って来た扉から部屋の内部へと踏み込んで来た。
その突然の登場と、いきなり極大級な殺意の瀑布を叩き付けられた事と、一層の事何気無く投げられた告死の言葉により、入って来たのが誰なのか、何故こんな処にいるのか、何故唐突にこんな事を仕出かしてくれているのか、と言った疑念が彼らの脳裏を駆け巡り、咄嗟の反応を妨げ、ただただその眼だけが逆光になっている中でも爛々と輝いている様に見える人影が、自分達へと近付いて来るのを見詰める事しか出来ずにいた。
しかし、部屋の奥にて媚香の効果によってベッドに倒れ伏していたセレンによる
「…………あ、あぁ……アレス、様……アレス様……!
信じて、おりました……助けに来て、頂けると……私は、セレンは信じておりました……!」
との、自分達と相対していた時とは異なる、信頼と歓喜に彩られた呟きにより、その人影の正体が不遜にも彼女の恋人を自称し、彼女を惑わした張本人(四人視点ではそうなっている)である冒険者パーティー『追放者達』のリーダーであるアレスなのだと、漸く気付く『新緑の光』の四人。
その段に至って漸く、何でここが分かった!?だとか、どうやってここまで!?だとかの疑問が脳裏を渦巻きながらではあるものの、どうにか近くに転がしてあった自らの得物に手を伸ばし、アレスに対して戦闘態勢を整える事に成功する。
……が、しかし、彼らの事はもう眼中に無い、と言わんばかりにソレまでの殺意や戦意を霧散させ、四人と彼女の間に壁として躍り込んでいるズル越しに、ベッドで苦鳴に喘ぐセレンへと、優しく気遣う様にして言葉を投げ掛けて行く。
「…………済まない、遅くなった。
……君に、謝らなきゃならない事や、釈明しなきゃならない事も幾つか出来てしまったし、こうして君を苦しめる羽目になってしまったけど、それでもまだ俺と共に在りたいと言ってくれるなら、後で話したい事が在るんだ。
だから、もう少しだけ我慢して貰えるか?なるべく早く済ませるから」
「…………ふ、ふふふっ……私の方こそ、アレス様とお話したい事が、幾つも出来て……しまい、ました……ですので、どうか……私の方からも、お願い致します。
どうか、事が終わったその後で……私とアレス様との二人きりの時間を……私に贈っては頂けませんか……?」
「……ははっ!そんな事、願ってもいない申し出だ。
なら、そんな可愛い恋人からのお願いを、早く叶えて差し上げる為にも、君に集るクソムシ共をさっさと叩き潰してしまうとしようか」
そう言葉を切ると同時に、またしてもアレスの細身と言っても良いであろう身体から、物理的な圧力すら感じられる程の殺意が放たれた、『新緑の光』の四人へと殺到して行く。
多少の心構えはしていたとは言え、基本的にそこまで高位の依頼に赴く事も、ランクの高い魔物と戦う様な事もしてこなかった彼らにそこまでの圧力を受けた経験は乏しく、未だに刃を交えた訳でも無いにも関わらず、既にその額からは脂汗が滝の様に滴って行く。
相対しただけでそこまでの消耗を強いられた彼らが、恐怖心を抱かないハズも無く、ただ無造作に一歩彼らの方へとアレスが踏み出しただけでソレが弾け、全員が意味不明な叫びを挙げながら彼へと目掛けて殺到して行く。
ブレットが両手それぞれに盾と剣を。
カレルが両手に逆手に握った短剣を。
ロビンが強弓につがえた複数の矢を。
デビットが杖を構えて魔法の詠唱を。
それぞれが得意な得物を手にアレスへと襲い掛かって行く四人だが、その動作は精細を欠き、技術を伴わず連携すらもままならない、そんな暴走と変わらない様な行動にアレスは冷たく一瞥をくれてやると、自らも更に一歩踏み込みを掛けて前へと出ると、冷静に冷徹に順番に対処して行く。
真っ先に躍り出て来たブレットが構えていた盾を殴り飛ばし、体勢が崩れた処を足払いで転ばせながら、構えていた腕ごと盾を両断して切り落とし、気合いで立ち上がって来られても困るためにその場で足を振り上げ、倒れるブレットの股間目掛けて踵を振り落とし、踏み砕く感触を覚えながら二度三度とこじり付けて確実に粉砕している事を確認しておく。
次いで飛び掛かって来たカレルが空中にて投擲した投げナイフを身体を揺らす事で悉く回避すると、着地の瞬間を狙って得物を振るい、回避のしようの無いタイミングにて伸ばされていた足を切断すると、断面を抑えて悪態を吐きながら転がり回るカレルに対してブレットにしたのと同じ様に掲げた踵を振り落とす。
更にその次の三番目……とアレスは視線を巡らせるが、そこには顔色を青ざめさせながら、つがえた矢を放つ処か、弦を引き絞る事すらせずに震え上がるロビンの姿があったのだが、アレスにとっては相手が恐怖に震えていようがいまいが関係無く、この場に居るのは『駆除すべき獣』でしか無い為に、死なない程度に逆袈裟の形で刃を振るって弓ごと胴を切り払うと、前の二人と同じ様に倒れ伏すロビンの股間を処理してしまう。
そして、最後の一人であるデビットへとアレスが視線を向けると、そこには失禁しながら腰を抜かしてへたり込み、辛うじてその先端にはなんの魔法も宿されてはいない杖を掲げて向けてはいたが、涙と鼻水と涎とに彩られた顔面を見るからに、確実に戦意は挫かれているのだろう事が察せられた。
……が、流石にセレンを襲おうとしていた獣の内の一匹である事は間違い無い為に、一足で距離を詰めて掲げていた杖ごと両手を手首の部分で両断すると、他の三人と同じ様に股間を踏み砕いて断種処分を施してしまう。
そうして、多少過剰防衛気味ではあるものの、それでも拐われていた女性を助ける為に、と言う口実にて与えられる最大限の損傷を与えたアレスは、一応全員生きている事を確認した後、腰のポーチから安物のポーションを取り出して全員に振り掛け、わざと傷口が塞がる程度に治療してしまう。
それにより、玉無し・種無し・手足無しがほぼ確定した、激痛と身体欠損によって泡を吹きながら色々と垂れ流しにしているイケメン(笑)四人を見下ろしたアレスは、流石にある程度の溜飲は下がったらしく腕を組んで頷きを見せる。
「…………かはっ……!はっ!はっ!はっ!!あぁ…………ぐうっ……!?」
「セレン!?
おい、セレン!?おい、大丈夫か!?こっちはもう終わったぞ!だから、後はそっちの身体の事だけ考えればソレで良い。
だから、言ってくれ!俺は、何をどうすれば良い!?」
「……はぁ、はぁっ、はぁっ!……い、移動を……ここでは無く、パーティーハウスに、私を……!」
「分かった!済まんが、抱えさせて貰うぞ!
少しだけ、辛抱してくれ!!」
「……うっ?うぁっ!?あああぁぁぁぁあ!?!?!?あっ♥️」
四人を蹴散らしたアレスが、セレンの苦し気な喘ぎ声を聞いて慌てて駆け寄り、彼女を落ち着かせようとして手を握りながら声を掛ける。
すると、セレンの方も、最も近くに居るのがアレスだと言う事を察知してか、彼の手を握り返すと自分が最も苦しい状態に在るにも関わらず、自らアレスへとパーティーハウスまで移動する様にと指示を出す。
それに従い、一も二もなく彼女を横抱きにして抱き上げたアレスは、彼女の頭を揺らさない様に、との気遣いから自らの胸元に彼女の頭を抱き込む様な形にて抱え込むと、一緒に来ていた森林狼のズルに一言掛けてから一目散に走り出す。
……が、それにより、アレスの男性としての匂いをより強く意識してしまって、薬の効果でより一層アレな状態にセレンがなってしまっていたり、そんな彼女の匂いを仕切りに嗅いではズルが首を傾げたりしていたのだが、彼女を運ぶことで必死になっていたアレスはそれらに気付く事は終ぞ無いであった。
取り敢えず、バカチン四人のお仕置き(物理)はここまで
お仕置き(その他)はまた次回
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